裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

月曜日

噫ブジオ

次回で最終回だよ。朝7時半起床入浴洗顔歯磨服薬如例。9時朝食。ひたし大豆のスープ。伊予柑半顆、なんとかいうアメリカ産のブドウ。母は掃除の際に仕事場から持ってきた水道橋博士さんの本を熱心に読んでいる。

自室で日記つけ、それからアサ芸7枚。原稿執筆から掲載まで一週間、というのが微妙なところで、WBCなど、まだ決勝の結果が出ていないから書こうにも書けない。
途中で昼飯(弁当。お菜はつくね、ホウレンソウのクリーム煮、梅干しに佃煮と、うまいが多すぎ)挟んで1時半に完成させメール。

単行本原稿、催促電話縷々あるも無視。次は週プレ『名もニュー』。3時までにこっちは仕上げる。『東京中低域』のサイトの管理人のホンダさんからメール。オビ文、三つ書いて送ったうちの一つ(やはり一番いいと思ったもの)が採用されたのだが、他の二つも捨てがたいので、サイト内で使用していいかという依頼。これはどうぞどうぞと。
http://www.eqcd.net/index.html
↑ここに現在も私の似顔絵があるがそのうち、いろいろと提示されるはず、である。
あと、カタログハウスの『通販生活』から、まだ未定だが放水路で撮影した私の写真を表紙に使わせてもらっていいか、という件。大いに結構。

5時、家を出る。買い物にセブンイレブンに入るとき、ちょうど学校帰りの小学生の三人連れが私の顔を見て、目を見開いた。こないだの『世界一〜』を見たのだろう。何かネッシーを見つけたような顔だった。買い物終えて店から出たら、人数が増えていて、
「買い物したぞ、買い物したぞ」
「あ、タクシーひろうぞ、タクシーひろうぞ」
「あ、タクシー乗ったぞ、乗ったぞ」
とうるさいうるさい。うるさがってはいけないんだが。
時間割に直に入る。週プレ『名もニュー』対談。この連載もちょうど一年の期間だった。週プレには新たにリベンジかけたいところ。今日はねがっち休み。3人で対談、ネタが強烈なのでオチに持っていくのが苦労かな、という感じ。対談済ませたあと、担当のS石くんに、『猫三味線』劇画化短期連載の話をちょっとフる。すぐ資料を送ることに。

S石くん帰ったあと、おぐりと打ち合せ。魂食イベントの件、猫三味線の件、ラジオの件、映画の件、連載移行の件など、改めて打ち合せしてみて、この子とこんなに仕事していたのか、とちょっと驚く。漫才コンビじゃないんだから。しかし、言葉の端々で、ようやく彼女に“売れる”実感がわいてきた感はある。

劇団の予定も聞く。かなりスケジュールが密っぽいので、スリ合わせが重要事。終わって、チャーリーハウスで軽く食事し、駅までエスコート。私は地下鉄で帰る。

帰宅して半身浴、20分ほどだったが汗が滝のよう。最近の入浴読書は間羊太郎の『ミステリ百科事典』(文春文庫)なのだが、『首』の項目で、山田風太郎の『甲賀忍法帖』の、甲賀弦之介に殺された薬師寺天膳が生き返る場面を、「首を失った胴体から、再び新しい首が生えてくる」場面だ、として紹介している。まったく逆で、斬り殺しても絞め殺しても死なない天膳が命を断たれるのは首を切り離されて、なのだ(一度はつなぎあわされそうになるが)。原文を引用しているのだからその間違いには書き写していて気がつくはずなのだが、あえて違えて書いたのか、あるいは引用は編集者がやったのか(それだって気がつきそうなものだ)。この本自体はむちゃくちゃに面白いのだが、こういう大きなミスを平然としていると、他の引用部分の信頼性にもクエスチョンマークがつくのが惜しい。

出て、油揚の炒めたものなどを肴に、企画書などをひねくりつつ、ホッピー二本。二年ごしの某案件あり、いまだ道遠しという感じだが、あせるなと自分にいい聞かせる。まだ余裕は十分にある。一歩々々、周辺から固めていかなくては。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa