裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

月曜日

中野マンディアルグ

シュールレアリズムの本専門の古書店(マニアックネタ)。

※気圧乱調、体調悪し。

7時15分起床。入浴、歯磨等如例(例ノ如シ、と読む)。9時朝食、ブロッコリスープ、王林、イチゴ。服薬。さすがに二日続きの肉体&頭脳酷使で、ややバテる。オールナイトのあと飲んだときは橋沢さんに
「しかしタフですねえ」
と言われたものだが、トシはトシ。

K子に連絡、同人誌の印刷費用の金を振り込むよう指示。印刷費が高い。足もとを見られている気がするが、この時期は仕方ない。オタクが印刷所に搾取されているのか、印刷所がオタクに寄生しているのか。

たまった日記をつけ、資料本を読む。アメリカで議会でのイスラム教徒の議員が聖書で宣誓儀式を行うのを拒否、というニュース。あれ、イスラム教徒は聖書を否定はしていないはずだぞ
「神は汝にこの啓典(コーラン)を真実をもって下したもうた。それに先立ちかつて神は律法(モーゼの)と福音書(キリストの)を下したもうた」
と、コーランにもあったではないか、……と思って検索したら、どうもこのキース・エリソンは聖書を否定するブラック・ムスリム(ネーション・オブ・ムスリム)との関係を取り沙汰されている人物であるらしい。

ウィキペディアによれば、ブラック・ムスリムの教義は
「コーカソイドは悪魔によって創造されたのだと説き、黒人のみが神によって創造された真性な人間であると考える。非黒人は人ではなく、悪魔であると言われる」
だそうであり(凄い。ある意味カッコいい)、そういう教義の人間にその教義の啓典で宣誓させれば、そりゃ問題にもなるわ、という感じ(エリソン氏が現在もブラック・ムスリムかどうかは未確認だが……)。どうも日本ではこのニュースをもってアメリカの非寛容性を喧伝する人間が多いようだが、ここらへんを確認してからでないと、ちょっと軽々には判断できないなあ、という感じ。

昨日電話のあった『一乃谷』からのお歳暮、開田さんが自転車でわざわざ届けてくれた。鯨赤身肉二本とハリハリ鍋用のスープ、それからフグのひれ、そして生ガキ大袋詰め。牡蛎は母に預けて、何か調理してもらうことにする。

事務所に出る。K子からの振り込み、遅れているようで、あぁルナ本の印刷費はオノに立て替えてもらう。ちょっと上司として情けないが、当社(東文研)ではお金は一切、K子の管理下にあって私はどうすることも出来ぬ。

別形式で再刊する予定の本について、元本を出した某出版社に電話。すでにつきあいが切れ、担当がいなかったこともあって、ちょっとラチあかず。

こないだ書庫整理で出てきた本、買ったこと忘れてまたネットで注文してしまっていたが、今朝、在庫管理ミスで既に品切れだった、とお詫びのメール。よかった、二度買いにならなかった。

某人よりメール、昨日あたり、ちょっと疑心暗鬼になっていたことを雲散させるような内容で、ホッと一安心。しかし気圧乱れているのか、原稿なかなか書けず。雨、もポツポツきているよう。8時に帰宅、時代劇ビデオなどかけっぱなしにしてネット。鯨の赤身を細切れにして、一乃谷特製の白濁したスープで簡易ハリハリ。油揚、白まいたけ、春菊で。スープ濃厚、鯨肉ねっとりコックリ、ンまいンまいと、酒をかなり過ごしてしまった。

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