29日
日曜日
馬刺がさんさん、お早うさん
すいませーん、馬刺新聞とってください。毎日最新の馬刺関連ニュースが載ってんですよ。朝、8時起床。口や鼻がカラカラに乾いている。グレープフルーツジュース飲みながら朝食づくり。K子にはジャガイモの乾燥トマト炒め、私は青豆のスープに温泉卵。果物はオレンジ。母から電話、私の日記を読んで、体調不良は四十肩ではないか、という。なるほど、そうかもしれない。酢の物でも心がけて食ってみるか。それと、やはり今月に入ってからの寒さがあると思う。私のようにメスの山ほど入っている体は、すぐに血行が滞るのである。母はK子の元気に驚嘆している。配偶者が病 気がちでないというくらい、ありがたいことはない。
部屋の片付けをはじめる。今年の年賀状のデザインは仕事場の私と猫であるが、この写真のときの状況から3割以上ひどくなっている本の山を、一端崩して、また別のところに積み上げる。読まねばならない本でまだ未読のものが、それこそ山ほど出てくる。とりあえず猪口孝『地球政治の構想』(NTT出版)、カルステン・ラグヴァ『ミッキー・マウス ディズニーとドイツ』(現代思潮社)、なんと未読だったW・ライヒ『ファシズムの大衆心理』(せりか書房1992)などを、片付けた仕事机の 脇に積み上げて、来年一月の読書予定とする。
取り片付けていたら、このあいだ(23日)に送られていた封筒があったので開けてみると、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の情報誌である。もう、いつ原稿を書いたか忘れてしまったくらい以前に書いて出したのだが、やっと出たか。コラムをここには連載しているのだが、書いた内容もほとんど忘れていて、読んで“ほほう、なかなか面白い”と感心してしまったくらいだ。いや、なかなか自分の書いたものを第三者的に読み返してみる機会というのはないものなので、読んで自分で面白いと思ったからには、確かに面白いのであろう。それにしても出るまでの時間がかかりすぎである。添付されてきた手紙には“なお、原稿料は去る7月30日にお振り込みさせていただきます”と、時系列の混乱したタイムスリップSFみたようなことが書かれて いる。定型文に手を入れて、直しそこねたらしい。
昼は昨日寿司屋で貰ったいなり寿司、のはずが、あることをすっかり忘れて、何にしようか迷ったあげく、AIWのお歳暮の肉をたっぷり入れたヤキメシにする。秋に仕込んだニンニク醤油を使って味つけ。今回のは韓国風に甘ったるい味に仕込んだがなかなかいい感じである。もっとも、まだ漬け込んだ野菜類(ニンニク、ネギ、セロ リ)の味がバラバラ。渾然一体となるまでには一、二ケ月かかるだろう。
掃除続けて、4時頃にはなんとか、新年を迎えて恥ずかしくないくらいの片付き様にはなる。一般家庭であればまだ乱雑極まる様相であろうが。くたびれて、少し横になって休む。来年のことなどをいろいろ考える。予定で行くと、モノカキ人生の転換点となるような出版物が何点か出るはずである。転換点がそう何点もあっても困るかもしれんが。ネットで、コミケ・M−1関連の報告サイトなどを見る。現時点で、大したことにはなっていない模様。あと、“読んでますメール”。いろんな人が読んで くれているんだなあ、と感慨。
5時半に家を出て、新宿へ。タクシー、せっかく甲州街道がガラ空きなのに、代々木から高島屋の裏を通って大渋滞に巻き込まれる。明治通りがバカ混みなのだ。伊勢丹で明日の昼飯や飲料などを調達。買い物のあと、新大久保へ。金成さん、気楽院さん、やがもんさん、植木さん、K子などと待ち合わせて、ハンニバルへ。すでにコミケ帰りの開田さんたち怪獣の一巻き20人ばかしが始めていた。こっちは談之助夫妻にGさん、IPPANさん、黒さん、GHOSTさん、鈴之助さん等々という裏モノ常連。コミケ出陣式と一週遅れのクリスマスを兼ねての七面鳥を食らう会。開田さん たちは打ち上げだが。
例により同人誌のやりとり。こっちは『巨顔女』と『男ターザン本』。男ターザンを見て植木さん爆笑、あやさんはトホホホ、と頭を抱えて笑っていた。『巨顔女』のヤマト設定書パロディエロにGさん大笑い。あと、黒さんの耽美本、金成さんのヤンキー研究本。気楽院さんの『大宗教学』はもう二十号になるのか、と感慨あり。鈴之助さんの『みんなのうた』は拉致ソング一色、これがまた傑作揃いで、植木さんと気楽院さん喜んで合掌。他の客はナニゴトかと思ったろう。いや、まさにこの店、入れ替わり立ち替わりという感じで忙しいこと。Wカップの恩恵で、壁の色紙も、私らのがほとんど第一号だったが、今やカトリーヌあやこ、高嶋政伸など、メジャーなもの がずらり。
サラダ、チュニジアぎょうざ、クスクスと出て、いずれも美味、みんな“うまい、うまい”と平らげながら、ワイン(マシニッサはさすがに切れたのでマゴンや、取っ手つきボトルが可愛いシディ・サードというものなど)をどんどんあける。そして、お待ちかねの七面鳥、デカいのがデン、と。植木さんが取り分けてくれるのを早速もらって、足の部分の肉にかぶりつくが、うまい。ターキーなんてのは味気ないものだと思っていたが、ここのそれは味がしっかりと染み込んで、皿の底がひたひたと肉汁でいっぱいになるほどジューシーであり、しかも脂っこくなく、まことに美味きわまりない。骨を持ってむしゃぶりつく。向こうの席では開田さんが骨を立ち割って、中の髄まで啜っていた。ピラニアの群に襲われた如く、あっという間に骨になる。
ナツメヤシのブランデー、ムース、アロマオイル入りコーヒーまで味わって、では明日を期して、と店を出て、モンデールを囲んでみんなで記念撮影。別れてタクシーで帰宅。K子も今日はいなり寿司忘れて出かけてしまったそうで、結局もったいなくも手つかずとなる。