裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

月曜日

見本市のきびだんご

 これが現代人の口にあうよう改良されたニュータイプのきびだんごでございます。朝6時半起床。入浴・朝食いつもの通り。ネットで昨日の“コミビア”コーナーの評価などを。まあ、視聴率はとっているのでネットの評判などどうでもいいのだが、心 なしか以前に比べて好評が多い気もしないではない。

 バスで通勤、仕事にかかる。メールチェック。エロMLなども相変わらず多いが、今日配信されたののタイトルが『っひぁん、気持ちいいよお……』。“っひぁん”というのは喘ぎなのか、呼びかけなのか。廣済堂Iくんから電話、こないだ出した『笑う雑学』、テレビ(『世界一〜』)で紹介したせいか、売れ行き大変好調とのこと。素直に嬉しい。と、いうか、偶然にもタイミングよすぎた出版だった。

 開田さんの『特撮が来た!6』に載せる『デビルマン』評、書き出す。日記に書いたことなどを敷衍したものだが、書いているうちにかなりノッてきて、デビルマンからどんどん脱線する。まあ、それもいいか。これ、オタク大賞で盛り上がり確実なのだが、今回は年内にはやらないみたいだし、担当者からの連絡も新年のスケジュールをだいぶ前に訊ねてきてからこっち、ピタリとなくなった。どうなったか?

 昼は黒豆納豆にニギリメシ、カップ味噌汁。幻冬舎書き下ろし原稿の資料などにも目を通す。ヘソ曲がりの極致みたいな本になる予定だが、書いている段階では実に面白い。昨日のライブのスタッフのTさんからメール。昨日打ち上げでTさんがいきなり抱きついてきた(別にホモではなく、ライブが盛況だったことと、もともとTさんは私のファンなので、感極まったらしい)ことについて。いや、私は男女問わずそう いう感動の表し方は好きなのである。

 FRIDAYコラム原稿。ここでのコツは“80パーセントの正確さ”。コラムの中に入れる雑学の書き方で、100パーセントの正確さを期そうとすると、文章が硬くなるばかりでなく、文字数の中にデータを入れただけでいっぱいいっぱいで、身動きがとれなくなる。8割の正確さで筆をとどめる、ここがこういう連載コラム原稿を 面白くし、かつ長続きするレベルなのである。

 6時半、家を出て新宿。三丁目の『○』という店である。これで“WA”と読む。検索に困る店名だ。幸い、このあたりには土地勘あるのですぐわかる。扶桑社の来年のトンデモ本シリーズ打ち合わせ。行くとすでに編集Yさん、談之助師匠来ている。すぐに植木氏も来る。この店は扶桑社でよく使う店らしい。ちょっとした隠れ家という雰囲気の店。ビールで乾杯、Yさんの作ってきてくれた企画書をもとにちょっと打ち合わせ。これまでのトンデモ系のシリーズとはかなり毛色の異なったものになりそ うな雰囲気。

 まあ、打ち合わせと言っても今日は大体の方針決定くらいなので、雑談の量の方が正直、多い。豚角煮、鰤照り焼き、生春巻きなど食べつつ、ビール、芋焼酎等のみつつ、トリトメのない話。ゲーム批評家でもある談之助師匠曰く、ドラクエは“酔う”と。3D映像があまりにグルグル動くので、奥さんがいま、プレイして酔って倒れているそうだ。最近は3Dゲームのプレイ用にトラベルミンが売れてる、とかいうホントか嘘かわからぬ話。それにしてもトラベルミン(乗り物酔い薬)ってまだあったのか。おおば比呂司デザインのトラベル坊やの人形が、子供の頃実家の薬局には飾られていた。『キングコング対ゴジラ』でも、主人公の職業が薬品メーカーの広告部員であるため、バックに小道具としてこのトラベル坊やが置かれていて、親父(薬屋)が私と一緒にこの映画をテレビで見ていて、
「ありゃ、トラベルミンの人形だ。この会社はエーザイなのか?」
 と叫んだのを覚えている。

 十時頃、店を出て、かなりみんなメートルが上がっていたが、まとまったものを腹に入れていなかったので、蕎麦食いましょう、と二丁目方面へ。『昆』でへぎそば。なら蕎麦だけ食えばいいものを、ここでも八海山と麒麟山飲みながら、馬刺とか湯葉とか食べ、さらにへぎそばを食い、足りずに追加。呆れる。ふと、Yさんの年齢が気 になり、訊いてみて、帰ってきた答に驚く。談之助さんが
「私が早く結婚してたら息子の年ですよ」
 と。おじさんたちのお守り、ご苦労さまであります。まだ電車のある時間だったが足元がおぼつかないのでタクシー乗って帰宅。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa