裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

土曜日

指でバイブでブー。

シンデレラは王子さまのテクでさんざいかされてしまいました。朝7時起床。もっと眠いかと思ったら眠くもない。連休初日というやつだが、自由業の身としてはさほどの心はずむ感覚もなし。自由業はサラリーマンを籠の鳥とさげすむが、逆に篭から出された解放感を味わうことは出来ないのである。

今日は最後の“みどりの日”、来年からは昭和の日、と思っていたらみどりの日は5月4日(現在は単なる“国民の祝日”)に移るらしい。ややこしい。今日も昭和天皇誕生日、でいいではないか。とはいえ神経質だった子供時代、
「このまま代々天皇が変わるたび、その誕生日が全部祝日になったら、そのうち働く日が無くなってしまう」
と、本気で心配していた。そんな子だった。

9時朝食、トマトジュース、ホワイトアスパラのスープ、オレンジとイチゴ。自室に戻り日記つけ、ネットいくつか回る。気圧不安定で、神保町でも回ろうと思うがヨシと腰をあげる気力なし。

日記つけ、過去日記をアップしてもらうべく整理してマドに送る。パイデザの旅行中の代理である。そんな大事なのか大事でないのかよくわからぬ作業しつつ、昼はスパゲッティを作って食べる。ゴッドファーザーコルレオーネ家風。と言っても、よく作るカリオストロ公国風スパゲッティとほぼ同じ。カリオストロ風は肉団子だけ、ゴッドファーザー風は肉団子とソーセージを具にする。オリーブ油でにんにくを炒め、そこにワインとコンソメを注ぎ、刻んだホールトマト、トマトペーストを加える。塩コショウ、バジル、砂糖、隠し味に醤油少々(ここらへん和風)。肉団子とソーセージの刻んだものを加えて煮る。パスタを茹でてソースをからめて食べる。

腹いっぱいになったのでちょっと横になったら3時まで寝てしまった。まあ、連休初日くらい怠惰でもよかろう。DVDで『オリエント急行殺人事件』のメイキングを見る。時代が古いからメイキングビデオなどは残っておらず写真と当時のスタッフ・出演者のインタビューのみの構成なのでちょっと物足りない。とはいえいろいろと出てくる証言にはなかなか興奮する。あと、協力者の人名の豪華なこと。冒頭のアームストロング家幼女殺害事件の新聞記事を使ったモンタージュカットの構成がリチャード・ウィリアムス(アニドウで毎年クリスマスに上映する『クリスマス・キャロル』の作者)であったり、ポアロの老けメイクをやったのがチューバッカのメイクをしたスチュアート・フリーボーンだったり。……もっともここまではロールにもあるので知っていたが、ハンガリー人のアンドレニイ伯爵役を演じたマイケル・ヨークのハンガリー訛り英語のコーチが『英国人入門(おかめ八目英米拝見)』の作者、ジョージ・ミケシュだとは驚いた。ヨークが家に招いて、彼がしゃべる言葉を観察したらしい。

6時、家を出て新宿へ。紀伊國屋ホールにてうわの空・藤志郎一座『ただいま!』公演を見る。当日券で入ったが500円まけてくれた。ロビーで海谷さんに挨拶。入りはどう? と訊いたが、今日が一番苦しい状況、とのこと。いろいろああしたらこうしたらという思いが頭に浮かんでくるがまあ、今の私が考えることではない、と苦笑。ラジオライフのTくんも来て心配そうな顔をするので、今後のことちょっと打ち合せ。秘かにプッシュしていた例の件、確定したとのことでやや、安心。他に片山まさゆきさん、談四楼師匠などがきていた。

席に陣取り、開幕を待つ。去年は向こう側にいたんだな、と思うがさまでの感慨なし。満足できる演技ではなかったからだろう。あの時も日記には書けなかったがいろいろあった。立場違って観ての感想も多々、あるが、まだこの日記アップ以降に観に行く人もいるだろうから、ネタバレ恐れて記載は後日。受付に金沢くんや多賀くんがいたので、あれ、彼らは今回は出ないのか、と思ったらちゃんと出演していた。まあ、エコー行ったときも熊倉一夫さんが自らお客を席に案内していたけど……。

終わって舞台挨拶している間に出る。販売コーナーに『魂食!』が並んでいるので、“売ってよ!”というと、「かなり売れてます」との答え。よしよし。

タクシーで帰宅。サントクで買い物して、家で飯。銀鱈の湯豆腐、油揚炒め。原語版DVDで英語字幕つきのものを何枚か見て、英語の勉強。メール、旅行中のオノなどに出す。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa