裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

土曜日

喜びも叶姉妹も幾年月

おいら岬の爆乳フェチは

※金沢行き 21世紀美術館講演

朝6時50分起き。ゆうべが遅かったんでツライツライ。結局、2時間寝たか寝ないか。朝食、昨日買っておいたソーセージパン一ヶ、コーヒー牛乳。

8時15分、出発。羽田まで高速乗って。珍しくかなり早めに空港着。乗り場で開田夫妻と合流、10時50分小松行き、11には小松着。曇り、という天気を絵に書いたような曇り。美術館のスタッフが自動車で迎えに来てくれている。実は小松から金沢市内というのはかなりあるのである。30分ほどで21世紀美術館。

シュート(照明合わせ)している会場で、機材のチェック。音響のチェックのために『ネオ・ファンタジア』のボレロをかけたら、係のOさんがじっと見入っていた。

事務室でお弁当をいただく。それから、怪獣画コンテストの審査。開田さんの個展に合わせた企画で、投書100枚くらい集まるかどうか、と思っていたところ、1000枚以上の応募があったそうだ。メトロン星人さん、陣中見舞に。夜の倫敦屋下見の件も約す。

選定作業続けるが、怪獣の名前に“なんとかラ”“なんとかゴン”というのがほとんどないのに驚く。今の子供の怪獣の標準はポケモンで、なるほど、ポケットモンスターの名前にもラやゴンはほとんどない。怪獣の説明にも、可愛く、優しい怪獣、というのが多い。正直言って、絵の方は子供のものでも、ほとんどが、どこかで見たようなデザインが多く、あまり是は、と思えるようなものがない。

そのかわり、特徴や能力の説明文は面白かった。子供の文章ってのはツッコミどころ満載で、でもこんな発想大人からは絶対出ないな、というのがあって凄い。
「何度も攻撃して一撃で倒す(何度も攻撃したら一撃じゃないだろう)」
「口がブラックホールになっており、あらゆるものを吸い込む。たけのこを食べる(ブラックホールでたけのこ……)」
などなど。

選定の途中で雨が降ってきて、気圧乱れ甚だしい。体の疲労もあいまって、立ってられなくなるくらい。最初はアニメをまとめて見せて、それから講演を、という予定だったが、これはもたぬ、と思って、アニメの合間々々に解説のように話をはさむことにする。

怪獣がテーマということで、スーパーマンの『The Arctic Giant』から。あと、『メカニカル・モンスター』、『ベティの白雪姫』、『ベティの笑へ! 笑へ!』、『おもちゃの国』、ウインザー・マッケイの『ペット』などを上映、それから『ネオ・ファンタジア』。いくつか時間の関係で上映できないものもあったが、とりあえずみな、こういうクラシック・アニメを見るのは珍しいことと見え、ウケてくれていた。メトロン星人さん、こうでんさん、番匠くんなど来てくれている。

終わって、また事務室へ戻り、怪獣イラストの中から唐沢賞を選ぶ。大人部門では、昔懐かしい中岡俊哉の『世界の怪獣』テイストあふれるもの、子供部門では“胴体が六つある犬怪獣”。頭がいくつもある怪獣はあるが、胴体がいくつもある怪獣は珍しい。

そこから、美術館スタッフ揃って、近くの隠れ家的な店『はざま』へ。ベルギービールで乾杯、その後創作和風料理が。なかなかな味である。私の隣に座ったのが、開田さんの展示の解説の英訳をしてくれた女性だったが、メガネの、委員長キャラ的な子で、天然でなかなか面白い。女性スタッフが、ベティのアニメを初めてみたとかで面白がってくれていた。
「“ポポッピ・ドゥー”ってのはまあ幼児語であって、あのベティの顔の構造も幼児的特徴を強調している。要するに“にょ”とか言う今の萌えキャラなのですよ」
と説明。

そこらで店を出て、今度はメトロン星人さん、しまあにさん、こうでんさんら一行と合流。4月に南湖さんの会をやる『倫敦屋』にみんなで。御主人に挨拶し、二階の、会場となるべき空間を見る。メトロンさんが苦労して、講釈の釈台などを見つけてきてくれたようなので、これはいい会になりそうである。

ギネスなど飲みつつ、いろいろと話す。委員長キャラの人、やはりここでも人気のようである。しまあにさんに開田夫妻と共にホテルまで送ってもらい、ベッドに倒れ込む。気圧のせいで妙な疲れ方。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa