26日
日曜日
三分タッコング
ザザーンなんか三分で倒します。(怪獣オタク向けダジャレ)
※テレビ東京『鍋奉行が斬る!』収録
朝8時起床。まあ、ゆうべ寝たのが3時過ぎだから仕方ない。入浴して9時、朝食。ポテトのスープにミカン、柿。本日収録のテレ東の年末番組『鍋奉行が斬る!』用の、鍋の雑学をまとめてメモする。実はこないだの打ち合わせのときは別の店(皇室御用達の日本橋『ゆかり』)が取材先となっていて、そこの鍋の素材に関する雑学を仕入れてきてくださいとのことだったが、ゆうべ、いきなり取材先が変更になった。昨日までやっていた前調べがまったくムダになる。困ったことである。
橋沢さんからメール、『ワナゴナ』の御礼。それとともに、大変なことが発覚したというメールも来た。なんと橋沢さん、『愛のソレア』で半田健人くんと共演していた! しかも、彼の高校の担任というかなり重い役である。現場で橋沢さんは鉄平くんと映画『カクト』で共演していた、と盛り上がっていたが、こう言っては鉄平くんに悪いが、思い出すなら半田くんとの共演を思い出しなさいよ。それにしても世界は狭い。世界にはホントは人間は100人くらいしかいない、という説をしみじみと思う。
11時半、オノと交番前(マンションのある区画の路地を出たところ)で待ち合わせて、タクシーで西麻布へ。5分前に到着。ロケバスが待つ西麻布の交差点で、シェフ服にもう着替えていた森野熊八さんに挨拶。どんよりとした曇り空の下、テレ東の人気アナである前田真理子と滝井礼乃の二人を待つ(生放送番組の後に駆け付けてくる)。ロケバスの中で雑談、熊八さんも私のことはテレビで見てくれているので、もう同業者同士の屈託ない会話。
西麻布での収録は馬肉料理の『馬春楼』。新鮮な馬刺しと、馬の焼肉(溶岩プレートを使った溶岩焼き)、馬肉ハリハリ鍋を味わう。焼肉のタレが“煎り酒”だったのが馬刺しの旨さ以上に感動。日本酒を梅干しと一緒に煮詰めて作る調味料で、池波正太郎の小説に登場していて名前は知っていたが、実際にお眼にかかり、口にしたのは初めて。きわめてあっさり、非常に風味豊かな調味料だった。
さすがに熊八さんはこういう番組に馴れており、私はサブとして雑学を伝えることに徹する。前田さんのことをみんな“ジーシー、ジーシー”と呼んでおり、何かと思ったら“グルメコンダクター”の略だとか。若い滝井さんをいろいろいじっており、面白い。この前田さんも帰国子女。いつからだろう、女子アナと言えば帰国子女、と相場が定まってしまったのは。
西麻布から銀座に移り、今度は比内地鶏の『比内や』。ここでも地鶏の刺身と、鍋。鍋はすきやき風。煮詰まっても苦くならず、甘味が増すだけなのがさすが。聞いたら地鶏の脂が出るので味が濃くならないのだそうだ。いろいろ雑学しゃべっていたら熊八さんから
「そういう素材、いつ仕入れるんですか」
と、調理人らしい感心のされかたをした。
放送されるのはほんの数分と思うが、そこでも回すこと。待ちの時間に熊八さん、手品を女子アナ二人に披露している。単純なものだが、テーブルマジックの腕としては見事。高田純次さんの番組で一緒になっていたとき、みんなでバーに行くと、回りを女の子が何人取り囲んでも高田さんは一人の女の子にしか向きあわない。それで、アブれた他の子みんなを一人で相手するために、手品をマスターしたという。ここですでに3時過ぎ。オノは“ひょっとしたら私は何も食べられないかも”と、タクシーの中でマックを齧っていたが、ここでは残った数片を。
で、三件目。まったく、グルメ番組というのは内蔵にかける拷問のような気がする。森野さんも、グルメ番組に出続けて一時、120キロにまで体重が増えたそうな。次の店も銀座だが、どこかで見かけたような場所。モンド21の『平成オタク談義』で毎回収録に使っていた『じゃぽね』だった。ここでテンジャン鍋を。しかし、ここの鍋は要するに居酒屋鍋で、他の二軒の、高級鍋とはちょっと不釣り合いのような。これも、最初の日本橋『ゆかり』に断られたせいか(オノがスタッフから聞いたところでは、グルメ番組に強いディレクターがこの番組の一切を仕切るはずが、病気で倒れてしまい、一から企画をやり直さねばならなかったとか。そのドタバタのせいらしい)。
とにかく、熊八さんの、収録全般を通してのサービス精神とプロ根性に脱帽。私は所詮、他業種からのゲストに過ぎないが、“この世界で生きていく”ことを目標にするならば、周囲のスタッフにこれだけ気をつかい、そのような番組のプロであることを徹底してアピールすることが絶対に必要だろう。なるほどなるほど、とうなづきつつも、いろいろ考えることあり。勉強になった。
5時半、収録終わってお疲れさま。『じゃぽね』を出るとき、ディレクターのMさんが
「大変ですよ、マネージャーさんがお腹すいて怒ってますよ!」
と笑う。確かに、5時までずーっと、鳥肉数片以外口にしていなかったわけで、そりゃ機嫌も悪くなろうというもの。プンスカしている彼女を連れて、スタッフと別れ、銀座にメシを食いに行く。私も、三軒も回ったとはいえ、いずれの店でもちょこちょこと刺身や鍋をつまんだだけで、しっかりものを腹に入れていない。
どこにしようかと迷った揚げ句、結局手近のスペイン料理エスペロ。魚介のパエージャ、イベリコ豚のハモンセラーノなどでクルスカンポとサングレ・デ・トロ。ハモンセラーノが絶品だった。パエージャも結構。子羊のローストはやはりちょっと、鍋を大量に食べた身にはキツかった。いろいろと仕事関係、人間関係の話。8時半ころ出て、出してくれたタク券で帰宅。
先代正蔵のDVDを聞きつつ半身浴し、DVDなど見ながら、ホッピーで酔いを調節、またまた寝たのが3時過ぎ。夜更かしはよくないと思っているのだが。