裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

22日

金曜日

ストレス肩

 朝、薬局新聞一本、それから『創』一本。『創』は内容を濃くしすぎて、いったん書き上げてからの推敲にめちゃくちゃ時間がかかってしまった。
 苦吟ちゅうに、電話頻繁、FAX陸続。単行本デザインのことなどにコマカくこちらの判断求めてくる編集者がいると、こういうときは“そのくらいのこた、自分で決めろーっ!”と言いたくなる。本来、ありがたいと思わなくてはいけないんだけど。 昼は家で、おとといの煮物の残り、それといきつけの居酒屋でもらったカラシメンタイコで。カセットテープで神田伯龍『妲妃のお百』など聞く。
 原稿依頼いくつか。白夜書房『イマージュクラブ』からやおいコラム一本。角川書店『メンズウォーカー』からマンガアンケート一本。どちらも軽いもので気楽に書けるだろうと引き受けたが、〆切がやたらタイト。『創』書き上げて、書き下ろし原稿にかかったところで肩に岩がドーンと乗っかったような感じになり、首が回らなくなる。これはいかん、と新宿のマッサージパーラーに行き、一時間揉んでもらった。マッサージ師のおにいちゃんが背中をさわって“うわっ、パンパンになってますね”と驚く。目からくるストレス肩だとか。
 終わって、K子と渋谷で待ち合わせ。K子が着付け教室の先生に教えてもらったという和食屋へ行ったが、金曜日で行列が出来ている。仕方なく近くの“薬膳居酒屋”なるところに入ったが、薬膳どころかただの安飲み屋で、カニカマボコなどが出てくる。呆れてそこを出て、NHK前のソバ屋で口直しをするが、そこも大繁盛、注文の品が品切れだったり。金曜日はイカンですな。
 帰ったら『SPA!』から電話インタビュー。酔っ払っていたのでかなり大言壮語する。聞いてる方は面白かったろうが、論旨はメチャクチャ。
 ベッドで昭和30年代の『奇談クラブ』読む。この時代、これだけアブノーマル趣味の人々に向けて丁寧に作られていた雑誌は他にあるまいが、読者欄を読むと、マニア読者どもの注文のゼイタクなことゼイタクなこと。“このような汚い記事を載せるのはやめてください。そういうのを喜ぶ読者は少数派だと思います”などと、自分の趣味にしてからが少数派(こういう雑誌で取り上げられるようなものなんだから)だということを忘れてしまっている。貴重な情報源なんだから、多少の不満は我慢していよう、とは決して考えないところがマニア。インターネットの個人HPなどで他人の作品批評しているようなヤカラの文章に激似。あ、オレもそうか(笑)。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa