19日
金曜日
メモ
朝3時ころ目覚め読書。寝たり起きたり。母とナミ子姉と一緒の部屋だったが、イビキがひどくて寝られなかった、と苦情言われる。酒が入って疲れていると、私は大イビキ人間になってしまう。7時半、庭に出るが雨、ポツポツ降っているのですぐに戻る。8時、朝ご飯。コンカイワシが焼かれている。これこそが郷土料理の塩加減。この宿で唯一の塩辛いもの。あとはサラダ、豆腐、べんづけ、キャベツのゴマ和えなどに、香箱ガニの味噌汁。この味噌汁が絶品中の絶品。昨日の蟹よりは小ぶりの蟹だが甲羅の中にびっしりとウチコがつまり、その味わい、言葉にもならず。これ食べるだけでも能登に来た意味がある。そのままぶらぶらとして、お母さんがレギュラーで電話出演している地元のラジオでもお客代表みたいな感じで出演。そのギャランティー代わりか、これ、いいなあと思っていた玄関の猫まくらを貰った。そう言えば昨日、船下夫婦、宿に着いた私を見て「こないだテレビで唐沢さん、出とったでしょー、偶然見ていて、あ、カラサワさんやわって」と言う。ああ、日テレの……と一瞬思ったが、二つともまだ未放映。と、いうことは『BSアニメ夜話』か? そんなオタクぽい番組見ているのか、この二人。12時、フラットへ。そこで昼ご飯、イカスミの自家製パスタが最高。ソースをパンにつけて食べる。パンの味が上がったと思ったら、ドイツから職人が来たそうだ。K子、本場の黒いドイツパンが食べたい、というが、能登ではそういう本格的なのは売れないのだという。食後街へ出て、肝炎で入院中のこうでんさんを見舞う。dumさん、昨日も温泉で見かけた“山本弘志”なる人物の絵をここでも見つけてウケている。しかも、そこの絵をほとんど裏返しにしたような図柄である。こうでんさんはこれで入院2ヶ月目という長期だが、すでに黄疸もおさまり元気そうで一安心。母たちはおみやげの干物を買いに行った。フラットに帰り、しばらく休息。ベンの娘のメアリちゃんは前回われわれが来たとき、どういう理由かFKJさんを気に入って気に入って、“おひげのおじちゃん”と言ってまとわりついていた。今回も心待ちにしていた様子だが、一年大人になって、少し照れる様子も見せはじめている、お、これは本当に愛なのか? 部屋に二人だけを残し(入ろうとするとメアリに睨まれる)、隣の部屋で雑談。夜はまたまたイタリアンの粋。タコとスズキのガーリック煮、アンコウのフリッター、コンカの(コンカイワシからイワシをぬいたあとの)ピザパイ、そして蟹とアサリと白身魚のトマト煮。今日はもう食べてばかり。美食家のナミ子姉の悦ぶこと。メアリと、兄のトモも来て遊ぶ。ハーフ美少年としては秀次郎とタメをはる可愛らしさの子。いや、表情の豊かさでは秀次郎をはるかに凌駕する。アニメの主人公みたいな顔だ。新作の鉄腕アトムそっくりである。こんなに相手をしてくれる客はあまりいないのか、二人ともいささか興奮気味。子供好きの母もこの二人に大喜び。ところで、ドイツ人パン職人は、K子の黒いパンを、というリクエストに大いに自尊心を満足させて喜び、明日、焼いてお土産に持たせてくれることになった。言ってみるものである。デザートのチョコレートパイまで食べ て少し食い過ぎ。