裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

16日

土曜日

来年のことを言うとWinnyが笑う

控訴は一応、年を越してから……。

※『創』ゲラチェック、古書即売会、ヘアカット、トーク@『ポレポレ東中野』

朝8時起床。入浴。朝食9時、リンゴ、ミカン、卵入り味噌汁。能登のこうでんさんから到来のかぶら寿司を母と分ける。東京もその真ん真ん中、新宿で首なし死体発見という猟奇的ニュース。しかも場所が西新宿7丁目、ってことは小滝橋通り周辺か。うん、あそこならありそう、と納得してしまうのがなんとも、な場所である。こういう事件をきっかけに、清浄化運動が起こるかもしれない。でも、そういうことが起きそうな場所というやつは絶対に都会には必要だと思う。そんなことが起こって不思議じゃない場所でしか心が休まらない人々というのも、確実にある一定以上のパーセンテージで存在するのだ。

『創』の岡田さんとの対談、アガってきたので急いでチェック入れて返送。日記つけ、雑用。明後日の収録用にヘアカットしようと思い、『エド・エド』に予約。2時、出て地下鉄で赤坂見附、乗り換えて神保町。古書会館の即売会に久しぶりに。今日は新興古書会で、和本中心で私の守備範囲ではないのだが年内で行ける古書展がたぶんこれで最後なので。いろいろと随筆本などを買う(2500円)、そこから出て、通りで例のカリ塩懇話会の上のSで、またいろいろと買う(4200円)。そこらで腹ごしらえと思い、いもやに入ってえび天丼(750円)。カップル率、女性連れ率多し。女性向けの雑誌で天丼ブームでも起きているか?

半蔵門線で渋谷に行き、東急でチーズケーキ買って(2100円)、代官山までタクシー(660円)。エド・エドのS原センセイ、久しぶり。チーズケーキ進呈。長く延びた髪も案外似あっているというので、毛先を揃えるくらいにしてもらう(6300円)、出て事務所までタクシー、支払いの際運転手がミスしたのでカードで支払う。

事務所でトンデモ本大賞のことなどでMLに書き込み、オノにも連絡。オノはどうやらノロではなかったようで、一安心。河崎監督から電話で、明日、撮影現場陣中見舞いの際に、ワンシーンカメオ出演してよ、ということ。

そこから新宿までタクシー(1540円)、買い物しようとしたが目的のものなし。東中野までタクシー(1140円)、ポレポレ東中野でトーク。少し早くついたので、楽屋で担当のKさんと話す。岩井志摩子、立川談之助に続いて私が三人目。来年6日の竹熊健太郎はやはり中止になったそうで、先日、虫プロのYさんから、
「代わりにソルボンヌK子さんにお願いできないか」
と連絡があったそう。オノが驚いて、
「ダンナであるところの唐沢俊一にたずねてみましたところ、K子先生はホモアニメ以外には興味がないそうで」
と書き送ったら、
「そしてソルボンヌK子さん、唐沢さんのお嫁様だったとは初めて知りました!」
と返事があったとか。ええっ、じゃあどうしてソルボンヌにオファーかけようと思ったのか? と驚いた。いきなり文頭が“そして”なのにも驚いたが。

映画関係の雑談。映画の制作につき、私の意見とポレポレの支配人がまったく同じ意見を言っている、とKさん喜ぶ。で、20人くらいの観客に向けてトーク、言いたいことは先日のロフトでほとんど言ってしまったので、
「はっきり言えば『ベラドンナ』はもっと今の、感覚が尖端を言っているアート志向の人に向けて発信すべき作品で、それには“手塚治虫”の名が邪魔をしているかもしれない。しかし、この作品、手塚色はない、山本瑛一と杉井ギサブローの作品であるとはいえ、こういう作風も確実に手塚治虫の中にある、裏手塚、黒手塚なのである」
ということを語る。15分しかないのでちょっと知り切れトンボだったが、“もっと人を連れてきましょう”と最後に言ったのでKさんに感謝された。

ギャラが出たので驚く。あの程度の客数でこれだけ貰うのは申し訳なし。客席に来ていたアスペクトのKくん、jyamaさん、rikiさんなどと、昔、東中野に住んでいたとき行ったちゃんこ屋『北の富士』に入る。昔のままだった。店員にちょっとジャニ系が多いのに驚いたが。

新刊の話、釣りの話、翻訳家というのは原本がトンデモであってもそれに引きずられちゃうという話、態度が横暴なヤツほど気が小さいという話、最近の文化人のスケールの小ささの話などいろいろ。ゴマをすり鉢で擂って鍋の汁で割り、つけ汁にする方式をrikiさん気にいったよう。あと、私は銀ダラの唐揚げが気に入った。銀ダラは好物なのである。生ビール、水割り、焼酎ちょっと。タクシー乗りあいで。飲み代とタクシー代はギャラでまかなえたので記載せず。12時帰宅、すぐ就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa