裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

木曜日

ヘモロイド・メタル・シティ

ハードロッカーは力むんで痔になりやすいんだぜ、ファ〜ック!

※『オーフラ』台本 『社会派くん』対談

明け方4時起き、携帯使ってメール類、及び読書。
原田実さんの『日本トンデモ人物伝』(文芸社)。
こ・れ・は、オモシロイ!!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4286083918/karasawashyun-22
自分がこの本を書いたらここはこうするだろうな、とかも読みつつ考える、
などと言っても私には原田さんほどの知識も教養もないが、しかし
自分なら、と考えるのは大変勉強になる。

それにしても戦前までのこういうオカルト系思想家の続出が
大変興味深い。思うに明治維新を経ていきなり“世界の中の日本”
の立ち位置をどうとらえるか、という問題に直面して、日本は
大変にとまどっていた。正当な思想や宗教はそれまでそんな
国家のアイデンティティ問題を取り扱ってなかったのだ。
国家はそのアイデンティティを単純な皇室崇拝で代替しようと
したわけだが、“自分探し”を本能とする人間は、もっと
深い部分での国家アイデンティティを求める。
これらオカルト系思想家たちの言説は、そういうニーズに
応えて出現し、広まったものだろう。
この原田さんの本は、単にトンデモ人物の列記にとどまらず、
日本人のアイデンティティ探求史にもなっているのである。

6時半ころ、また眠りに落ちる。
ウツラウツラ時に見た夢。
札幌に帰省。もう実家は無くなってしまっているが、
所持している家屋などを回る。
凄まじく古びた、しかしいい感じの廃屋が数軒。
驚いたことに、どの家の内部にも、蔵書がしまわれている。
これらをまた始末しないといけないのか、と思いちょっとヘキエキ。

9時起床、すぐブランチになるのだが、空腹に耐え兼ねてパスタ茹でて
ペペロンチーノ作って食べてしまう。

TくんからK社との二回目打ち合わせの日取りなど。
護国寺へ出向くことになる。もう1件、日延べが続いているところも
この日にやってしまおうか。さらにK社の別部門から電話、原稿料
振り込みの件。

12時、母の室へ。昼食、自家製クサヤ、ホウレンソウおひたし、
豆腐の汁。なかなかのメニューである。
別府明華ちゃんに、明日の観劇の待ち合わせの件など。

『オールドフランケンシュタイン』台本、カリカリ。
3時半、中断して、神田古本祭用のサイン本持って新宿に出る。
『らんぶる』にて、社会派くん対談。
今回は暮れに出る単行本のラスト部分にあたる対談だが、そこで
一回ではすまないような殺人狂時代事件、K島K苗(?)事件が
起ってしまった。単行本をまたぐというのはあまりよろしくないので、
単行本原稿チェック時にまた、かなり手を加えねばなるまい。

対談中、この犯人の顔写真がまだモザイクつきなことを
「いつ、このモザイクが取れるかだね」
「まあ、どういうレベルの顔か、見物だね」
などと話していて、店を出るときに店頭に置いてあった東スポを
みたら、堂々とモザイク無しの顔が載っていた。

京王デパ地下で買い物し、帰宅。
荷物あるのでタクシー。ラジオで和田春樹東大教授が話していた。
進歩派教養人として、右派からなされる批判などは柳に風と受け流して
いるのかと思ったら、
「中世だったら決闘もの」
とか憤慨した口調で言っていた。気にしていたのか、と意外。

『オーフラ』原稿、クライマックス部分(シーンごとにバラバラに
書いている)。ここは何としても今日じゅうに書き上げてしまおう、
と力入れる。新しい人物が登場するところのツナギの自然さのみ
力を入れ、ギャグも細かいのをうんと入れ、400字詰めで20枚
分ほど、一気に書き上げる。時計をみたら、2時を回っていた。

それからカツオの手捏ね寿司、アサリユデムキのオクラおろしで
寝酒。黒ホッピー二杯。台本書き上げたところ、読み直しながら。
3時半、就寝。

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