裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

日曜日

二の酉鳳凰編し

我王と茜丸は神社に行って夜店をひやかし、熊手を買いました。朝9時、朝食の電話で起こされる。いかんなあ。

仕事山積だが、こういう日はモノが書けない。これは長年の執筆生活でわかっている。憂鬱になる。朝食、カボチャのスープ、伊予柑、イチゴ、リンゴ。少し山盛りすぎの気が。

メールいろいろ。イベントの件など。雑用、雑事で人生の大半は成立しているがそれにしても私の人生には雑事が多いのではないか。楽しいのだな、またこういった雑事が。しかし今年はきちんとまとまった仕事をする“独りの”時間もとらないといけない。イベントに奔走するのは独りの時間を持つことが怖いから、という分析も出来ないことはないのだ。

日記つけたりしてダラダラ。ガメラ本と幻冬舎『ゲーテ』原稿、催促くる。こういうときはヒロポンが欲しくなる。昼は弁当、仕事場で。これも焼き鳥、タラコ、卵焼きとおかず大変豪華。ダイエットに支障ないか?

開田さんから昨日の写真、送られる。ダーリン先生と談笑している写真だが、ダーリン先生の笑顔、大変にいい顔。私の顔も、近来写真写りに極めて自信がなくなってきたのだが、これはよし。眠くてたまらず、30分ほどベッドで横になる。ガメラ本の催促で起こされる。

2時過ぎ渋谷の仕事場。ゲーテ用に7枚の原稿、書き出すがまるで筆、進まず。何度も催促電話。資料を探しに書庫に行くが、目当ての本、しかも自分の著書が見つからず、クサる。やっと完成した送ったのがなんと8時。こらあかん。

外に出ると寒風激し。日中の春一番のような暖かい風とは大違い。タクシーに乗って東新宿。運転手さん、江戸っ子の爺さんで、話がいろいろ面白い。日本人はどんなに洋楽を聴かせて育てても、歳をとるに従って演歌か流行歌に戻り、さらに最後は童謡に帰るそうだ。
「昔はアイドル歌手ってのは童謡歌手だったんだね。童謡歌手のブロマイドをみんな争って集めていたよ。川田正子とか伴久美子とか。藤山一郎ももとは童謡歌手でネ。

最近は由紀さおりが姉さんと童謡歌手で売ってるけどね、あれは童謡歌手としちゃそんなに人気ある方じゃなかったンだわ」
「あたしも最近はラジオ深夜便の、一ヶ月に一回やる童謡特集が楽しみになってきちゃってね。もう人間としちゃオシマイの方に入ってきたネ」
など。タクシーの楽しさ。

東新宿、『幸永』。今日はK子が突然焼き肉が食べたいと言い出したので、談之助夫妻、S山さん、それとパイデザ夫妻という取り合わせ。パイデザとは最近なかなか打ち合せ出来ないので私も参加。と学会のパンフの仕事、サイト作成をマドに移譲する件など、いろいろ話す。

K子は談之助妻と、簿記の話題で(ユキさんも2級保持者)。立川流おかみさん会というのが出来て、ユキさんも参加したが、誰も知っている顔がなくて困ったそうだ。志加吾も快楽亭も、別れちゃったからねえ。談之助さんとは昨日の日記のキウイの件ではないが、噺家がリップサービスで言う人の悪口を真に受けるバカの話をちょっと。シロウトには珍しくもないが、最近はプロでもそういうのが出てきている。

体調悪さを吹き飛ばすように食う食う。極ホルモン、桜カルビ、スライステール、豚骨たたき、それから新メニューの豚コリコリというのを食べて見たが面白い食感でいい。今が季節のケジャンも味わう。最後はK子の冷麺と、私のテールスープライスを半々にして。黒ホッピー三杯、パイデザとタクシー乗り合いで帰宅、寝る。ガメラ原稿とうとう出来ず。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa