22日
火曜日
糖尿クレーゲル
糖増マン作。朝、トイレに入ったらニンニクの臭気ふんぷん。昨日のアサリのせいだろう。朝食、発芽玄米粥、梅干、桃一個。雲って肌寒く、夏はいつになったら、という感じだが、実際にはこっちの方が仕事はしやすい気候なのであるからどうも矛盾 している。
同人誌ゲラチェック済ませて、簡単な前書きとかも書いて送る。K子は着々と作業を進めている模様。携帯に連絡あった某さんに連絡取ろうと昨日から何度もその番号 に電話するが通じず。
1時に外出、郵便局へ寄った後、NHK西門前酔香楼で久しぶりにランチ。本場中国でもすでに時代遅れとか言われている(らしい)鯉の丸揚げがウインドーに飾られているのでもわかるように、昭和30年生まれのわれわれがイメージする、ちょっと高級な中華料理店そのままのイメージである。清潔な店内、壷とか屏風とかの仰々しい中華風装飾、チョッキに黒タイの年取った店員。メニューも定番ばかりだし、味もまずくはないがとりたてて言うところのない、ごくごく普通の中華。鶏の味噌炒め定食を頼んだが、肉、タマネギ、シイタケなどの具がいずれも一センチ角くらいの大きさのコマ切れになっており、箸でつまみにくいことおびただしい。レンゲなども備え付けられていないんである。結局、タマネギが大量に皿に残ることになってしまう。スープにはちゃんと溶き卵が入っているのが感心だが、これが和風のお椀に入って出てくる。今はなき渋谷区勤労福祉会館のレストランでは味噌汁がカップで出てきたから、あれと好一対。デザートの杏仁豆腐も、昔ながらの、ミルクの味などしない白い寒天で、最近滅多に食べられない缶詰黄桃が入っている。食べながら資料のコピーに 目を通す。
出るとき、“やあ、よく会うね”と声をかけられる。立川企画のM社長。NHKの仕事の打ち合わせだそうな。ラジオの『平成落語家ジョッキー』か。私は東武ホテルまで。時間がギリチョンになって急ぎ足で言ったらちょっと汗になった。マガジンハウス『Tarzan』インタビュー。時間割に場所を移して。セルフメディケーションと薬事法の話。あまり現行薬事法のワルクチは言わないようにしよう、と心に思っていたのだが(薬剤師さんたちとのつきあいも多いので)、やはり、既得権に固執しているのはイカン、というような方向になってしまう。薬事関係者は口を開けばセルフメディケーションセルフメディケーションと言うが、では日本も個人の健康は個人責任で、自由に医薬品が購入できるようにすればどうかとか言うと、とたんに専門家のアドバイスがないと危険だ、お年寄りは、幼児は、とか言い出す。アメリカは自由思想が強過ぎて保障制度がなく、金のないものは死ねという国なのだ、などと言っているサイト(もちろん薬剤師の)もあった。私は基本的には専門家の必要性を認めるものですが、しかし、今の専門家たる薬剤師さんが専門家にふさわしい知識と経験をみな有しているかというと疑問に思わざるを得ません、などとしゃべる。まあ、多少カゲキなモノイイの方がインタビューには喜ばれるだろうと判断し、自己ブレーキは かけない。
1時間半程度話して、出る。編集さん、えらくこの時間割を気に入った様子。まったく、家から三分のこの店あるをもって、宇田川町一帯は私の事務所足り得ているのである。帰宅、メール通信数本。昨日バッタリ出会ったNさんにメールの返事。昨日のことと言えば、両国生まれのとみさわ昭仁さんから、“横綱通り”と日記にあったが、あれは“横網通り”が正しい、とご指摘。のけぞって笑ってしまった。まあ、チラとしか通りの上の看板に目をやらなかったのだが、両国で横網、と表記してあればまずその地名を知らない半分以上の人間がウッカリと“横綱”、と読むまいか。凄い トラップである。ともあれご指摘に感謝。
7時に家を出て、タワレコへ。タワーブックスで『ビザール』最新号とエド・ロスの画集(と、いうか作品中心のバイオグラフィー)を買う。初めて彼のモンスター・トラックの絵を目にしたのは小学2年生のとき(1966)だったか。従兄弟からのプレゼントであったが、シールになっていた20枚ほどのイラストセットだった。それからしばらくしてクラスでシール交換が流行ったときに、これを供出してしまったのを、私はかなり後々まで後悔していたものである。一番私が気に入っていたのは、モンスターがバラバラになった車の部品をサラダにして食べている『フルーツ・サラダ』というイラストだったが、これは残念ながらこの本には載っていない。
8時半、センター街でK子と待ち合わせ。回転寿司『江戸一』の二階はカウンターになっているというので、そこで寿司を食おうと入ったのだが、二階は今日は休みだそうで。回転寿司を仕方なく食う。ここ、皿によって値段を変えるのをやめて、全部100円均一(大トロなどは皿の形を変えて300円)にしたのだね。味はまあまあだが、夕食がこれではちと寂しい。そこである程度食べた後、『細雪』でレバー唐揚げ、ピータン、ビーフンなど。おばさんに“お久しぶりじゃないですか?”と言われた。いつの間にか覚えられていたのだね、とK子と驚く。