29日
金曜日
回線切れ
朝から仕事々々、でなければいけないはずなのだが、すでにこっちの処理能力の臨界をはるかに越えてしまっていて、回線がシャットアウトされてしまったらしい。脳がピクとも動かぬ(まあ、脳がピクピク動いたらキミが悪いが)。
図版渡しの用件が二つもある。図版を渡すくらいすぐ出来そうなものと思うだろうが、渡しの仕事部屋には本とレコード、ビデオとその他変なモノが山をなして積み上げられており、この中から目的のものを掘り出すにはアラスカで金鉱を発掘するくらいの山カンと体力を必要とする。考えただけでユーウツになり、体が動かない。
午前中にG書房が図版を取りにくる。これは比較的スンナリと探し出せて、手渡しすることが出来た。その後でE社の図版4点、これも簡単とタカをくくっていたら、まるで見つからない。探しながらヒステリーを起こす。やっと見つけてバイク便を出せたのは夕方6時過ぎだった。疲れた々々。
昼はトンカツランチ。いらだつ気を落ち着けようと、早川文庫『つかぬことをうかがいますが・・・・・・』の中の、水玉蛍之丞のイラストの中の質問の答を考えたりする。“カレーライスの中のタマネギ(縦切り)とハヤシライスの中のタマネギ(横切り)の切り方の違いはなぜあるのか?”
というのがあったが、カレーライスは長いこと煮込むのに対し、ハヤシライスは基本的な作り方ではそう煮込まない。カレーを作るとき最初に投入するタマネギは横切りにしたものを原型がなくなるまで炒め煮しており、タマネギと認識出来るものは、具としてニンジンや肉と一緒に後から投入したもの。だから、型くずれしにくいように縦切りにする。
一方、ハヤシライスの方は薄切りの牛肉とタマネギから、手早く旨みを汁の中に溶け込ませる必要があり、ダシが溶けだしやすい横切りにして入れる。そんなに煮込まないので、まだ横切りの形が残っている・・・・・・。てなところでどうだろう?
3時、テレビ朝日『サンデージャングル』インタビュー。横山光輝マンガ家生活四十五周年記念特集のコメント。打ち合わせのとき、ディレクターの手元のノートをのぞいたら、“いしかわじゅん”“夏目房之介”などという名前に線が引いてあった。 エンタテイメントのアルチザンとしての横山光輝の魅力をタドタドしく語る。
電話ひっきりなしだが、ほとんど無視する。道新ゲラなおしなど。9時、西武デパート前に行く。これから国際ファンタの『地獄』の上映を観にいく開田夫妻、安達OBさんたちとメシ。金曜の渋谷でむちゃくちゃな混みよう。マットウなところをすべて満席なので、井の頭線ガード下の、大衆酒場みたいな作りだが、腸詰めがおすすめの中国居酒屋へ。ここ。“東京一腸詰”というカンバンが表に五つくらいかかっており、長いことそれが店名だと思っていたが、よく見ると小さく『細雪』という、まったく似合わぬ名前が描いてある。腸詰、爆肉(炒め肉)、タン刺し、ピータンなど。 11時に、映画観にいく彼らを送って、帰る。本当は私ら夫婦も行くはずだったのだが、明日の九州行きとこの仕事では、まず無理。明日夕方の出発までに、どれだけ片付くか?
HPの調子が悪い。週明けに井上デザインに問い合わせなきゃ。