26日
金曜日
グェンバンチュー・バリバリ
・・・・・・ベガ星軍ベトナムを攻撃!(『グレンダイザー』知らない人には通じないなこのシャレ)。朝、5時半に起床。ゆうべは一日中首が痛くてまいった。痛くなって初めて認識したが、例えば寝返りをうつ、ふりむく、背筋をのばす、といった動作のとき、人間の体はまず胴が動いて、頭が一瞬遅れて、それにひっぱられるようについていくのだね。この引っ張られる際に首の筋がつって、それがひどく痛い。だから、体と頭が同時に動くように、寝返りをうつときも、両手で頭をおさえるようにしてうつ。階段をのぼるときも、つい頭が上を向いてしまい、そうすると痛いので、首が上を向かないように、後頭部を押さえるようにしてのぼる。車の中にいるときは振動で頭だけ揺れないように、頭の上下を両手で抱えるようにして固定する。何のことはない、『首提灯』である。はいごめんはいごめん。
朝食、例によりイチジクとヨーグルト。口を大きくあけても痛むので、おちょぼ口で食べる。情けない。痛み止めにイブをのむ。頭が多少ボーッとするが仕方ない。日記をアップして、一カ所訂正があったので書き直そうとしている最中、いきなり日記ファイルが全部消える、という事態が生じる。シャーロック2で探そうとするが、開いてみても検索ボタンがどこにもない。平塚くんに電話で指示をあおぐが、ラチがあかず、中野から出てきてくれた。“おかしいです、ここにボタンがなきゃいけないはずなんですが・・・・・・”と、平塚くんが、ボタンのあるべきところをクリックしたら、検索が開始された。どういうトラブルか、検索ボタンが表示されないでいたのだ。これは連休中に調べてもらうことにする。ファイル自体はそれですぐ見つかり、ことなきを得る。
それやこれやのトラブルのストレスで、体調思わしくなし。ノドも腫れはじめて、声がカスれる。やはり風邪による筋のこわばりのひどいのだと自己診断。それでも食欲はある。ただし口を大きく開けないので、御飯ものは避けて、チャーリーハウスで五目冷やし中華。今年はじめて冷やし中華を食べた。1時、ちくま書房Mくん、『トンデモ一行知識の世界』の見本刷りを持って来宅。表紙はなをきの版画。期せずして畑中純のパロディみたいになっていて面白い。編集部内でも出来の評判よく、これがどう書店で動くか注目しているそうである。失望はさせたくないものである。文庫版あとがき、読み返してみたが植木不等式さんの名解説に、なんとか拮抗している。やや安心。
帰宅、横になりたいがなると首が痛いので、腰掛けてそこらの雑本を読む。その中にあった逸話。ライオン首相浜口雄幸がピストルで腹を撃たれ、手術したとき、国民の注目は腸が麻酔から解け、正常に活動を再開した証拠の、最初の放屁があるかどうかだった。待つこと久しく、無事一発が放たれたとき、主治医は雄幸氏に“おへでとうございます”とシャレを言った。新聞の取材で“放屁があったとき、首相になんと声をかけましたか”という質問が出たときもそう答えたが、ダジャレの嫌いな記者によって“おめでとうございます、と申しました”と、アタリマエのつまらない返答に書き換えられてしまい、昭和史を飾るダジャレはかくして封印されてしまったということである。
講談社Yくんからメール。昨日の本の話、やはりまだ本決定とはいかず。なかなかスムーズにはいかないものだ。さてそろそろ仕事を始めねば、と海拓舎の原稿。書き貯めてあるメモ類はまだあるが、脳がボヤけているのにカツを入れようと、三本、一から書き出して完成させ、メール。5時半に、村崎百郎氏との対談で時間割。山崎拓不倫ばなしを中心に話が盛り上がる。聖水プレイがお気に入りだったそうで、スポーツ新聞にはデカデカと“変態疑惑”と書かれている。まだ秘書疑惑の方がいい。とはいえ、飲む方ではなく飲ませる方だったようだ。村崎さんウレシそうに、“こいつ、絶対カラサワさんの『トンデモ超変態系』、買ってるよ”と言う。ならばお得意さまではないか。まあ、自分のヌード写真を撮らせたり(これも普通の変態とは逆)、バカだとは思うが何となく憎めない。
あと村崎さん、“共産党が加藤紘一の官房長官時代の機密費の帳簿を持ち出したけど、商品券とかパーティ券とかの購入とか、家計簿みたいでミミっちくて情けない、と嘆く。“『ゴルゴ13依頼費』とかあればカッコいいのに”と。
対談終わって、11日のトークのざっとした打ち合わせなどすませ、7時45分。タクシーで新宿へと向い、三笠会館でK子と夕食。真鯛の唐揚げ、伊勢エビのパスタなど食べて、〆はかわいらしい大きさのウズラのロースト。こないだのフロマージュ騒動を思い出しながら、ここでも頼んでみる。向こうが選んで盛り合わせてきたのはレッドチェダー、カマンベール、カッテージ、ゴルゴンゾーラ。俗だけど、俗においしい。首は徐々に回復に向かう。