裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

土曜日

ウルテと赤福

 昨夜開田さん安達さんたちを見送って家に帰り、一休みのはずが結局、朝まで寝てしまい、あわてて起きて『メンズプライスマガジン』11枚。資料ナシでシャキシャキ書く。それから、G社文庫本のあとがきと収録作品解説にかかる。これもギリギリのスケジュール。この山を何とか乗り切れば今年は安泰なんだけどねえ。
 昼はマンション下のソバ屋でまずい親子丼。帰ってひたすら解説続き。3時半までかかるが、それでもやっと半分までしか完成せず。とりあえず出来た分だけ送って、あとは月曜ということにし、荷造りする。
 タクシーで羽田空港まで。時間をギリギリに見て出たのだが、高速道路、昨日の過酸化水素トレーラー爆発の後を見物しようという野次馬連中で見物渋滞だという。下を通っていったのでは完璧に予定の飛行機に間に合わない。迎えの人達に携帯で連絡しようとして、あちらでの連絡先とかをメモしたものをすべて忘れてきたことに気がつき、一瞬目の前が暗くなったが、運転手、道の様子を眺め、“やや緩和されたみたいですから、いっちょうバクチで乗っちゃいましょう”と高樹町から高速上がる。赤坂過ぎたあたりでやっと走れるようになり、なんとか出発時刻に間に合った。後から知ったことだが、飛行機も到着後れで出発が後れていたので余裕で間に合った。とはいえ、車中、ちょっとスリリングな精神状態であったですよ。
 7時過ぎ、福岡着。出迎えのAIQ(オタクアミーゴスIN九州)の獅子児さん、エロの冒険者さんと共に博多駅前のホテルにチェックイン。先に到着の眠田直、オタキングの柳瀬くん、などと落ち合って、企画協力の福家書店さんに挨拶。打ち合わせ兼ねた歓迎飲み会で天神のホルモン屋へ。ここは牛馬の珍しい部位をいろいろ食わせてくれる店だそうで、珍味盛りたくさん。コリコリ(牛の血管)、ウルテ(気管)、赤福(馬の肺)、フタエゴ(馬の胸肉の刺身)、馬タン刺しなど。赤福は、その名の通り真っ赤な(紅殻というか)色で、スポンジのようにふわふわしており、焼いて食うと食感といい風味といいシイタケそっくりになるという、文字通りの珍味。他に博多とくれば、という酢もつ、辛いチゲ鍋など。大満足。
 今回、急いで荷造りしたのがたたって、リクエストされ、あれだけ期待されていた『ファイティングマン』のビデオを入れ忘れる。あちゃあ、という感じ。申し訳ない気持ちになるが、まあ、ダイエーホークス優勝も26年も待ったことだし(笑)。来年まで待ってもらおう。
 夜はホテルで眠田さんといろいろ話し、2時近くまで。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa