裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

木曜日

♪人形の吸血〜

『幽霊屋敷の恐怖・血を吸う人形』
http://dvdshop.toho-a-park.com/asp/ItemFile/10000386.html

※L社打ち合わせ O社オーディション審査

朝、やはり眠くて、朝食延ばしてもらい11時までベッドの中。
朝食、納豆、レタスのおひたし、野沢菜、茄子の味噌汁。
昨日は夜さり大雨が降ったというが(うまい具合に公演中で
当たらなかった)、今日はまったくの好天。
外出の日にこの天気はありがたし。

少し長めに湯につかり、文春新書『日本のいちばん長い夏』読む。
昭和38年に文芸春秋が企画した大座談会で、実際に終戦の手続きに
動いた外務省や陸海軍の人々、当時さまざまな場所、さまざまな立場で
終戦を迎えた30人の文化人たちが一同に介し(吉田茂と松村金五は
誌上参加)て8月15日を語るという企画。会田雄二、江上波夫から
今村均、迫水久常、池部良、岡部冬彦などまで、よくぞ集めたるかな
という感じのその人選が壮観。司会進行は半藤一利だが、徳川夢声が
ごく自然に仕切り役に回って他の人の発言をうながしたりして
いるのが面白い。

1時半、新宿に出る。
『らんぶる』にてO社Kくんの引き合わせでL社S氏。
最初話をいただいたときには雲をつかむような話であったが、
今日はまた、最初からいきなり具体的な話になる。
当初は今日は何はともあれ顔合わせで、
「ともかくお話をうかがいたい」
ということだったが、茫漠たる状態で雑談してもと思い、
とにかく数字や細かい部分のやり方など、イメージが先様に
わくように話す。それは成功した模様。と、いうより、話しながら
自分自身の頭の中が整理できて、できてみると、
「コレハオモシロイカモシレナイ」
という気持ちが自分の中で頭をもたげてきた。

話が順調にすすむときというのはそうしたもので、付随して、
本来のR社のなわばりうちのお仕事、雑談の中でアイデア出したら
「それは出来るだけ早く企画を出してください」
というところまで固まってしまった。
話はずんで1時間の予定が1時間半に延び、成果多大という
手応え得て別れる。もっとも、K氏とは夕刻また会うことに
なっている。

そこからJRで中野の病院。診察・検査受付は4時までなので
間に合うかとハラハラしたが、15分前に飛び込めた。
採血してもらうつもりで、予約チェック機で診察券を出したら
“予約外診察”と出たので、アレ、と思い返してみたら、
検査予定日は今日でなく明日だった。
ウッカリに呆れる。朝、目が覚めたときから今日だ今日だと
思い込んでいた。

あまりのポカにボーゼンとしながら中野駅まで戻り、新宿経由、
山手線で原宿。歩いてO社、まだ時間が早かったので
近くのファミレスに入ってまずい(ルーはともかくライスが)
ハヤシライス食べながら、さっきの打ち合わせの一件を某所に報告。

古いマンションの中のワンフロアをほぼ借り切る形でO社あり。
いかにも昭和という設計のビルが大いに気に入る。
途中でハッシーに遭遇、一緒に入る。K氏とマネージャーさん。
12月の舞台『南極(人)』の女優さんオーディション。
劇団に女優さんはいっぱいいるが、原作つきのものなので
そのイメージにぴたり、という体型、顔つきの人はオーディション
しようという話になったのだった。

5人ほどの女性(役者経験ある人もあり、モデル中心であまり
ない人もあり)に、いきなりセリフを読んでもらう。
大胆に読む人あり、おとなしめの人あり、面白い。
私とハッシーの評価、ほぼ同じで、意中の合格者は同じ人。
まだ一晩、最終決定はハッシーに預けることにする。
Kさんマネージャーさん、それぞれの候補の評価を聞きたいと
言う。自分のところの所属タレントの外部評価はやはり
気になるのだろう。

Kさんと別れ、出たときはまだ7時あたりだったが、
ちょっと話していきますか、で原宿裏通りを歩き、
よさげな焼鳥屋の小あがりで生ビール。
今日の件、いろいろ語り合う。
私の昼間の打ち合わせはオマケがついてきたが、ハッシーのさっき
のも、ひょっとしたらオマケが化けるかもしれず。
ああだこうだ、と。

木原さんが来年の9月、楽園で“文士劇やろうよ”と言っている
とのこと。さて、誰を巻き込むつもりか……。

代々木まで歩き、つい、悪い惰性でラーメン食いに入るが幸い(?)
あまり好みの味でなかったので大部分残す。
ギョーザ食ってしまったんでチャラではあるが、酒は昨日ほど
飲まず。

帰宅、メール一件。講演依頼あり。実は朝もあって、仕事かと
思って開いたらただの試写会の案内だったので、それだと思って
消去するところだった。あぶないあぶない。
依頼日、芝居の稽古にまるかぶり。こりゃダメだと断わろうと
して、もういちど予定を確かめてみたら、なんとその日は稽古休み
であった(出演者のテレビ収録のため)。講演場所が微妙な遠隔地
なのが気になるところだが……。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa