裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

水曜日

パッコンしようよ

 ボクの××がヘソまで延びて〜(下品ですいません。しかし吉田拓郎の結婚式で、南こうせつが似たような歌を歌ったらしい)。朝7時半起き、まだ酔っている感じ。朝食、果物数種に温かいブロッコリポタージュ。食べて部屋に戻って、また寝る。8時半、起きてバス通勤。車内でもウトウト。喉が、そう痛みはないが腫れている。昨 日しゃべり過ぎたか。

 こういう日はお仕事のまとまった原稿は書けず。冬コミ用の『ゴミビア』(ゴミみたいなコミビア。コミビアでもやれないクズなトリビア本)の原稿を書く。
・目をあけたままくしゃみをすると、目玉が飛び出してしまう。
 とか、
・コーラを飲んだあとのげっぷをがまんすると、死ぬ。
 とか、そういう類。後者はホントに死んだ人がいたそうだ。

 昼は梅干しのオニギリ一ヶ。納豆。今日はコンビニに黒豆納豆が切れていたので、普通の納豆。食べてまた仕事にかかる。
・ガンジーの暗殺者の名前はナートゥーム・ゴートゼ。
 ふーん。

 奈良の小学児童誘拐殺人事件で、大谷昭宏が“「萌え」とか言っている人がやったのではないか”と発言して、ネットなどで話題になっている。何年か前に、“オタクは世間に背を向けてイメージを悪くしているからいけない”と私に向かって批判した人(今はマンガ評論家らしいが)までが大谷氏を批判しているのに苦笑する。変わり 身の早いことだ。

 オタクにしろ萌えにしろ、世に出始めた初期には、それまでの日本文化の中で一般に認知されていなかった新興文化であり、その立ち上がり初期には、旧文化との差異をことさらに強調し、旧文化圏からのハジカれぶりを一種自虐的に表現してまで、自分たち(その文化に所属するものたち)のアイデンティティ確立を急ぐものである。その結果、こういった犯罪が起きたときにはあらぬ疑いもかけられるだろう、官憲からにらまれもするだろう。しかし、それは急激にその勢力を増してきたが故に、旧文化との間においてほぼ必然的に起きる摩擦である。あまりことさらに萌え擁護に立ち上がって騒ぐと、世間からは“犯人の仲間たちが騒いでいる”というイメージを抱かれ、より一層萌え文化が不気味がられる。もちろん、自分たちの正当性を主張する権利はあるとはいえ、そういうことを過激に言いつのることにより、“萌え系”がアンタッチャブルな領域になってしまうのはやはりまずいのではないか。誤解があろうと悪意があろうと、萌えが真の文化であれば、これくらいの事件では消え去らない(オタク文化が数多くの事件にもかかわらず消え去っていないのと同じだ)。ましてこの事件はいまだ犯人も逮捕されておらず、その実像が把握されていない。その時期に安易な予想を口にする大谷昭宏がどうしようもないことは確かだが(テレビを見ていれば最近のこの人が急速にダメになっていっていることはよくわかる)、それに過剰に反応するのも、利口な対応とは言えないだろう。今はただ、“萌え”というものの正しい理解を、きちんと世間に大して理解させるべく説明していくことに勤めた方が、こういうバカ批判に対しては実効があると考える。

 仕事のBGMに映画『女と男のいる舗道』サントラ。ゴダール作品では一番好きなもの。ストーリーはレコード屋の女店員が生活のため娼婦になり、やがてヒモのケンカにまきこまれて死んでしまうというディスペレートなものなのだが、主題曲はポップで軽快。トランペットの響きが非常に60年代していていい。当時の日活映画などでこの曲、かなりアレンジして使っていた気がする。宍戸錠のちょっとコメディぽい 映画などで。

 日テレ『世界一受けたい授業』から電話、先日出演した回の視聴率が大変によろし く、それも私の出た時間帯で数字が一番ハネ上がっているとのこと。
「まあ、親戚が見たせいでしょう」
 とか答えておいたが、なんだろう、前が斎藤孝、後が美輪明宏で、私が結局一番マトモに見えたということか。さっそく次回の出演も打診される。正直な話、なんで視聴率がとれたかはよくわからないが、こないだの『鈴木タイムラー』もあの時間帯の最高視聴率とったし、これで最高視聴率男、とか伝説がついたらいばってテレビに出られるのだが。あと、出演料の件。思ったよりかなりよかった。やはりプライムタイムの番組は違うなあ、と実感。文化人値段でこれなのだから、タレントはいくら取っ ているんだろうか。ローン返すまではせっせと出演しよう。

 なんとかゴミビア、一冊分のネタは集めるが構成が出来ていない。今日はそこまでとして、帰宅。K子は語学で、その後また下北沢ででも飲むだろう。家でタラちりであっさりとメシを食い、その後、DVD類をいろいろ見ながら、黒豆納豆などで酒を飲む(ウイスキーを缶ビールに入れたボイラーメーカー)。

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