MATを退団した棟方志功はやがて世界的な版画家になり……。

朝8時45分起き。寝坊は雨のせいか。急いで風呂に入り、9時半朝食。カボチャのスープ、スイカ、キューイ。テレビはワールドカップ一色、かと思えばまだ豪憲くん事件のことなどもやっている。

雨蕭々。日記つけメールやりとりしばし。今日1時時間割、と思って急いで家を出ようとしてもう一度確認したら3時だった。1時と13時を間違えたようだ。あぶないところで、自分一人だったらポカンと馬鹿みたいに時間割でスポーツ新聞など読みながら待っているところだった。もっとも、いくらスケジュールマネージャーがついていてもこっちがその予定を読み間違えてはどうしようもない。氷川竜介さんも個人ではすでにスケジュール管理が限界、とミクシィ日記に書いてあったが、マネージャー入れたら入れたでまた、これが大変なのである。

弁当、安いスーパーの掻き揚げを煮たもの、それでも美味。油揚とミョウガと豆腐の味噌汁を作って飲んだら汗がどっと吹き出てシャワーを使う。味噌汁飲んでシャワーを使ったのは初めてである。

2時、渋谷へ。某大手飲料会社の製品のネット広告出演の依頼。もっともまだプレゼンの段階なんで実現するかどうかわからず。講談社モウラのゲラチェックに赤入れて返信。毎日新聞のMさん（かなり前に『アミューズ』で仕事をした）から、私の日記を読んで、『日本沈没』の試写案内状が来ないと書いてあったので、と、一枚、試写会の券を送っていただいた。毎日新聞も出資しているらしい。なにはともあれ、恐縮の至り。

3時、時間割。東京スポーツM氏。これが道に迷ったとかで20分ほど遅れて到着。こっちはやはり1時だったか、などと変な心配してしまう。インタビューコラムであるが、もっと身近な、例えば芝居に出る話であるとか、パソコンの壊れた話とかをしようと思っていたのだが、
「どうですか、トリビアブームなどで今後のお仕事は」
と訊かれるのでつい、07年の団塊の世代引退問題とか、レトロブームの意義とか、お固い話になってしまう。1時間ほどで。面白い記事になるかなあ。

事務所に帰り、雑用。河崎監督からはまた、私が出た十分後くらいに電話があったそうだ。どうも食い違う。猫三味線打ち合わせ期日のやりとりなどして、それから今日のラジオ収録のためのネタ出ししばし。5時半、家を出て赤坂TBS。第6スタジオで『ポケット』。

このあいだのトンデモ本大賞に来た『ストリーム』のMディレクターと打ち合わせ。今度の『コラムの花道』に出演の件。その授賞式のことを話して欲しいという。そのあと、ケーキやおせんべなど食べつつ、雑談。この雑談でどれだけあたたまるか、で本編の内容の面白さが違ってくる。一見無駄な時間に人間はチャージするのである。二本同時収録するのもそのためで、30分番組だと、一本だけの収録ではあたたまる前に収録が終わってしまう、のだとはI井くんの弁。

そのI井くんからはオノにシャンパン『ブーブクリコ』の贈り物。入籍祝い、だそうである。“ブーブ”は未亡人という意味で、I井D曰く“これでオノさんも未亡人になる権利を得たということで”と。うまいことを言うもんである。実際、夫であるフランソワ・クリコが死んでシャンパン製造業を引き継ぐことになった未亡人ニコル・バルブによってブーブクリコのシャンパンは世界的ブランドに成長した。縁起がいい（？）かも知れない。I井くんは新調のサングラスをかけてくるが評判はさんざん。

収録はつつがなく二本とも終わり（CDを忘れてきたがかけるつもりだった二曲ともTBSにあった）、さてポッドキャスティング、というところで、I垣Pから、ここのスタジオがあと15分しか使えない、と言われる。じゃあまた小さいスタジオの方に移動するか、とみんなで話すが、I井くんが、いや、即効で二本録っちゃいましょうと言い出し、ちょっと緊張して海保さんと収録に臨むが、これが二本とも大変にいい（本編よりよかったかもしれない）出来。生放送のノリが甦った。やはり緊張感は大事である。

終わって撤収、じゃあ今日はオノの結婚祝いということで、とイニャハラさんが案内して韓国料理兄夫（ヒョンブ）食堂。兄夫とは“姉の夫を呼ぶ言葉ですが、最近は呼ぶのに使われます”などと、よく意味の通らない日本語で書いてある。要するに“兄さん兄さん、ちょっと”と、人に呼び掛けるのに使われるということだろう。

I井Dも後から来て、四人で乾杯、トッポギ、チヂミ、太刀魚のスープなど、向こうの家庭料理風のもの。それからカルビ焼きなど。もう、この面子だと最近はいきなりエロ話だが、しかしその合間々々に、
「ラジオの深夜番組におけるトークの効用とは」
というような真剣な話になり、そしてまたどうしようもないエロ話に流れていく。そのたゆたいの度合がたまらない。I井くんはまだ聞いていない、というのでまたまたオノのリクエストで不倫美人編集者ばなし。だんだん古典落語的な持ちネタになってきた。ワイワイやっていて、ふと気がつくともう2時過ぎ。ワールドカップ第一試合も半分くらい進んでいた。タクシーで帰宅。酔ったような酔わないような。