裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

日曜日

デカプリオ一号

 朝、またまた長谷川町子のマンガの夢を見る。今度はちゃんとストーリィがある。長谷川町子という人はサザエさんでだいぶ誤解を受けているが、ほのぼのギャグの人ではなく(だいたいサザエさんだってほのぼのじゃないのだが)、意地クソの悪い人物、人格に問題のあるちょっとイヤミな人物を描かせると最高の人だった。そういう傾向の作品で、いや、実に面白い夢だった。ひょっとして何か作品にそのアイデアを活かせるかも、と思うので内容は書かない。

 8時起床、朝食、岩魚スモーク、ライチ。昨日書き上げたスカイパーフェクト宣伝原稿メール。日記書き上げるころから、何か腹具合がおかしくなりはじめ、シクシクしてくる。トイレに行くと、ジャバジャバという水様便。岩魚にあたったか、それとも昨日のイタめしか、あるいはゆうべ来の冷えで風邪がお腹に入ったか。なんにせよ明日の神戸行きを控えて困ったものだと、急いで胃の薬などのみ、床に伏せる。今日は仕事や映画など、いろいろ予定立てていたのだがやむなし。

 3時ころまで臥床。ひょっとして、これは骨折を別にすれば今年最大の重病だったかもしれぬ。腹が減ったので起き出してタラコで飯を食う。食欲はあるが、便はあい変わらずジャバジャバ。

 夕方近く、やっと回復。起き出して仕事にかかり、SFマガジン11枚。資料いろいろ机辺に散らばし、楽しく書けた。メール。

 それから、その原稿の図版用のブツを買いに行く。前回がビデオだったから、今回は目先を変えたものにしなければ、と思い、ランボーとベルレーヌのことに原稿ちゅうでちょっと触れているので、映画『太陽と月にそむいて』でレオナルド・ディカプリオがランボーを演じているのにひっかけ、電動バイブ『デカプリオ一号』の写真を載せようと思いつき(こういうバカ商品があるということは神田森莉のHPで知った)、センター街のアダルトショップに出かける。マジメな読者が多いSFマガジンでは引かれるかもしれないが、文章がちょっとカタいものになったので、アクセントにしようと思ったのである。

 いつもそういう商品を探す店に行くが休み。困ったな、と思っていたら、そのすぐ近くに新規開店のアダルトグッズショップがあり、そこに入ってみたら果然、ガラスケースの中に『デカプリオ一号』が鎮座ましましていた。さっそく購入。店員が“モーター稼働テストを”というので、いらんいらん、と断る。実用に供するわけじゃない。前にも書いたが渋谷に住まいしている余慶を感じるのはこういうときで、他の街ではなかなかこういうモノが欲しいと思ってスグ、それが手に入るものではない。

 K子と待合せ、『九州』。腹具合が腹具合なので、馬刺し、ニガウリ炒め、もつ鍋の三品のみ。ニガウリにはほとんど手をつけず、もつ鍋も最後のチャンポンは食べなかった。こんなことは初めてである。

 帰って就寝前に薬いろいろ服用して寝る。なんとか、夜中にトイレに起きることもなく、安らかに寝られた。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa