裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

6日

火曜日

今、会いにミッキーマウス

一年後、ディズニーランドで……。

※『ポケット!』打ち合せ K’sファクトリー取材 『とことんあしたのジョー打ち合せ』 アストロ小屋入り

朝7時半、起床して入浴。9時、朝食は手毬のミニチュアみたいな小ミカンの剥いたの一個と、イチゴ。気圧のせいか、蟀谷(こめかみ)のあたりに片頭痛あり。これまでこういう頭痛など、経験したこともなかったが、年齢と共に体も変化してきているのだろう。老化かとも思うが、一方で若い頃に目立っていた白髪や膝のいたみは全く解消してしまっている。

11時、渋谷東武ホテルにて、『ポケット!』打ち合せ。水道橋博士がゲストゆえ、どんな話題でも合せられるだろうが、それゆえにどんな話題をふるか、I井Dがかなりチャレンジャーになっている。幸い、45分ほどで“これで行こう”と大体のところ、決まる。

急いで事務所に戻り、ざざっとテーブル近辺を片づける。K’Sファクトリー取材。ビジネスマン向けのムック(雑誌?)の取材で、テーマが“情報の整理”。そんなテーマの取材をこんな乱雑な事務所で、とオノはパニックしていたが、なに、私の情報論が
「ユニークな発想は乱雑さの中から生れる」
というものなので、このカオス的状況は理想なのだ。決して後付けでつけた理屈ではない。ないってば。

編集者さん、ライターさん、カメラマンさんの三人体制で。それを前に、目的のために資料を集めるのでなく、何かあることを考えるために、自分の持っている雑多な知識を利用してその問題を切っていくという、レヴィ・ストロース言うところのブリコラージュ思想まで持ち出して説明する。女性ライターさんがやたら感心してくれていた。

快楽亭ブラックから電話。今秋発売の週刊文春でスッパ抜かれるそうだが、彼の渋谷区長立候補の推薦団体がイワクつきのところであったそうである。で、こんなとことは一緒にやってられない、降りよう、と一時は決意したそうであるが……なんと、なんとの構想を聞かされて驚く。くわしくは本人が後で発表するでしょうから。

そのあと、今度は時間割。アマゾンと、16日収録のNHK−BS『とことんあしたのジョー』の打ち合せ。今回ディレクションするRさんとは以前会ったことがあり、それが快楽亭が倒れたあと、見舞にいった先の病院で、という西手新九郎。私の出番は今回の番組ではあまりないが、他のメンバーが、アニメをあまり語れないメンツなので、そこで押さえを依頼される。

打ち合せ終わり、うどん屋でオノとスケジュール打ち合せ。10日(土)は大阪取材から帰って下北沢に直行、マチネとソワレこなした後、池袋に急行して朝まで『トンデモ映画祭』である。凄まじいスケジュールだが、さらに昨夜、北海道から電話あって、HBCラジオから開局55周年記念番組で、北海道出身の人に電話インタビューするので、その夜の10時から12時までの間に10分ほどインタビューに答えていただきたい、と依頼がきた。もう、こうなったらとことんどたばたした方が面白いので受けるから、トークなどに支障のない時間を決めておいて、と言ってある。

事務所にまた一旦帰り、連絡事務などすませて下北沢駅前劇場入り。ちょうどシューティング(照明の設定)の最中だった。衣装をつけてみる。シェイクスピア風のアコーディオン襟を、モーニングの上からつける。珍妙な感じだが妙にシックリ来ているのが笑える。

衣装はチェックのみだったので、金曜の代演をやってくれるケイスケくんにも着せ、あとは普段着に戻って暗転やBGM、効果音などが入ってくるところをチェック。まだまだ、出来上がりは当日まで分からない。いろんなピースがカチッ、カチッと嵌っていくあたりは実に快感ではある。8日は桜塚やっくんの特出で、瞬時にチケット完売だとか。オノから電話。いろいろと指示。

稽古9時半に終わり、ハッシーと、手伝いに来てくれたMさんと『虎の子』で一杯。明日、ゲネと初日の後、映画の取りこぼし部分の撮影に出かける橋沢さんを激励のため。ひょっとして、この役で橋沢さん、ブレイクかもと思えるほどの中心よりの役のようである。ただし、タイトルが長過ぎて誰も覚えられない。
http://www.nizoo.com/dplu/
共演がやっくんの他、橋本じゅん(劇団新☆感線)、佐藤祐基(仮面ライダーカブト)、いしだ壱成など。いしだ壱成は以前新☆感線の舞台をドラッグ問題で降板したことがあったが、橋本さんとはどういう顔で共演するのだろう。

この間の稽古場で体験した、出演者が(芝居が固まってきた故に見えてきた)疑問個所について、忌憚ない意見を出し合い、ぶつかりあい、話し合いながら解決ポイントを見いだそうと試行錯誤し、そして、結果としてベター、そして現段階での最良の形にとやり方を整えていった場のの感動を橋沢さんに伝える。あの討論と解決の場面に居合わせただけで、この芝居には参加する意義があった。予算にも時間にも制限がある中、手近なものを変更し、組み合わせ実用に耐えるものにしていく。これこそブリコラージュではないか。

馬刺、スモークなどでビールと『日高見』。おいしく酒を飲んでいたが、かなり酔っぱらったお姉ちゃんが入ってきて同席して、わけのわかんないからみ方をされる。彼女がサイフに金がなく、コンビニのATMで降ろしてくる、と言って出た(一度、“通帳忘れた”と言って戻ってくる。“ATMに通帳はいらないんだよ”“ウソ、いるよ通帳は絶対”などと、話にならない)合間に、そそくさと帰る。資料とりに一旦事務所へ。下北にあった、いい感じの昭和の香り漂っていたビリヤード場が無くなっていた。嗚呼。それから帰宅。メッセージ等確認して寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa