6日
土曜日
暴風雨、三匹のこぶた〜
メキシコ湾台風か(ブーフーウーってメキシコが舞台なんだよね)。
※『世界一受けたい授業』収録 ルナ打ち合わせ
明け方の夢。久しぶりに夢の中でも私は私自身である。
ただし、職業は現在のモノカキより、いくぶんタレント寄りらしい。
数年ぶりに実家に帰ると、祖母がまだ生きている。
で、“お前の仕事も苦労が多いだろうねえ”と言ってくれる。
何か子細がありそうなので聞いてみると、実家のいきつけの
天ぷら屋の兄ちゃんが、偶然、居酒屋で私がヤクザの親分
(私のお旦の一人)と話しているのを聞いて、祖母の注文電話に
「ヤクザとつきあいのあるような奴の家に出前はできねえ」
と断ったのだそうだ。
私は非常に祖母に申し訳なく思うと共に
「しかしこの商売はつきあう人を選べないからねえ」
と言い、祖母もわかってるよ、世間が物知らずなんだよと言う。
しみじみした夢だったが、そこが夢の奇怪なところで、
私は祖母の話を聞きながら、ニス塗りの椅子(これも実家に昔
からあった懐かしい椅子)の背をがりがり噛っており、
しかもそのニス塗料の部分が柿のような甘味があっておいしい
ことに気がつく。
9時半起床、朝食如例。
午前中は〆切原稿、がりがりと。
あと、今日の収録で使う予定の雑学チェック。
昼はサバ塩焼き弁当。
1時半、迎えに来たオノと迎えのハイヤーに乗って汐留の
日テレタワー。控室で本日使用のビデオを見る。
特番のため、ネタ数が普段の倍。
解説のタイミングがなかなか難しく、待ち時間を使い何度か
稽古する。とはいえ、ナレーションではなく雑学の解説。
あまり“ぽく”しゃべってはいけないところが難点。
メイク室で、生徒役のはるな愛に会う。
あと、こないだの打ち合わせで笑った、生徒役人選のまだ
決定しないところに“イケメン”とだけあって、ああ、イケメン枠
があるんだ、と思った席には新人ジュノンボーイの市原知弘が。
他の講師役にはオノ・ヨーコさんなどがいるようで、
ちょっとオシ気味。すでに廊下に出ると窓外、汐留の近未来的な
町並みが夕陽で黄色く染まっている。
佳江さんからメール、“声なき紙芝居師”として有名だった、
森下正雄氏死去とのこと。
親子二代の紙芝居師ながら喉頭ガンで声を失い、かつて録音した
代表作『黄金バット』などをテープを使って口演し続けた(この
テープは四国から、送り主不明で寄贈されたものだそうである)。
秋山呆榮氏に続き、また紙芝居界の巨星落つ。後継者の育成が
本当に急務ではある。
やがて収録開始、始まるとサクサク進んで、つつがなく終了。
フリートークタイムのとき、私が最初に韓国のトイレットペーパーの
話をふったので、みんなトイレばなしになってしまった。
正月番組にどうか、これ。
終って、声のみ撮りたし(時間をさらに延ばすときのために)。
45分の授業時間で、拘束4時間。
しかし生徒役のタレントさんたち、また堺校長ら、
拘束時間が7時間以上に及ぶとやら。
まあ、この程度で大変というのも当たらないだろうが、
ご苦労さま。
ハイヤー出してもらい中野へ。
今日はハッシーと親川の、来年の舞台の打ち合わせがあり、
そこにマドとT田くんが呼ばれているので、私たちも合流する
ことにする。
マドのチョイスで中野の香港亭。T田くんも来る。
つまみを何品か頼んでみるに、本場の味でなかなか旨い。
ちょうど青木正児の『華国風味』を読み返しているところだったので
紹興酒が飲みたくなり、白魚の唐揚げでこれをぐびぐびやる。
そこにハッシー、親ちゃんと、何と麻衣夢とシヴヲさんまで。
麻衣夢とは上野の動物園で、シヴヲさんとはブロードウェイで、
ばったり会ったのだそうな。
来年の予定や芝居の配役など、話と笑いははずむはずむ。
しかし紹興酒ぐびぐびと、次に移ったブリックでのトリハイ
ぐびぐびで、やはり緊張し疲れていたのだろう、酒が回りすぎ、
かなり早い時期に何が何だかわからなくなり、みんなに
タクシーに押し込まれて帰る。