裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

17日

土曜日

ピーヒャラピーヒャラ、おどる張作霖

♪いつだって忘れない 謀殺は悪いこと そんなの常識〜

※『ミランカ』打ち合せ 上野広小路『前田隣ライブ』

朝8時起床。少し二日酔い気味なれど楽しい酒だったので苦痛ではない。入浴して水道橋博士から貰ったシャンプーで洗髪。ブラックマヨネーズの小杉が使ったといういわくつきのもの。

Niftyの調子がこの間から変である。いくら“暗証番号を次回から記憶させる”に設定しても、また次につなぐと一から入力しなくては入れないようになっている。朝は普通につながっても、昼に再度つなぐと、また暗証番号を……となる。

9時朝食。リンゴ、イチゴ。青豆のスープ。ホリエモンの実刑判決は彼が自分のキャラ(既成の権威に反抗する若い世代代表のチャレンジャー)を裁判の間も忠実に守ろうとした結果だと思う。かたくなに無罪を主張、株主に対しても頭を下げなかった態度が裁判官の心象を悪くした。法律の許での裁判という、システィマティックたるべき場で裁判官の心象というものが大きなファクターになっているのはこころもとない気もするが、しかし、冷たい法規に、大岡越前や遠山の金さん以来の、一片の人情を加味することで法律の“人間味”を守る役割も果たしている。裁判の模様を伝えるニュースで、頭を下げて反省する自分の姿が伝えられるのにホリエモンは堪えられなかったのだろう。その自我肥大が掘った墓穴のように思うのである。

午前中、また日記。昼は牛肉入りチャーハン。ダイエットのためキャベツたっぷりだが、また甘味あって絶妙。昼寝も少し。疲れた体をこの土・日で回復させねばならぬ。来週からはまた大阪行き、金沢行きの強行軍が待っている。

4時、東武ホテルにてブロードバンド配信テレビ『ミランカ』打ち合せ。水道橋博士と宮崎哲弥の『博士も知らないニッポンのウラ』出演打ち合せ。スタッフの皆さん、ちょうど昨日の『ポケット!』での植木氏との疑似科学ばなしを聞いておられたとのことで、“ああいう風にやってもらえればもう問題なしです”とのこと。

打ち合せ終って、そのままタントンマッサージへ。首筋、肩を揉んでもらう。いい具合にウトウト。思えば私は幼稚園のときからマッサージに通っているのであった(足の手術のリハビリのため)。マッサージ好きなのはその刷り込みのためか?

地下鉄銀座線で上野広小路。前田隣ライブ。驚いたことに行列長蛇。説明を受け付けで受けて帰る常連さんも。どうも、ダーリン先生があまりミクシィで体調不良とふったため、心配したファンが詰めかけたらしい。ノリローさんがこっちを見つけてくれて、裏口からどうぞ、と言ってくれる。

ちょうどフラ談次の開口一番のところ。受け付けの近くで、発売されたCDを前に満足げのダーリン先生に挨拶。しかし今日の満員パンク状態には
「どうする、おい?」
ととまどっておられる様子。挨拶代わりの漫談で何度も
「こんなに入るとここのビルが潰れるんじゃないか」
「あまり笑うと床が抜ける」
などと言って笑わせているが、広小路亭事務所のおじさんも、スピーカーから流れるそのギャグを聞いて苦笑していた。珍しくこの広小路亭の舞台で親亀子亀もやる。

楽屋でさだやん師匠や真木淳さんなどとも雑談。例の本の企画について、プッシュのために某さんのコメントとかを頼めますか、と先生に訊ねたら、出来ると思うとの返事、よし、とガッツポーズ。

宮田陽・昇の漫才、相変わらず達者。それから『ロケット団』の漫才。こういう純粋東京漫才の若手、それもテレビ中心ではない舞台、しかも浅草中心に活躍する彼らの話を聞いていると、東京の演芸の明日に希望が持ててくる。服装も、いま流行りのTシャツやブランドものでなく、きっちりと衣装としての派手な背広にネクタイ(浅草漫才の基本)だし。

コントは体力的、時間的(稽古の)で無理、ということで奥さんのノリローさんのピアノ伴奏での、エノケンの歌で〆。さらにその後、旗揚げの披露まで。体力や、薬の副作用との闘いで体がつらいだろうに、お客さんには徹底してサービスする、その芸人根性に脱帽。

打ち上げは例の加賀屋。ここも当然ながら超満員。ぎじんさんは帰ったので、開田夫妻、待乳庵さんなどと同席。ここでもダーリン先生、“途中で帰るから”と言っておられたのに、結局サービス精神でお開きまで。かなりお疲れではないか、と心配になった。これも芸人の性(サガ)か。なんとか本の企画、すぐにGOサイン出させよう。

『ロケット団』の三浦さんに、
「『アストロ劇団』観ました」
と言われて仰天。シヴヲさんや恵理さんと同じ劇団にいたんだそうだ。彼らが劇団出身ということは聞いていたが、まさか友達のところだったとは。世界はまさに、100人くらいしかいないのだと思う、ホントは。地下鉄で帰宅。マッサージの揉まれ酔いが出て、倒れるように寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa