25日
土曜日
菊池寛殺人事件
「ところがね支倉くん、この“ひろし”を“かん”と読めば見事に“きくちかん”と“こくしかん”でそこにphoneme的に音が通じるじゃアないか」(法水麟太郎・談)
朝10時半まで寝る。夜更かしは健康の大敵と昨日インタビューで言ったばかりで3時半まで夜更かししてしまった。
起きて朝食、豆の冷スープとブンタン。1時頃まで家でダラダラしてしまう。やはり夜更かしはいかんが、まあ打ち上げだったし。
昨日書いた原稿チェック。あと、と学会の大沢南さんの奥様(ライターをしている)からインタビュー依頼あったので、オノにスケジュール調整するようメール。
タクシーで渋谷まで。おろしそば一枚、マンション下の蕎麦屋(ここに越して10年になるのにまだ店名覚えない)で。本日デッドのもの、まず北海道新聞こだわり選書の原稿書いて送る。
それから『ガメラ創世記(『ガメラを創った男』改題)』原稿、村瀬さんとの対談からバリバリとまとめて。村瀬さんと似た人物をどこかで見たとこないだから思っていたが、東京中低域の小田嶋さんに感じが似ているのだ、と思いついた。
順次、ガリガリやって6時までに、ほぼあとはゲラチェックですむ、というところまで書き上げて、その旨をアークライトM氏にメール。外はもう暮れなずむ黄昏、とはいえ日が長くはなった。
タクシーで赤坂見附まで。そこから大江戸線に乗って築地市場まで。市場の中の料亭『山はら』で、大阪に仕事の関係で栄転する皆神龍太郎さんの壮行会。大江戸線ちょっと一本逃し、到着が7分ほど遅れたので、もうさっさと待ち合わせ組は出てしまった後。仕方なく地図便りに行こうと地上に出たところで、IPPANさんが待っていた。市場の中を案内してもらうが、いや、これは地図などでは絶体にたどりつけない場所にある。
土曜夜の築地市場内は多く灯が消え、なにやらゴーストタウンぽい。
「映画スタジオに雰囲気が似ているなあ」
とつぶやいたら、IPPANさん、
「あ、やっぱりそう思いますか。開田さんもさっき同じことを言ってました」
と。まったく外装という概念のない、実用一点張りの巨大な建物が敷地内に建ち並ぶあたりが類似点なのだろう。
『東京第一蛸加工工業』などという看板の建物の近くに、ひっそりとその『山はら』はある。中は昭和30年代くらいに建てられたものか、と思われる和風建築。廊下も階段も、長年の間にすり減って、でこぼこになっている。
部屋に幹事の植木不等式さん、開田夫妻、FKJさん、S井夫妻、しら〜、板矢くん、高橋のび太くんなど、遅れて主賓の皆神さんとmikipooさん。砂摺りの壁も古く、はめ込まれているクーラー(エアコンなどではない)も古く、かけられている絵が、微妙に皿の模様など違うのだが、深皿に盛られた果物というモチーフが同じで、大量生産の絵(同じ部屋に飾るか、普通?)。昭和の高度経済成長期の名残を味わう。仲居さんの客あしらいも今は貴重な文化遺産的なもの(つまり今風でない)。トイレまでごていねいに鎖式の水洗。いい雰囲気だが、ここも築地市場の移転までの命だろう。
料理は大皿に刺身の盛り合わせ、その鯛の頭を出汁にしての鮟鱇鍋(風寄せ鍋)のみというシンプルさ。酒は持ち込み自由だそうで、久保田、生酒、それから“やたがらす”というやつなど。
皆神さんにFKJさんが『ブジオ!』全放送の録音を、CDに焼いて餞別にしていた。あやさんは自分が“妄想協力”した二村監督のエロDVD。話はいろいろ。こないだ書いた原稿の件、と学会例会の件、大阪オフの件。とりあえず6月にハモ食べに行くということで。あやさんとはこないだのあぁルナの『ラブゲッチュ』の話。酒はずみ、楽しくワイワイと話す。
10時過ぎ解散、シンプルな料理だったので食い足りず、植木さん、開田さん夫妻と(K子は帰った)笹塚にあるチャイナハウス3号店へ。あのヒト最近どうしちゃったの、とか言う話しながら豚足煮込み、中華風湯葉など。途中でマスターとジュンさんが本店の営業終えてちょっと顔を出す。マスターにブジオのみみんさん出演のお礼など。
タクシー乗り合いで。今日も1時過ぎになった。中華も午前様もこれで三日続き。