裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

日曜日

ハッテン場レインレイン

九月のホモは冷たくて〜。

※と学会例会、打ち合わせいくつか

9時起床。入浴、洗顔。晴れてよかった。朝食、9時半。ブロッコリスープ、王林、イチゴ。11時、出宅。地下鉄で新宿まで行き、買い物ちょっとしてタクシーで早稲田。と学会の例会はいつも他の、ちょっとユニークな学術会議と一緒になることが多いが、今日は仏教系のところと。

植木さんがこのあいだから仕切り。マイクつけから時間配分から、いろいろ立ち働いていて忙しそうである。他にも文人知識人たちが趣味で作ったいろいろな会がマスコミで話題になるが(荒俣さんの路上観察学会とか杉浦日向子さんのソ連とか)、10数年にわたって活動を休み無く続け、例会をやり続け、出版物を出し続け、大賞授賞式を大規模に行い続け、かつ最近はカルチャー教室や映画会などと活動を多岐化させているという会はちょっと他に例を見ないのではないか、と(客観的に見ても)思う。この秘密は、主要会員たちの多くが、この植木さんのような“仕切り”名人、というところにあるだろう。職業がら、学会や勉強会の立ち上げ、運営に経験のある人、コミケ、オタクイベントなどの企画開催経験のある人、事務、連絡手続、予算調整等の専門家などなど、そういう運営方面での人材が揃っていたことが非常に幸いした。

定時、発表開始。私は書庫整理のなかで出てきた本、数冊。まあまあ、ウケた。武内桂舟のイラストを紹介したが、池田桃子さんの家にはこの本が曾おじいさんの形見であるそうである。あと、原田実さんが、私の『裏モノ日記』に出てくる氏の記述と、東日流外三郡誌本に出てくる氏の記述とがつながっている(私の本に、インバネスを着てこれから取材に出かける氏を見送る記述があり、東日流外本の方に、
同じスタイルで取材先にいる氏が描かれている)というのを発表して、ちょっと笑った。明木先生の、中国のヌード写真集というのも笑える。

文サバの塾生だった近衛さんもゲスト参加。これも祖父の書庫にあったとかいう酒井勝軍の本などを。面白かったのは、ある発表でカン違い系の職業案内本があり、そこに
「出版がしたいなら同人誌なら作るのも売るのも簡単」
みたいな記述があり、そこが朗読されると、会場のほぼ全員が
「えーっ」
「そんなことない」
「同人誌売り切るのがどんなに大変か」
「在庫のことを指摘しろ」
「わかっていない」
などと叫び出し、騒然。この(コミケ前)時期なるかな。
「藻前ら、まあ餅つけ」
という感じ。

弁当は途次、コンビニで買った明太高菜弁当と、恒例のハム&バゲット販売を購入して。今日は未完成原稿もあるし、本会だけで二次会はパスしようかと思っていたのだが、来年の大賞の打ち合わせと、仕事の話二つほどあるようなので、結局出席することに。某新聞K氏と第一の仕事、休息時間に打ち合わせ。来年春から、月二回、社に足を運ぶことに。

会終わり、出る。隣の仏教研究会の人たちからそこはかとない白眼視の視線を感じつつ、会場を出たところで携帯に電話、なんと仙台『一乃谷』。お歳暮に鯨と牡蛎を送ります、とのこと。開田さんのところにまとめて送るという。ちょうど開田さんと並んで歩いていたので電話に出す。そしたらダブル西手新九郎で、いま、店に私のファンが来ているとのこと。電話に出る。『幽』のファンであるらしい。

今日は珍しいことに発表サクサク進み、会場使用時間内で発表全部終了。そこから秋葉原万世ビル地下『呉越同舟』の二次会まで乗合で乗ったタクシーもスムーズ、開始30分前に着いてしまう。じゃあ、開始までに大賞打ち合わせを、と思うが実行番長のIPPANさんが
とらのあなに同人誌を買いに行ってしまったので、仕方なく雑談。しら〜さんから、ちょっと仕事関係でツナギのお話が。

乾杯だけ先にして、戻ってきたIPPANさんと植木さん、しら〜さんなどと、大賞企画の打ち合わせ。司会は今年はひえだオンまゆらさんにお願いすることを私が提案、植木さんからはもうひとりは瀧川鯉朝さんはどうかと。じゃ、この二人なら、白雪姫の女王と、七人の小人のコスプレですかねえ、とひどいことを。
「白雪姫は声ちゃんですね」
「じゃああとは毒リンゴと鏡のコスプレだ」
「毒リンゴのコスプレなんてあるんですか」
「山本モナはスイカのコスプレしたっていうし」
などと。

ゲストは杉&鉄で、ここの司会は私が。さらに、本発表前の企画、今年はというので、開田夫妻に夫婦漫才で『オタク旅』発表をやってもらおう、と提案。しかし、こういうアイデアだけはポンポンと出る男だなと自分でも思う。虎の縞は洗っても落ちない、か。

結局、バイキング開始が全員揃ってから40分後となる。スタートの掛け声を、と本郷さんに言われて、
「立て飢えたる者よ……用意、スタート!」
とやる。メンチカツサンドが定番人気だが、今回はローストビーフが美味かった。

志水さん、皆神さんに例の企画の話して、協力をお願い。皆神さんからは心強い言葉もいただく。これで後顧の憂いもなくなった。急に気が楽になり、最初は二次会もパスかと思っていたのが、三次会のチャイナハウスにまでつきあってしまった。五粮液クイとやりつつ、ワイワイ話す。タクシーで開田夫妻と相乗り帰宅。“あの”ことグチりつつ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa