裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

火曜日

時給が休止する日

不景気につきアルバイト代支払いを無期限で休止します。

※『ゆれるおもひで』観劇 NHK打ち合わせ D社原作原稿

朝9時、起床。
昨日もかなり飲んだはずだが、二日酔いなどなし、
結構なこと。寝床で開田さんにいただいた同人誌『特撮が来た!』
を読む。『ギララの逆襲』、私は大いにヨロコんで感想文を
書いているのだが、怒っている人もあり、いろいろ。
9時半、朝食、バナナリンゴジュースとコーンスープ。
野菜タブレット、サクロンなどサプリ類。

自室にもどり、日記つけ、入浴。
それからメールいろいろ。
イベント関連の説明文など書く。

『アラバマ物語』(昔、西部劇だと思って見て驚いた記憶がある)
や『悪を呼ぶ少年』の監督、ロバート・マリガンが亡くなったり、
『宇宙大作戦』のクリスチン・チャペル看護婦を演じた
メイジェル・バレット(制作者ジーン・ロッデンベリー夫人)が
亡くなったりするが、くわしく書いている余裕なし。
メイジェル・バレットについては、ウィキペディアの彼女の
項目がトリビアいっぱいで面白いので参照のこと。
http://tinyurl.com/7hfjfn

昼は昨晩のハマグリのダシを温めてご飯を入れ、雑炊。
ダシのうまみに鼻を鳴らす。それをかきこんで、1時過ぎに
家を出て、地下鉄で銀座まで。
銀座駅、ホコテンの雑踏。例の“死後さばきにあう”の
タテカン持った人、クリスマス時期の風物詩。

銀座小劇場で今年最後の観劇、トツゲキ倶楽部の
『ゆれるおもひで』。
トツゲキ倶楽部はしょっちゅう観ているが、これはサイドBと
いうことで、笑いの要素のあまりない、普段とは違った
芝居をやりたいということで横森さんが始めたものらしい。
そして、出演者の一人に、『妖怪くノ一大戦争』で共演した
大野由加里ちゃんがいる。世の中は狭いね。
入ってみると、おかおゆかさんとスケちゃんが場内案内を
していた。補助席も出る満員の盛況、さすが。

『ゆれるおもひで』、中学校の同窓会から話が始まる。
卒業時15歳だったみんなも、今は30歳。
夢をかなえた子、かなえられなかった子、状況に流されたけど
まあ不満にも思っていない子などさまざま。
主人公のカオルは一途な性格だが、それ故に周囲とうまく
ゆかず、教師になる希望もあきらめ、ミュージシャンの
彼氏とも、うまくいってないわけではないが、イマイチもう一歩
先に進むことも出来ず、しっかり者の妹にいつもハッパを
かけられている。

同窓会で、みんなそれぞれの思い出を共有している中に
ただ一人、彼女の記憶にない子が現れる。
しかも、彼女の方ではカオルのことをよく覚えていると言って、
携帯のメールアドレスを教えて欲しいという。
カオルは何の気なしに教えるが、それから毎日、彼女から
会いたいというメールが届くようになる。
どうも、彼女はカオルの彼のファンであるらしい……。

小林シュリちゃん扮する謎のクラスメートの正体がわからず、
恐怖がつのっていく前半〜中盤は非常に緊迫度が高く、
またそれぞれのキャラクターが立っていて面白い。
由加里ちゃんは『くノ一〜』の頃に比べると印象が違って、
舞台女優ぽくなったなあ、という感じ。
トツゲキでいつもおなじみの市森正洋くんが、意外かつ不気味な
役で好演していたりするのも見どころ。
それだけに、彼女の正体がわかり、それぞれの抱える問題に
どうおさまりがつくか、という後半以降、ややその緊迫を
解消するカタストロフが足りなかった気がしてしまった。
聞いたら、いろいろ事情もあったようであるが。

……それにしても、15年で記憶が薄れるほどの昔、と
言われると、私のような、心はいつも60歳、みたいな人間は
アゼンボウゼンとせざるを得ず。この舞台で
「そんな前のこと」
と言っている事象が、つい昨日のような感じなのである。

由加里ちゃんや横森さんに挨拶して、そこから銀座線で
渋谷に向かう。NHKのYくんから打ち合わせ依頼あったので。
4時半、ベラミで、これから収録までの打ち合わせ。
番組自体には問題なし。今後のこととか、いくつか話す。
彼が新しく加わることになった番組、偶然だが、こちらが
書籍でやろうとしている企画とかなり内容がかぶる。

別れて、事務所に。届いていた郵便物などしばし整理。
さすがに疲れて、タクシー使って帰宅。
運転手さん、道が混み合っているのを、
「ガソリンが安くなってみんな車に乗るようになったからですね。
この安価がしばらく持続すりゃまたみんな、車買うようになりますよ。
そうすりゃ不景気なんか、あっという間に解消します」
と分析。
「マスコミはね、不景気を煽って、国民を不安に陥れて、
結局、広告料激減となって自分で自分の首絞めてるんだ。
どうしてこういうときこそ、国民を元気づけるような、楽観的な
記事を書かないかねえ。毎日を楽しく過ごさせるって情報操作なら
いくらでも歓迎なんだがねえ。インテリってのは不安情報を
まき散らすのが自分たちの仕事だと思っているところがあるねえ」
と。

自宅でD社原作、今日中に2本、残りを片づけねばならないのだが
なかなかてこずる。一本に今上陛下のことが出てくるが、
天皇誕生日の今日にこういう原稿書くのもちょっと西手新九郎。
10時半にやっと完成、K子と編集のMさんにメール。

それから夜食。
夕べのハマグリのうまさ忘れられず、今日は白菜と豚肉とハマグリの
小鍋風にしてみたが……うーん、やはり豚肉はなくもがな、か。
サントクにカーズクラッカー(英国王室御用達)が久しぶりに
入荷されていたので数箱買い込む。バリエーションがいくつも
あって嬉しいのである。明太子、ベーコン、味付け卵、酒盗など
乗せて楽しむ。1時ころ、就寝。

*風物詩と、カーズチーズ用クラッカー

Copyright 2006 Shunichi Karasawa