11日
日曜日
必殺セロトニン
あやつを眠らせて欲しいのでございますよ。
目がさめたら、ゆうべ飲んでいたそのままの格好。ズボンに黒シャツ、ネクタイ(さすがに帽子と眼鏡は外していた)姿で布団の上に横たわっていた。いけねえ、一、二時間仮眠のはずが夜中になってしまったかと窓の外を見ると、白々明るい。スズメのさえずりまで聞こえる。仰天して時計を見たら6時半だった。
あわてて飛び起き、タクシー拾って新中野へ。早朝の町をひさしぶりに走るのは快適だが、そんなことも言ってられない。K子に電話すると、無事を確認されただけで切られた。
途中の路上でオロナミンC買って飲みながら帰宅。K子は怒って出ていったか、姿がない。寝は足りているはずなのだが、今度はきちんと寝巻に着替え、横になってベッドに潜り込むと、また9時まで寝てしまい、朝食のベルに起こされる。10時にしてもらって、入浴。二日酔いとかはたっぷり寝たのでなし。
朝食、スイカ、キウイ、ブロッコリスープ。ポーランドから久しぶりにげらっちさんが帰国していて、わが家で食事をしたいと言っているとか。日程を調整しよう。使い勝手の悪いマックワード使って日記つけていたら、パイデザが新しいマックを持ってきてくれる。結局、前のがなんでいきなりダメになったか、理由はわからず。新マックでファイアフォックス試す。まずまずの使い勝手。
弁当、シャケ塩焼きで。雨ふりの日曜、今日は出ずに仕事、と決める。しかしこの状況ではなかなかスイッチ入らず。仕事場のK子からは原稿早く書けと催促。新連載の古雑誌ネタ、書きだすがなかなかすすまず。5時半までかかってなんとか。
家を出て、あぁルナティック稽古。西荻の地域区民センター。出て地下鉄乗ったところで台本を忘れてきたことに気がつきいったん家に取りに戻り、また出て今度はすぐに紙入れを忘れたことに気がつき、またとって返す。脳が湿気で動いてない。
結局30分の遅刻だったが、完成した台本のコピーに手間取って、まだ稽古始まっておらず。刷り上がったコピーをみんな並んでページ順に重ねる。こういう、中学校のサークル時代に戻ったようなことが楽しい。
橋沢さん、ゆうべ徹夜でこれを書き上げたそうで、その前に書き上げたのは気に入らず廃棄したそうな。ヒゲも剃らず、目にクマができていて、かなりの苦労の末の作だとわかる。驚いたことに、最初あった大きな役が無くなっており(私が“これなら稽古なしでもできる”と思った役)、さらに小林珠里さんの役が格段に大きくなっていたり、いろいろ変更あり。なので台本も最初の部分から新たに手渡される。つまり、今日はとって返す必要なかった。一度通して、みんなで新たに読み合わせ。役柄の設定が変更になった人が読みながら
「えっ!」
と驚いてたりするのが可笑しい。
私の役はこの段階ではまだ初稿と変更ないが、これから、乾ちゃんとのからみでかなりの変化はある。何にせよ、“え、カラサワシュンイチがこんな役?”といった意外なキャスティングである。言ってみれば、これまで野沢那智でやってきたのにいきなり永井一郎でやってくれ、と言われたような。最初はとまどいがあったが、慣れてくるとこれが楽しい。ミュージカルなので一曲くらい歌いたい、と言ったががそれは却下された。
プロデューサーのナカソネユウイチロウ氏が、細かな部分を橋沢さんとつけあわせ。今日はそこらで終わる。渡辺克巳氏が稽古初参加、やはり声は抜群によし。この声聞くだけでも声フェチのみなさんは芝居を観にくる価値、ありますぜ。
ナカソネさんと顔つなぎもあり、体力的には不安だったが飲み会兼ねた衣装打ち合わせに同席。荻窪の湯葉料理『月の花』。スカしたような作りの店だが、白木屋の系列だとか。ナカソネさん、YAGIさん、橋沢さん、女優兼衣装補の大村さん、それと助川くん。さすがに生ビールジョッキ二杯とハイボール一杯のみであとは控える。橋沢さんは台本アゲた解放感でホッとした様子。YAGIさんもいい具合に酔っぱらっていて、橋沢さんにボケをかましていた。
大村さんは私の実年齢を聞いて驚いていた。ずっと年寄りに思っていたらしい。フケ顔ではないはずなのだが、雰囲気が爺ぽいのであろう。11時半、解散。丸ノ内線で帰宅。K子帰っていた。二人で交互に半身浴して寝る。