今更インド映画でもないでしょ。

※『社会派くん』ゲラチェック、『モウラ』原稿、談笑独演会＠お江戸広小路亭

朝９時に母に電話して、もう１時間寝かせてもらいたいと頼み、また寝る。結局、１０時起きで入浴、１０時半朝食。柿とブロッコリスープ、フレンチポテト焼き。２時間半しか寝ていないが、まあ何とか起きられるもの。

眠い目をこすりながら日記つけ、社会派くん対談テープ起こしゲラ。例により５０枚近い原稿に、赤をチャキチャキと入れていく。

２時半、完成させてミクメールで担当のＫ田くんへ。弁当をその間に食う。カマスの干物の焼いたのがおかず。電話、講談社のＮさん。声が完全に笑っておらず。あわてて原稿書き出すが、やはり体力が相当に消耗していて、コレハイカンと思い、ベッドにもぐりこんで、１時間ほど眠る。３時半起床。それから原稿、ガリガリと書き出し、５時までになんとか目鼻をつけて送る。ふうー。しかし、計３時間半の睡眠でも何とか体力は回復するものだな、と思う。

そこで着替えて出る。地下鉄、丸ノ内線と銀座線を乗り継いで上野広小路、お江戸広小路亭、立川談笑独演会。今回から完全予約制にして、当日券を無くしたので、まずハコにぴったり入る数だけお客さんが入るわけで、なかなか感じがいい。私には関係者席が用意されていた。しかし、あまり宣伝をしていないとはいえ、“なんでこんなに面白いのにお客があんまり入らないのか”とヤキモキしていた頃を思い、感慨無量。

ぎじんさん、アスペクトＫ田さんに挨拶。それから常連の女性ファンたち、毎度文サバ塾に来てくれている閑雅弘さんに挨拶。ぎじんさんとＫ田さんは昨日の（今朝の）ロフトにも来てくれた。ぎじんさんに
「いやあ、３時間睡眠で原稿２本あげてきちゃった、まだ若いねえ、オレも」
と言ったら“いや、この歳になると後から来ますよ”と。そうかもしれん。

常連の『鍵屋』のＨさん、
「実は今度、札幌の住人になったんです」
というので驚く。しかも、近くにからさわ薬局の支店（調剤薬局）があるらしい。世界は狭い。ｒｉｋｉさん、ｊｙａｍａさんもいつも通り。ｊｙａｍａさんはあの朝までの会のあと、会議で発表までしたそうである。彼女もタフだなあ。もっとも、足がもつれたか客席で派手に転んでいた。柿と自家製りんごジャムをいただく。

いつも会に来て、二次会にまで出席する、むすっとした顔の、非常にユニークな服装センスをした親父がいる、今日も、金色の鎖のついた、奇っ怪なシャツ姿で来ている。受付けに来てフワリさんから来月のチケットを買おうとして、すでに売り切れと聞かれ驚いていた。

で、談笑。風邪気味らしく、高座でゴホゴホと咳をしており、
「目からウロコが落ちるような視点のある話はやりません」
とのことだったが、そう毎回戦闘的になっていては客はついてこられない（ごく一部のカルトファンをのぞき）。文楽の“風邪声でございます”じゃないが、たまには風邪で力の抜けた回もあっていい……とはいったものの、どうしてどうして。『無精歯医者』（『無精床』の改作）、『猿の夢』、『反対俥』、『片棒・改』という、ある意味、談笑入門にもってこいの内容だった。

マクラも相変わらずだったが、面白かったのが、こないだ昇太と仕事をしたときに、芸協でも落語協会でも、もはや前座を“兄んちゃん”と呼んだり、半テレツ、２テレツという数え方（志ん朝が最後のテレビインタビューで“うなぎを２テレツばかし”と言って、久米宏がわからずに訊きかえしていた）をしたりとかはしないのだそうだ。歌丸さんの一門では“おかみさん”とも言わず“奥さん”とか言うらしい。立川流は寄席を離れて久しいので、本家ではもうすたれた古い言い方が残っている。談笑曰く
「オーストラリアの生物層みたいですね」
と。

本来は三席のはずが一席増やしての四席、それに、もう長いこと練っているあるネタのストーリーを話して、最後がどうしてもうまくまとまらない、何かアイデアがあったら募集します、と笑わせる。入場者数増え続けてこのお江戸広小路亭も今回、次回限り、来年からはお江戸日本橋亭に移るが、そこもそう長くは使えまい。会場探しは今からやっておかねばなるまいなあ。それにしても、今日はずっと、なぜか会場中にトンカツの匂いが充満していた。近くにトンカツ屋もなし、どこからただよってくるのか？

終わって『超落語』、買ってくれた人に談笑とサイン。いつもの店で打ち上げ。奥の席の方で、Ｈさん、その友人の方、ｒｉｋｉさん、ｊｙａｍａさん、ぎじんさん、夏さんなどと。フワリさん、そろそろお腹がかなり目立つ。ヅケ刺身、鶏唐揚げ、寄せ鍋などで乾杯。
ｒｉｋｉさんと釣り談義していたところで、イカの活き造りが出てくる。まだ透明で足がウネウネ動いていた。体の部分は刺身で、足は寄せ鍋にしゃぶしゃぶ風にくぐらせて。甘い々々。ぎじんさん、ｊｙａｍａさんなども、睡眠時間とれてないせいかやたらハイである。談笑さんたちの方で、葉山レイコの話をしていたので意気込んで加わる。力説する私に談笑が呆れていた。１１時ころ、とりあえずお開き。銀座線でｊｙａｍａさん、ｒｉｋｉさんたちと。赤坂見附で別れて、新宿まで丸ノ内線、そこからタクシーで帰宅。