裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

16日

金曜日

ホルモン教

一夫多肉主義。

※打ち合わせ二件、カルト寄席

朝10時起床。メール、日記、原稿。
K社への企画書を書いて、つないでくれるT氏に。
11時、病院に行き採血。
今月から検査が採血のみになったので、あっという間に済む。

帰宅して12時、昼食。ブロッコリフライ、母の自家製クサヤ。
自家製クサヤは安いアジの干物をナンプラーに漬けて、陰干ししたもの。
塩気と、本場のクサヤよりはずっと軽い臭みが昼飯にも合って結構。

今日のカルト寄席用のネタを準備。
何とか完成、家を出て、六本木まで。
I氏の紹介で、講演仕事(昨日のとは別)の打ち合わせ。
アークヒルズのロビーで待ち合わせだが、六本木駅を降りてから
アークヒルズまでこんなに距離があるとは思わなかった。

でもまあ遅れもせず、無事ロビーでI氏と落ち合い、紹介してくれる
B社へ。担当のT氏に挨拶。で、T氏はB社の人間なのだが、お仕事は
そこの関連会社のC社からいただくことになるという、何かややこしい
関係。

T氏、何と元はコミック関係出版社(よく知っているところ)に
いたそうで、今のC社のちょっとお堅い業務内容とはイメージが
まるで違って驚く。まあ、それを言えばI氏は私の認識では
ピンク映画関連のお仕事の人、であって(失礼)、これまた
イメージが合わない。

話を聞いたら、C社が今度出版事業を始めるそうで、その関連で
本を一冊書いてもらいたい、で、その内容で講演会をやってもらいたい
ということだった。まあ、こちらとしては一粒で二度おいしいと
いった内容の話なので問題はなし。内容も打ち合わせる。

まあ、とにかくスケジュール立てをして、編集スタッフをこちらで
押さえて、その予算組んでもらって、というような話をする。
一応話をまとめて、打ち合わせとしては成功、の部類か。

アークヒルズを出て、赤坂見附まで出て銀座線、そのまま上野まで。
予定通り次の打ち合わせより20分ほど早めについたので、
ダイソーで買い物。しかるのちルノアール、フリー編集のNさん。
久しぶり。

Nさんにはこちらからお願いしての打ち合わせで、以前立てた企画の
実現可能性をちょっと打診してみたかった。
幸い好評のようで、ただしあといくつか案が欲しいということで、
来週中に送りますと安請け合いで返事する。

別れて、その足で上野広小路亭。
玄関口に快楽亭が座っていて、
「センセイは中トリ」
という。今日は来た順番に高座に上がるそうだ。

楽屋でネタをスケッチブックに書き写し。
紙芝居風ネタである。
出演者の頼光くん、佳声先生、さだやん師匠に挨拶。
珍しくらくB(もとブラ汁)くんが来ていた。
あと、出演者でないのに談之助さんも来る。
同人誌を売りに来たらしい。

さだやん師匠と楽屋で雑談。
今回のカルト寄席は前後二日間で、明日が鳥肌実や大本営八俵、
それに元気いいぞうという“狂気派”連中で、今日のは常識派出演者。
それだけいくらか分が悪い
とはいえ、椅子席ほぼ満席で、反応もよいお客。
快楽亭もゴキゲンであった。

前回大阪でやったときは快楽亭、どういう風の吹き回しか
夜にいたって不機嫌になり、翌日の日記に”全然盛り上がらなかった“
とか(ほぼ嫌がらせで)書いていたみたいで、気にしていた出演者がいた。
実際は大盛り上がりだったこと、来てくださった方のブログなどからも
あきらか。彼のために書きつけておく。
http://yaplog.jp/momoha611/monthly/200908/2
芸人なかせである、ブラックの日記は。

カルト寄席と銘打っているのに快楽亭は変態も鬼畜もほとんどない
『国訛り』。頼光くん、今日は選びに選んだネタで度肝を抜いた。
それから私、オトナネタ。まずまずの受け方。最初つまらなさそうに
していたお客さんが後半噴き出していたのを上から見て秘かに心の中で
ガッツポーズ。

中入りを経て、佳声先生の紙芝居、『天狗剣士』。加太こうじ作で、
黄金バットそっくりのどくろ剣士が登場するという作品。
これは佳声先生のオリジナル演出だろうが、敵を追い払ったどくろ剣士が
悠々と謡を詠じながら去っていく、その謡が見事。

トリは左談次師匠の読書日記。思えばと学会の元祖みたいな芸。
終って、佳声先生を迎えにきたかずおさん(今日誕生日)含め、打ち上げが
吾妻橋のちゃんと亭。みんな”遠い、遠い“と文句言いながら移動。
QPさん、傍見さんなども快楽亭のファンに混じり参加。
ちゃんこと唐揚げ、それにまかない特製カレーなどで、
話題はSM、シャブ、芸能界ゲイ列伝など、こっちの方がずっとカルト寄席
ぽかった。

気がついたら12時近く。QPさん、談之助、それに前座のブラ之助くん
とタクシー乗り合い。さすがにこれだけ予定が詰まっているとくたびれて
いるはずが案外意気軒高なのは、打ち合わせ二件とも手応えあったせいか。

*ちゃんと亭特別メニューのカレー。絶品、これだけのカレーは
専門店でもなかなか食えない。

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