裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

2日

木曜日

大変なお仕事

 朝食、キノコのスープ一杯。ワイドショーのお受験殺人報道、どんどん被害者の家族が悪党になっていくのが面白い。

 原稿書き、年末進行分サクサクあげる。ゆうべはナンプレ、今朝は日経ドラッグ。それに週アスのブツ渡し(前倒し)と、学研の絵の資料に似顔絵まで描く。

 11時、井上デザイン平塚くん。K子にここのHP管理のレクチャー(12月分の日記ワク作り)。その最中にまたまた鶴岡から電話。仕事からの逃避で電話してくるらしい。こっちも逃避でいろいろ話す。某漫画家が、“ねこぢるが死んで内田春菊が失速して、これでガロ関係漫画家での稼ぎ頭が蛭子能収になるのが腹立たしい”と話していた、などという情報に大笑い。途中で別件電話。来週アタマ、青林工藝舎と打ち合わせ。プロデュースする本の件。

 昼飯は茶漬けですます。F書房原稿、書いては消し書いては消し。3時、モノマガジン打ち合わせ。2000年特集かと思ったら2010年特集だとか。4ページまかされての企画内容、一瞬で頭に浮かんでページ割付けまでこうこう、と指示。感謝される。年末進行状態で神経がハイになっていたのがさいわいしたらしい。他の記事が取材原稿だったりインタビューだったりするので、徹底してアホらしいギャグで行こうと思う。

 打ち合わせ後、タワーレコードで本、ビデオ、CD類買い込む。帰りに銀行で預金確認。某編プロからちょっと多額の入金。ここ、今年夏に金づまりで、金だけを目的につまらん仕事だったが我慢して引き受けたところが、そのあたりから皮肉にも金が入りはじめ、忙しくなったこともあり、また向こうも勝手にコンセプト立ててこちらの都合などを考えず追加々々で注文だしたり、いろいろ行き違いがあった末にトド、ケンカして放り出したものである(結局別のライターに再依頼して本は出た)。書き上げた分だけの原稿はタダでくれてやるつもりだったが、律儀にも原稿料振り込んできたらしい。少々ザンキの念。

 肩が張るのでそのまま新宿へ出て、マッサージしてもらう。受け付けの女の子が、
「このあいだテレビで拝見しました。お仕事、大変ですね」
 などという。テレビに出るなどナンにも大変ではない。モノカキとしてテレビに出られるまでの仕事をするのが大変なのだが、世間はテレビに出ることをしてお仕事、と思い込む。もちろん、こちらも大変そうな顔をしてイヤイヤ、と愛想笑いをする。

 そのあと買い物をして帰宅、9時夕食。和風焼肉、チンジャオフースー、冷麺風ソウメン。LDで例によって『おにいさまへ・・・・・・』。K子完全に悪役の三咲綾にハマり、“そこだ、がんばれ! もっといじめろ!”などと叫ぶ(笑)。あと、大友柳太朗の『ご存じ快傑黒頭巾・マグナの瞳』。オランダの兵器商人バン・バーレ(薄田研二)に向い、神田隆の奉行が“ミストル・バーレ”と呼びかける。矢追純一(『ナチスがUFOを造っていた』の中で“ミステル・ヤオイ”という呼び方をされる)の元ネタか? それにしても、バンで切っちゃいけねえだろう。ズブロッカ三バイ。

・今日のお料理「チンジャオフースー」
 要するにチンジャオロースーの肉を生麸に変えたもの。生麸を小さく切り(濡れた刃物で切ると切りやすい)、ゴマ油をまぶしてくっつかないようにしておく。赤ピーマンと長葱を食べやすい大きさに切る。多めの油でざっとそれぞれに火を通しておくのが本格派だが、ナニそんなめんどくさいことはしなくてもよろしい。鍋にゴマ油をしき、長葱を最初に炒めて香りをつけ、麸、ピーマン、カシューナッツを投入。軽く炒めた上にタレ(酒、オイスターソース、XO醤、ハチミツを適当に混ぜたもの。ハチミツはもちろん、砂糖で代用可)をジャッとかけ、さらにひと炒めする。油が回りにかなりハネるので、深めの中華鍋を用いること。生麸がモチのような食感で、おいしいよ。

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