裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

月曜日

裏ネタケンカは買わねばならぬ

芸能人同士のケンカネタとかが載っている雑誌はやっぱり買ってしまいますよねえ。

朝8時起床。朝食、トマトスープ、キウイ、黄リンゴ。昨日、梅田先生から恵比寿公演の変更点、諒承していただいたと佳江さんから連絡あったので、早速エージェンシーのK口さんにメール出す。佳江さんからの公演での要望が
「昼夜の弁当は父のギャラを削ってでも高級なお料理でお願いします。弁当が安いと意気消沈するところがあります。赤い恋人(ウインナー)と黒いプラスチックの弁当箱が酷く憎いようです」
とあって、赤いウインナーを前に怒っている先生を想像して思わず笑う。

しかし、コント赤信号の石井社長が“弁当ー!”と叫んでいたように、弁当にいいものが用意されているかどうかでその仕事場を仕切っている事務所の質がわかる、とは芸能プロ時代からよく言われていた。私もテレビ局の楽屋で弁当がショボいと落ち込むほうである。NHKの『アニメ夜話』のときのスタジオ弁当がなかなかいいので、あれを手配しているアマゾンの人に問い合わせてみるか。

昼の弁当、おかずは別にわけて、サントクで生ウニの安いのを買ってくる。昨日、帰りの新幹線の中で、隣の席に座った男(正体不明だが非・サラリーマン風)が、駅弁のおかずを食べずに、ごはんのところに、新潟の市場ででも仕入れたのか、生ウニをのせ、醤油をぶっかけて食べていた。それが非常にうまそうだったので、さっそく真似をしてみたのである。もうもう、鼻息が荒くなる。

オノは昨日の打ち上げを二日酔いで休んだが、どうも風邪だったらしく、今日は事務所を休む。2時半、事務所に出て、『探偵ナイトスクープ』の電話取材うける。それで3時の時間割での二見書房Yさんとの打ち合わせ、打ち合わせの資料に送ったはずの同人誌がまだ届いていないというので、一度事務所に戻ってとってくる。こちらのサイトなどからまとめた資料も作ってくれていて、さすがYさん、仕事が速い。これならばすぐに出来るかも、と希望が持てる。あと、例の挫折プランの話なども。

途中でアスペクトのK田くん来たのでチェンジ。村崎さんも来て、『社会派くんがゆく!』対談。いじめの必然性について述べる。個性の時代などと言って、自分が一番とか思い込まされて育てられた子供たちに、集団の一員たれと言ったって出来っこない。彼らが考えるのは集団の中に埋没することへの恐れであり、他者と均されてしまうことへの嫌悪感だ。他者との差別化の最も簡単な方法は、いじめという行為で自分の優位性を保つことなのである。

単行本、12月半ばに出すというので驚愕。物理的に出来るのか。対談終って、本当はそこから都立大学の橋沢さんとつまみ枝豆さんの対談に立ち会わなくてはいけないのだが、体力的にダウン。タントンに行って、一時間揉み込んでもらう。

そこから事務所、原稿催促電話など受けつつ資料調べ。赤塚行雄の『戦後欲望史』(講談社文庫)読み出す。面白い。1952(昭和27)年に朝鮮戦争景気でわく横須賀で商工会議所が作った『タマラン節』の歌詞が実にいい。
「ジャパン横須賀ワンダフル
 ビヤもガールもベリナイス
 チェリー咲いてるあの丘に
 スイートホームを作りたい」
 この後に“ああ、たまらん、たまらん”とつく。さすがに横須賀市民もこの植民地的な歌詞に怒りを覚えて抗議運動が起こったそうである。

9時過ぎ、帰宅。サントクで買った比内鶏のスープと肉で簡便鶏鍋。具はゴボウのささがきとレタスで。DVDでベティ・ブープの作品を見る。『ベティの蛮地探検』が原題の『I'll Be Glad When You're Dead You Rascal You』からの直訳で『わる物のお前が居なくなればすっきりする』などとなっているのに驚く。蛮地、は問題があるので(と、いうならこの作品の内容自体問題ありまくりだが)どうにも座りが悪いし、かえってマズいのでは?

Copyright 2006 Shunichi Karasawa