17日
土曜日
アイアコッカなり
大統領になるかも、という噂もあったな。朝、昨日と同じような夢を見て、ほとほとくたびれて目が覚めた。寒くて、体の一部がフトンから出たところが冷え、何度も寝返りを打ったせいだろうか。それでも晴天、極めて体調はよし。朝食、トマトスパゲッティ。K子にモヤシ炒めとチーズ。テレビはハワイ沖の事故と森総理のゴルフ会員権問題。宇和島水産高校と森総理辞職、まるで風が吹けば桶屋が儲かる的つながり で面白い。
今朝の一言『21世紀はスター・トレックの時代です』〜アイリーンさんのホームページより。アレは23世紀という設定だったと思うが……。ここらへんが彼女の可愛いところだろう。講談社Iくんよりメール、昨日の原稿OK。ネタがネタ(性病)だっただけに通ってホッとする。
K子に弁当、牛肉のシソ風味焼き。午前中の仕事は週刊アスキー。12時までに片付けてしまおうと思っていたのが、資料検索したものを読みふけってしまい、1時半までかかる。それでも、ネタにするのが難しい題材(養子縁組)で、かなり広く話題を引き回すことが出来たので満足、しておく。メール。昼飯に外へ出て、ソバ屋で天ざる。青山へ行き、紀ノ国屋で買い物。終わって、丹下健三設計の幽霊大学、ではない国連大学の方へブラブラ歩き、青空骨董市を冷やかす。見ていたら、中に、薬局などに飾ってある人体解剖模型の、かなり状態のいいものを発見。似たようなものは最近は東急ハンズなどにもあるが、やはり実物は出来が違う。半身もので、しかも値段が×万円と、このテのものとしては格安。
「これ、買う買う買う」
と、ヒゲの親父にイキオイ込んで言うと、
「うわあ、こないだ入れたばかりで、カンバン変わりにも少し置いておきたかったんだけどなあ」
と言う。売り物にネウチつけるために言っているんだろうとは思うが、店員の女の子も、“早かったですね〜”と驚いていたから本当なのかもしれない。ヒモをかけてもらって、大きいのを、しかもスーパーの買い物袋といっしょにエンヤコラと下げて家に帰る。帰りついたら下半身がワタみたいになった。
『モノマガ』ビートルズ特集届く。岡田斗司夫の日記読んで、ハハア、去年暮に私をハズして青木光恵ちゃんと話し合っていたのはコレか、と思う。このヒトはもう、実験が好きな人だからしゃあない。変に反応するとソンするから、放っておくことにする。
本日の歌。『透明の芯の芯』宗左近作詞。必要あって市川市をちょっと検索したらこんなのを発見した。市川市市制65周年を記念して99年11月の記念式典で歌われたものだそうである。“無垢の光を思わせるような宗さんの透明な詞と、三善さんの清冽な曲が沸りあい、ハーモニーして市川賛歌は歌い終わる”のだそうである。嗚呼、聞いてみたかった、と切に思う。それにしてもすさまじい歌詞である。“世界が垂直”である。“少女の乳首の尖き”である。ロリ防法以降取りしまられてやしないかと心配である。
http://www.jona.or.jp/~epic/gekkan/oct99/index.html
ちなみに、作詞家として(本業は詩人)の宗左近氏には、ファンが大分ついているらしく、彼の作詞した校歌を集めたサイトもいくつか出てきた。福島県立清陵情報高等学校の生徒諸君は、こういう校歌を歌えてまことにうらやましい。東京電機大学中学高等学校『風よ光よ』もカッコいい。若者よ、ライオン丸になれ。
6時、鶴岡来。対談本の構成についての打ち合わせである。風邪ひいているらしくやたら鼻をかむ。パブロンをのませてやる。エンターブレインのNくん、三○分遅れて来る。バスがメチャ込みだそうである。そう言えば週末か。七曜の感覚なくなっているなあ。内容と文字数のカネアイで、バリバリと不要部分を削る。缶コーヒーのブラックを二人に出したら、鶴岡が二本とも飲んでしまう。風邪薬の麻酔成分と、コーヒー二本分のカフェインが作用したか、この男途中からフニャフニャになり、わけがわからなくなってきた。“そうですね”と言えないで“しょーでしゅにぇー”などと言う。目がトロンとなっているのがはっきりわかるので、限界と思い、帰らせる。それでも毒舌は吐いて、“カフェインでもこれくらいになるのでしゅから、リタリンなんかのんではいけましぇんでしゅよ、ええ”などと言いながら帰る。
夕食の用意。ウナギとカボチャの蒸し物、カツオ刺身、麩炒め。ビデオで『銀座旋風児』。渡り鳥シリーズの純情素朴とは正反対の、洒落者に徹した主人公・二皆堂卓也を演じる小林旭のキザぶりが見物。モテてモテて、常にアイドル歌手なみに追っかけの女性ファンたちがついているヒーロー、というアイデアはスゴい(これでどうして悪者の追跡などできるのかがナゾ)。変装を多用したり、ラストで書き置きを残して去るところなど、多羅尾伴内がモデルだろうが、その書き置きの文句が“風ノ如ク又帰ヘリ来ル!”である。旧かな使いである。そういう時代(昭和34年封切)だっ たんだなあ。