22日
木曜日
ファウスト・キッチン
エロイムエッサイム、われはベーコンエッグバーガーを求め訴えたり。
※帰京 『ポケット!』打ち合せ 文サバ
朝、7時に起床。昔はホテルのベッドではなかなか熟睡できずやたら早く目が覚めてしまったものだが。シャワー浴び、8時過ぎ、一階のカフェで朝食。バイキングかと思ったらそうでなく、注文式。クロワッサン、サニーサイドアップ、ベーコン。まず美味な方。
帰りののぞみが10時53分なので、しばらくダラダラを楽しむ。帰ると東京で二つも用事がある。10時チェックアウト。支払い、いくらくらいになるかと実は(高級ぽいホテルなので)思っていたのだが、こないだの来阪のときの梅田のホテルに比べれば高いが、利便性から言えば極めてリーズナブル。
駅までタクシー。柿の葉寿司と、母へのみやげの塩昆布を求め、新幹線に乗り込む。車中、モバイルうまくつながらず、半分以上寝て過ごす。乗り物の中でこうまで眠いのは体力落ちている証拠だ。
品川で下車、事務所へ。途中、母から電話。マンションの部屋の予備キーが、どうも盗まれたようだ、という。私が使ってそのままにしておいたというようなことはないか、というので、ないと答えたら、じゃあ、やはり盗まれたんだわ、と怖がっていた。しかし、それが昨日のことだそうで、本当に盗まれたのなら昨日のうちに泥棒なら入っているはずだが。
事務所到着2時。メールなど雑用片づけ、時間割3時。『ポケット!』打ち合せ。いつも打ち合せする席に、某・かつての人女性気歌手がいて、彼女を中心に何やら仕事の打ち合せをしているらしいのだが、
「そんな金額じゃとてもやれない」
などと、シビアなやりとりがモロ聞こえである。こっちの方は、いちおう最後の打ち合せであるが、いつも通り、というかいつもよりテキパキと。
終って、仕事場でちょっと原稿書き、のつもりがさっぱり進まず、雑用みたいなことばかりやってしまう。城山三郎死去。79歳。大河ドラマになった『黄金の日々』で、初めてこの人の作品に触れたのだったが、主人公の呂宋助左衛門が理想に燃える正義の人物、みたいに描かれていてちょっと不満だった。この人の描く主人公たちの多くは人生に理想を抱いて困難な中を戦う姿を描くのだが、例えば司馬遼太郎の描く作品の中の主人公たちは、理想や能力を大きく胸に秘めている他に、どこか、常人には理解できぬデモーニッシュな部分を持っており、なるほど、歴史を変えるほどの人物は普通一般の常識人なだけではないのだな、とこちらに納得させるだけのものがあるのだが、どうも、城山三郎の描く人物には、その、主人公を突き動かす衝動の、よってきたるところがよく描かれていないように思っているのである。『落日燃ゆ』なども、広田弘毅を信念の人、正義の人に描きすぎて、返って人物像が薄っぺらになってしまっていたように思ったのだが……。
ところで、最近の読者には城山三郎と言えば“かじめ焼き”で有名なの『コミックバンチ』の、『男達の好日』の原作者かも知れない。城山先生はこのマンガ、読んでいたのか?
http://tiyu.to/n0201_sp.html
6時半、渋谷クエストにて『文筆業サバイバル講座』、久しぶり。自己アピールと作品を“売り物”にしていく過程について。材料をドタバタでそう仕込んでいけなかったので大丈夫かとちょっと不安だったが、まず充実した話には出来た。
オノ、バーバラを伴い、いつもの『英寿司』で今後のことなど打ち合せ。アスペクトK田くんも来てくれて、ダーリン先生の本の話などする。明日のラジオで使うCDを事務所から持ってくるのを忘れて、ここを出て一旦事務所に戻ってとって来ようと思っていたのだが、焼酎“海童”をガブガブやって、それもメンドくさくなり、全ては明日々々、とか思って帰宅(またアスペクトおごってくれる。有難し)。10時半、ばたりと倒れるように寝る。移動は体力使うなあ。