7日
水曜日
脇からデジャブって出てくるな!
え、そのシャレこないだやらなかった? 朝7時起き。なにやら初老の男性たちのミステリ・クイズ同好会を舞台にした、ウェルメイドプレイ的夢を見る。もちろん、夢のことだから、起きてストーリィを反芻してみればウェルメイドどころじゃない、理屈の通らないもの。朝食、トマトスパゲティ。K子にはカリフラワ炒め。国会審議の模様がテレビで報じられている。KSD疑惑で、誰もつっこもうとしない問題のひとつに『ものつくり大学』という名称のダサさがある。誰が決めたのか。誰も何とも言わなかったのか。
午前中は雑用でツブレる。『一個人』用プロフィールの手直しなど。出版社諸氏への連絡。サンマーク出版、マンガの分量が多すぎるとコミックの棚にしか置かれず、営業的に弱いので、エッセイの棚にも置いてもらえるよう、文章部分を少し増やしてくれとのこと。やはり仕事量、増えるなあ。講談社Web現代、次回原稿の字句修正を少々。誤字のほとんどはワープロの誤変換である。昨日、ワープロは馬鹿が打っても字の間違いはない、と書いたが、この“ことえり”は、ホウフツと打つと“彷佛”などと出る(正しくは“彷彿”、より正式には“髣髴”)。彷佛などという単語はないぞ。どうしてわざわざ誤用するような、使用しない字の組み合わせがプログラミングされているのだ?
昼は銀行寄ったりする用事があるので、六本木へ行き、トツゲキラーメンにする。明治屋で買い物、本屋とかは寄らずすぐ帰宅。フィギュア王原稿書く。最初決めた図版用ブツと、どんどん内容がカケ離れていくので、ブツを変えることにする。結局、 11枚に5時までかかった。能率の悪いことである。
今日のロフトプラスワンのトークの材料となるビデオの整理。オタアミパティオで眠田さんと打ち合わせしたら、ハナ&バーベラ関係でかなり濃いものを揃えてくるらしいので、こっちはテックス・アヴェリー(エイヴリーという表記はどうも)関係、第二次大戦関連のものなどを揃える。ビデオの山の中からそういうものを掘り出すのが難事業だったが、記憶というのは大したもので、“だいたいこの辺にあったはず”というアヤフヤな記憶で、ほとんどのテープが掘りだせる。最中に海拓舎H社長から電話。例の小説の話、またもやスゴいところに売り込むつもりらしい。まあ、やるのは勝手だが、どうなっても知らんよ、わしゃ。
6時半、氷雨の降る中をロフトプラスワンへ。眠田さんはパワーパフ・ガールズの風船人形を一生懸命ふくらませていた(笑)。斎藤さん、バターカップの風船を見て“K子さんソックリ”と笑う。武闘派だもんな。3月のオタク世代バトルトークの話をする。なんか、あまり盛り上がらなさそうである。今度ロフトプラスワンの大阪支店ができるそうで、斎藤さんがそのお目付役で一年くらい大阪にいくことになりそうだということ。もし大阪でやるならこけら落としで連続公演してもいいよ、と言って おく。開田さん夫妻来。斎藤さんにお誕生祝いをあげていた。
会場、8分の入り。この雪の中では結構と言うべし(5時半から並んでいた人もいたらしい)。冒頭からハナ&バーベラとフィルメーションの区別、というような話になって、壇上の二人勝手に盛り上がる。懐かしくて、やっぱりつまらない『幽霊城のドボチョン一家』のビデオや、“ニュー・アドベンチャー・オブ”とついて007だろうが怪傑ゾロだろうがなんでもアニメにしてしまうフィルメーションの商売人性だのといった話。圧巻は、眠田さんコレクションの中から、谷啓が吹き替えたチャーリーブラウンの録音テープを、最近NHKBSで放映された映像にカブせて見せる、懐かしのリバイバル。やっぱりいいなあ。休み時間の前にアヴェリーの『レッド・ホット・ライディング・フッド』を上映。
休み時間にドリエセンの『ティップ・トップ』のビデオを流して楽屋に入ったら、なんと、なみきたかし(そのビデオの制作者)が訪ねてきた。前半を聞いていたそうだ。この前見たより頬などふっくらとして、若返った感じ。K子が、“あら〜、あの宮沢さん殺しの犯人、誰なんですか〜”と言ったら、“いやあ、それでいま、オレのところに警察が事情聞きに来ていてさあ〜”と、オカシそうに語る。
後半はトゥーンの原点を探る、という形で、『まんがの国のアリス』の話(上映したなどとは言ってはいけない)、黒人蔑視アニメ、戦時中の戦時公債宣伝アニメ、日本侮辱アニメ、スーパーマンのヨコハマ破壊工作アニメなどを連続して見せる。戦時中に(内容はともかく)こんなアニメを作っていた国と戦争しても、勝てんわなあ。ラストはアヴェリーの『トゥモロー・シリーズ』から『テレビ・オブ・トゥモロー』で〆る。オタアミのときはとにかく客を笑わせ、ウケさせて返すのが役目で気が抜けないが、今回はとにかく、こちらのアニメマニアぶりを披露すればよく、あえて悪口を言う必要もなく、近来にない、リラックスして話せたトークライブだった。11時15分に終了。
そのあと、眠田さん、うち夫婦、開田夫妻に啓乕くんで炙り屋。いろいろ雑談しながら練り梅サワー三杯。寿司、ポテトグラタン、トリッパ、公魚のフライ、うどん、などとわけのわからぬ注文して、かなり食ったと思ったがお値段一人2500円。ここは安いわ。帰宅。官能倶楽部のパティオのぞくと、談之助師匠に頼んだ『コンテンツ・ファンド』の私の代演、無事うまくいった模様。安心する。2時頃就寝。