裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

木曜日

グレコ、グレコ、グ〜レ〜コ〜

ダダダダーンと受胎する、ババババーンと告知する
http://www.ohara.or.jp/200511/jp/1_web/1/exh/003.html
を見ていて思いついたタイトル)。

朝7時起床。うすら曇り。入浴、9時朝食。黄色いリンゴ皮つき4切れ、巨峰。コーンスープ。子供のころの最大のご馳走がコーンスープだった。当時のわが家はお手伝いさん含めて7人の大家族だったので
スープは大きな鉄鍋で作られ、大きな平皿にたっぷりとよそられた。小学一年生のころ、作りたてのそのスープの鍋に、木の蓋をしたものが床に置かれていた、その上にふざけて座り、熱々のスープを下半身に浴びて大やけどをしたことがある。そこは薬局だったから、あらゆる薬が総動員されて、なんとか完治したものの、左足の太もも部分にだけは、やけど痕が長く残った。いまでもうっすらと残っている。

日記つけてネットあちこち逍遥しているうちに、もう午前中は過ぎる。東レの新しいキャンギャルの澤山璃奈という子の脚線美が凄い。荒川静香の後輩のフィギュアスケーターだそうでさもありなん。私はこれまで女性の脚にはほとんど興味がなかったのだが、年のせいか最近はよさがわかるようになってきた。“人間はキャンギャルの足である”とはよく言ったものである。おとついの白菜鍋の残りに味噌を入れて豚汁にする。ちょっと酸味あり。弁当を使うが、お菜は紙カツ。安っぽい味が素晴らしい。

K子は簿記一級受験の一週間前に泊まるホテルを予約した、と嬉しそうに言う。こういう、人生をイベント化する能力も貴重だな、と思う。常にその場での状況をいかに楽しむか、だ。

出勤の車中で週刊誌3誌(文春、新潮、女性セブン)読む。女性セブン、藤岡琢也氏のカルト宗教入信疑惑を。腎臓病になってからの入信で、そこの女性教祖が、“病気は信仰で治すもの”と主張し、ギリギリまで入院させなかったという。入院後も、テレビの共演者などは病室に入れなかったそうで、もし早期に入院していたら、こんなに早くは亡くならなかったのでは、とある。

宗教と命ということにその記事で思いを馳せていたら、事務所のパソコンで見たネットニュースに、千乃正法(白装束集団として一時ニュースで有名になった)の千乃裕子氏死去の報。ちょうど、宗教上の理由から子供の手術を拒否した親の親権停止、というニュースもあり、何か連続するなあ、と思う。

手術拒否の両親に関しては今回、行政や司法の対応で子供の命が救われた、ということで画期的かつ称賛されるべき、とするコメントがmixiなどでも多いようだ。私も子供の命が救われたことに関しては心底からよかったと思う。しかし、これを手放しでよかったよかった、と絶賛するのは、あまりに単純に過ぎるんじゃないか。親の身になってみれば、これは国が強権をふるって親の“思想・信教の自由”を侵害した行為である。
「子供の命を危険にさらす思想信仰など認められない」
と人命絶対尊重を唱えるのなら、例えば、独裁政権に対し革命を企てる行為なども、その本人が子持ちの親であれば許されない、ということになるだろう。当然のことながら独裁国家において反逆者は一族郎党みな罪に落とされ命を奪われるからだ。思想と信仰を一緒くたにするな、というのであれば、キリスト教徒の人々の、このニュースへの感想を聞いてみたい。彼らは子供の頃から、聖人たちの殉教の話を聞いて、これを誉むべき行為、として教えられ、信じてきたはずである。幼い我が子を目の前で殺されながらも改宗を肯んじなかった聖人の話などを私も子供のころから何度も読まされ、センリツしていたものである。今なお、アラブでは、自分たちの子供を自爆テロで殉教させた親たちにはご近所ぐるみ、街ぐるみで祝福が与えられ、祝賀の会が開かれて、親達は誇らしげに息子の死を称賛する。宗教とは、せんじ詰めるところ、社会的常識とは相反するものであり、その信仰の自由を認めながらの両立は本来不可能なのではないか。

昨日の東大講義、ネットで検索したら“これほど学問的に身の引き締まる話がなされるとは思いませんでした”とまで書いてくれている人がいて、ちょっと恐縮。またぞろ悪いクセでアカデミズム系の悪口を、本家本元の東大で放言してしまったので反感をかうかと思っていたのだが、身を引き締めてくれていたというのは有難い。

今日はオノもバーバラも直にネクサス入り。話をまとめて教室に入り、講義を。講義録はまとめて出版の企画が動き出しているそうなので、内容は日記では省略。終って前から気になっていた火鍋の店に行ってみるが満席。近くのワインの店に入る。地鶏の朴葉味噌焼き、ピザ、ムール貝のサフラン風味などでワイン。
今回の講義録を全て勉強のためと無償でテープ起ししてくれると言ってくれた生徒さんがいて、バーバラ、彼のことを繰り返し繰り返し称賛する。私は酔ってまた少しグチが出て、オノに×××脳になってるんじゃないですか、と言われた。11時半、タクシーで帰宅。

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