31日
火曜日
コジャック氏、見てきたようなウソを言い
「ヘイベイビー、お前さんの犯行の現場はちゃんと見ていたぜ」
(声・森山周一郎)
朝5時くらいに起きて仕事を、と思っていたのだが実際に目を覚ましたのは8時。歳をとると早起きになるのではなかったか?
朝食ブロッコリスープ、温州ミカン、黄リンゴ。Yくんから、新潟の講演の感想、いろいろ送っていただく。好評ばかりで“本当に?”という感じである。まあ、そういうのを選って送ってくれているんだろうが。もっとも、内容においては自分でも気がつかずにかなり深く新しいところに触れたのではないか、という気がしている。とはいえ、それが今後どう形になるのか、まだわからない。
原稿仕事、幻冬舎のトテカワのもの。じっくりと書きたいのだが、こういう日に限って昼から予定がつまっている。11時くらいに、ちょっとまとまったものの前半のみ書きあげて送る。
声優の武藤礼子さん、29日に死去、71歳。と、いうことは、83年の劇場版『クラッシャージョウ』でマチュア(全裸で冷凍睡眠させられているシーンで股間のスジが描かれていたとかいないとかでカンカンガクガク、大騒ぎになった美少女キャラ)を演じたときは48歳、いまの私と同い年ということか。まあ、『不思議なメルモ』のメルモ役でオトナとコドモの声の使い分けはお手の物だったとはいえ。声優さんの死が多くのファンにとってショックなのは、大抵の場合自身よりはるかに若い(しかもアニメの場合歳もとらない)役を演じていて、実年齢のイメージがしにくいせいもあると思う。
12時、出宅。12時半にどどいつ文庫さん来社の予定、ちょうどマンション玄関のところで出会う。いつものように本を買っているところに、バーバラ、楽工社H社長、それから眠田直さん来。楽工社で出す某・企画本の打ち合わせ兼、資料映像をお二人に見せて本のテーマを示すデモ。
昼食をとり損ねたのでピザを宅配でとって食べながら。本のキモになる映像をいろいろ見せつつ解説を加える。これは実に楽しい作業である。まして、私の独断で、歴史的に重要であるとか、芸術的レベルが高いとかいう従来の価値観での位置づけを全て排し、
「見て面白いかどうか」
を主体にして作品を選定し、テーマを語る。類書ではほとんど触れられていない、ある作品と作者に大きく光をあてるのもキモとなるだろう。こういう本ばかり出して食べていかれればいいのに、と思う。
5時近くなって、H氏と眠田さんのお二人帰る。息つく暇もなく、幻冬舎原稿にかかり、朝送ったものの後半を、だだだと書く。送ったのが8時半ころ。
くたびれた体で帰宅。サントクで買った茄子と鮭缶で晩飯茄子かやき。最初薄味で食べるが、イマイチの味で、味付けを濃くして煮直したらうまくなった。疲れた体には濃い味があうのか。赤塚行雄『戦後欲望史』読みつつ、ビデオで『吉田茂とその時代』見る。なんか、何もなかった焼け野原の東京がとても魅力的に見える。