「優勝だなんて、何て夢みてんだい、お前さん、今年最下位なんだよ」

※冬コミ参加　『熱中夜話』打ち合わせ　打ち上げ＆二軒目

朝５時に目覚め、起き出したのは６時半ころ。
今日の夢。
やたら大家族なわが家に、元・映画俳優のＮが訪ねてくる。
Ｎは昭和４０年代までかなり映画に出ていたが、斜陽になって
テレビに進出しそこね、素人相手の演技塾などをやって
ほそぼそと生計を立てている。
私が洗面所で顔を洗っているところにＮがやってくる。
私はいろいろ気をつかうが、家族が無神経にＮに
「あんたが映画をやめたのはいつごろだったかね？」
などと訊くのでハラハラする。

ゆうべコンビニで買っておいたソーセージパンとカフェオレで
朝食、服を着替えコピーチラシを持って７時２０分に出陣。
タクシーでお台場ビッグサイトまで。
運転手さん、長距離を朝から捕まえて興奮状態でしゃべるしゃべる。

３０日であるせいか、あるいは不景気のせいか、交通量少なく
いつもより１０分くらい早めにビッグサイト着。
しら〜さん、声ちゃんが来ていた。
吉田尚記さんの『オタク落語』、桃井はるこさんのブースと同じ
並び。お二人に挨拶、あといろいろと。
吉田さんのアシスタントはおぐりゆかだった。
そこらへん、自然にスルーで対応できる子じゃないので、
私が近くで、やりにくかったことだろうなあ。

やがてマド＆オノ、手伝いのミヤッキー＆助くん来て、
さてブース設営。と学会、バーバラの出版評論、それとアンドナウ
の会と合同にて。バーバラの作ってきた壁張り用ポスター、
いや巨大なこと。畸人研究、ロトさん、日曜研究家、美好沖野さん、
金成由美さん、新田五郎さん、石黒直樹さん、開田さんのところなどに
挨拶したり、されたり。ササキバラゴウさんが“いやー、いつも
お元気そうでー”と同人誌持って挨拶に来てくれた。

元・ロフトのさいとうさんも挨拶に来る。
「今は、代理店に就職して、ごく普通のサラリーマン生活です」
というが、何か酒くさい。聞いたら、“ついさっきまで飲んで
ました。このコミケが終ったら出社です”とのこと。思わず
「それ、“ごく普通の”サラリーマンじゃねえぞ」
と突っ込みを入れる。
今日はやたら温かく、準備してきたスカーフやマフラーも
まったく必要なし。

で、新刊並べ、ごくごく何ごともなく０９年冬コミ開始。
開場と同時に、桃井さんのところに長蛇の列。
これに阻まれたか、最初はお客が本当にマバラで、
初の赤字を出すか、と心配になったくらい。
１１時くらいにそこの列がとぎれた瞬間から、わっと言う感じで
人が押し寄せてきた。やはり、あまりに大騒ぎになっている
ブース周辺は最初は常連客などは敬遠するのだろう。

『少年マガジンは僕らに夢と希望（とかなりのトラウマ）を与えて
くれた』（マガジン本２）、１は夏コミでもかなり売れた筈なのだが、
今回、１と２をまとめて買っていってくれるお客さんが多かったのは
客筋が異ったということか。手拭をつけたセット販売も、途中から
かなり順調に行った。５００円本の『酒とつまみの人類学』と
『文サバ５』はストレートにまず、売れている。

お約束で、当日は昼食なども一切取らず。
小学館のＲさん、早川書房のＩくん、白夜書房の人（Ｓがいつもお世話
になっています、と挨拶）、楽工社Ｍくん、それに差し入れ持ってＴ田くん
など、出版関係の人も多々。もやしが妹さんを連れて訪ねてくれた。

ぎじんさんが新刊を二冊ずつ買っていくので、どうしてと訊いたら
“会長（なみき）の命令で”と、相変わらずのアニドレイぶり。
そのすぐ後にＧ君さん夫妻来たので、その話をして大笑い。
畑中純先生が見えて、新刊を買っていってくださった。

お約束の、じっくり読んで大笑いして話しかけてきて、しまいに
買っていかない人とか、二度も来て丁寧に読んで買っていかない
人とかもいるが、最近はそういう変な客も含み無駄として考えて
いるので、別に腹も立たず。買っていってくれればまた、変な客でも
何でも結構。ちょいと会話したり、握手したり、サインしたり、
忙しい々々。ケロロさん、寅さん、江戸栖方さんなどマイミクさんたちの
顔も多々、でした。感謝。

最後まで売れ行きが読めなかったが、ラストスパートでの追い込みは
助ちゃんが驚いていたほどだった。おかげで３時くらいまで立ち詰め
で、足の関節が固まってしまって、ロボットみたいな歩き方になる。
ラストあたりで、いろいろと質問してきた外人さんあり、
聞いてみたら早稲田大学の大学院留学生で、コミケを含めた
日本のサブカル文化を研究しているのだそう。
「チョット、いんたびゅーイイデスカ」
と言われたので、カメラ向けられて二十分くらい、コミケ文化に
対しいろいろ解説する。
「大変ニ興味深イ話デシタ」
と言って去っていったが、さて、どんなレポートになるのだろうか。

何はともあれ、さしたる大事もなく、頼まれたこととかも無事果たし、
ホッと一息。撤収も、若いスタッフが参加してくれたので楽。
売り上げ計算などはオノとマドにまかせて、私は声ちゃん、しら〜などと、
タクシーで新宿に向かう。
打ち上げ会場が新宿二丁目のへぎそば・昆だったので
店が開くまで、向かいのカフェでビールで前乾杯。
「二丁目にこんなおしゃれな喫茶があったんだね」
と話して、ふとテーブルに敷いてある紙製のクロスに印刷してある
写真（サーファー）と文章を読んだら、
「雑誌『Ｇ-メン』に掲載された云々」
と書いてあるので納得したことであった。

雑談中、アマゾンから電話。『熱中夜話』の、私が話すコーナーでの
内容と映像選定について。ロジャー・コーマンだの何だのに
ついて３０分ばかり解説。しら〜さんから、
「何も原稿がないのに、よくそんな立板に水でしゃべれますね」
と驚嘆される。香具師の資質があるかもしれない。

やがてバーバラの一行も到着、へぎそばにいささかギュウ詰めで
席を取り（当初の予定から人数が倍になった）、オノたち到着を
待って乾杯。昆のオカアサンから、何と八海山一升瓶一本、
差し入れしてくれた。

やがてＮＨＫのＹくんも参加、あれだこれだで話が盛り上がる盛り上がる。
Ｔ社のＡくんとミヤッキー、助ちゃんの若い三人も馬鹿エロで
盛り上がっていて、近来の打ち上げで一番、みんなのノリが狂騒的で
ワイワイ状態となる。一升瓶、それから菊水だのなんだのと三本。
〆のつもりのへぎそばだったが２０人前が一瞬にして無くなり、
追加でまた２０人前！　これまた即座に胃の腑におさまる。

二軒目行こう、というマドの叫びに、私、オノ、Ｙくん、Ｋ田くん、
Ａくん、Ｉ矢くん、のび太くん、助ちゃん、声ちゃん、しら〜さんなど。
しら〜さんはもう、沈没状態。声ちゃんがしばらく会わないうちに
ずいぶんとお姉さん的色っぽさに変貌していたのにびっくり。
彼女は３１日はキャットファイトで、１日に帰省だとか。
さいとうさんとおなじく、これも普通人の生活ではない。

笑って笑い疲れて、コミケで張り上げたときには何でもなかった
声がかなり枯れる。しら〜さんと乗り合わせてタクシー。
帰宅して、Ｋ子がすっかり掃除してくれたピカピカの部屋を満足気に
眺めて、すぐ就寝。いや、毎度のこととはいえ、狂乱の一日で
ありました。こういう生活に慣れると“普通の”サラリーマンには絶対に
なれない。

＊桃井さんとのショット、スタッフ勢ぞろいショット、そして打ち上げの
蕎麦。