裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

日曜日

まるぼしの影を慕いて

あのイワシの丸干しの味が忘れられず……。

※能登地震 帰京

朝7時起き。大浴場にて入浴。8時、ホールにて朝食。湯豆腐、納豆などで。ここも朝飯がもう少し充実していれば最高の宿なのだが。納豆のタレが紫蘇味なので、それはかけず、湯豆腐のタレにて食べる。まだまし。

11時53分の飛行機なので余裕あり、ネットなどつなげていたら、9時半ころ、いきなり“どん”という感じで部屋が揺れる。かなり大きい地震。しかも、揺れがかなり長く続く。急いでテレビをつけ、地震情報を確認、ミクシィに無事という報告を書く。後から聞いたら、電話は携帯も普通電話も直後からまったく使えなくなり、ミクシィで私の無事を母もオノも確認したそうだ。こういうときネットは便利だな。

能登に今朝帰ることになっていたこうでんさんのことをまず心配し、さんなみ、フラットのことを心配し、さらに、メトロン星人さんの店(なにしろ食器屋さんである)がどういう事態になっているか、非常に気にかかる。

いろいろと情報のみ仕込んで、階下に下りる。エレベーターは使えなくなっているので非常階段にて。支配人さんなどと地震のことを。大きな被害は金沢市内にはないらしい。しかし、従業員の人達は貼り紙をしたり、対応にいろいろ追われていた。

タクシー呼んでもらい、食器の丸一へ。床じゅうに食器が散乱している状態を実は予想していたのだが、そういうこともほとんどナシ。ちょっと拍子抜けしたような無事平穏。ただし、おばあちゃんは地震が初めての経験だったらしくかなりおびえていた。それでも、私の顔を見たとたんに、おみやげのノリのツクダニを渡してくれたり、
「新製品の箸があるから……」
と渡してくれたり。店の品、あとで確認したら、やはり数点、割れていたものがあったそうだ。まあ、よくそれくらいですんだものだが。

やがて開田夫妻も来る。こうでんさんはこれもミクシィの書き込みによると、サンダーバードで帰能登中に地震に遭い、現在立ち往生中とのこと。乗客の中年の婦人がパニックを起していて大変らしい。

まだ時間はあったが、あやさんの
「交通規制がしかれているかもよ」
というサジェスチョンに従い、そのまま小松空港へ。別段そういうこともなく、30分ほど早くついた。おまけに見ると東京・羽田行きの便は小松空港への到着遅れ(滑走路の点検のためだろう)喫茶店でラーメンなど食べて(天ぷらラーメンというものが小松空港にはあるそうだがうっかり普通のを食べてしまった)ミクシィで心配してくれたマイミクさんたちに挨拶。70人を超える人がコメントを寄せてくれた。

飛行機はつつがなく羽田着。渋谷の事務所に出て、ちょっと仕事。それからマッサージに寄る。例の若乃花先生、まるで地震のこと知らず驚いていた。

また事務所で仕事。某社から原稿催促。地震で……と言い訳もしてみるがまるで通じず。被害も少なかったようだし、インパクトがないか(地震そのものの規模は阪神大震災と並ぶらしい)。知り合いにさしたる被害がなかったのは本当に喜ばしい。輪島などの被害はかなりなものらしいが。知り合いの大阪の新聞社のKさん、すぐハイヤーで金沢入りを命じられたそうな。しかし、金沢に大した被害がなかったので、奥へ奥へと入っていって、結局モーゼの墓とかハニベ岩窟院まで見てきたらしい。

8時帰宅。母の部屋で夕食。地震の報告などしつつ。天ぷらを揚げてもらう。食べて自室に戻り、いろいろネットなどで情報収集しながらホッピー。結局1時過ぎまで起きていて、かなり飲んでしまう。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa