裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

6日

日曜日

神、ともにナマステ

 インドのキリスト。朝7時半起き。朝食、ナスと鶏のマヨネーズ焼き。それにバナナ。風呂入り、日記のみ入れて、11時家を出る。新宿から品川乗り換え、横浜へ出て、タクシーでパシフィコ横浜。そう言えばせっかく横浜に来たのにシウマイを食ってなかったなと思い出し、弁当をキオスクで買う。

 会場の廊下のソファでシウマイ弁当を食い、在九州のと学会員平川氏と話す。彼の本をプロデュースしているのである。明日12時、中野のグリンアロー社で、ということにする。会場三階のホワイエという(ホワイエって何?)コーナーの早川書房のブースでサイン会。すでに私のファンならほとんど購入済みの『とても変なまんが』へのサイン会なので、そんなに人も来ず、書籍のAさんと雑談。それでも十五人くらいは来ていろいろ話する。若い女の子が多い(昨日の悪趣味の部屋にも来ていた)のが不思議ではある。自分で不思議がっていちゃいけないが。光文社の『少年探偵の逆襲』を催促された。大学で大衆文化史を卒論に選んだそうで、私の本に影響受けてのことらしい。山中峯太郎の著書のことなどで盛り上がる。

 今回のSF大会で私のやったことは結局、落語に悪趣味、トンデモに人形アニメという、SFとはお世辞にも言えない分野。例年は人形アニメのかわりにオタアミが入るという、これまたSF傍流の分野。中学一年のころSFにはまり、図書委員だった特権を乱用して図書館にSFを入れようと画策していたころはもちろん、ハインラインのアシモフのというSFのド本流をいってはいたが、それだって、SFというもの が当時、文学の本流からはずれた傍流だったからである。末端に立たねば面白いもの は見られぬという私の本能みたいな嗅覚が、常に端の方へ端の方へと私を引っ張っていくのである。

 午前中の企画終えた鶴岡たち一派と合流、雑談。鶴岡、早稲田の講義からからこっちのライブ連続で体が極端に疲労している分、精神はやたらハイになっている。私も二日連続でのトバし過ぎで体が言うことを聞かない。映画秘宝の部屋とか行きたかったのだが、失礼して、最後に久美沙織さんの創作講座の部屋をちょっとだけのぞき、休み時間に挨拶、ロフトのことをちょっと打ち合わせして、帰る。サイン会のとき、ファンからもらった熊本の地酒などあるので、手さげ袋を入手しようとしてあちこち回り苦労する。結局、受付のところでパンフ類用の紙袋を分けてもらった。

 2001年のSF大会は東京という風に聞いていた(『2001年府中の旅』というシャレのために府中で開催、という話もあったが)のだが、どうも千葉の幕張メッセでの開催らしい。千葉での開催で名称が「TOCON10」などになったら、東京ディズニーランド、東京国際空港と並んで千葉三大東京になる、などと鶴岡と笑う。ヒサシを貸して、ならぬ“オモヤを貸してヒサシを取られた”状態。その翌年は島根の玉造温泉だそうで、昨日はやばやとゲスト参加依頼を受けたが、K子が喜んで参加表明した。やはりSF大会は遠出して日常から隔離されたハレの気分にならないとツマラナイ。

 新宿で降り、青山に立ち寄る。買い物。タクシーで帰宅するが、携帯電話が紛失していることに気がつく。横浜からの東海道線特急の中で落としたか。いつもは携帯は胸ポケットの中に入れておくのだが、今回SF大会で来ていたプレイボーイ柄のシャツは胸ポケットがなく、サイフなどと一緒にズボンのポケットに押し込んでおいたのがよくなかった。

 バテてしばらく寝っころがり、読書。手近にあった明治屋の小冊子『嗜好』の雑穀特集号など読んで、ヒエだのアワだのキビだのについて無駄にくわしくなる。8時ころから夕食の準備。茹で鶏、キクラゲとカニの炒めもの、リンゴとカマンベールのサラダ、鯛ソウメン。LDでマグマ大使。青血病のエピソード。ガム役の子がこのエピソードでは二宮秀樹でないんだったな。管制官の役で若き日の飯塚昭三氏。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa