裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

22日

日曜日

豊胸だよ、おっ母さん

 マダムのためのバストアップです。朝7時起床。ミクシィのぞいて自分の誕生日であったことを知る。余計なことを。とはいえ、お祝いメール陸続と届く。感謝。47歳、そろそろ急がないといけない目標も。しかしなお、目の前のものは進まず。前進 は常に不安と二人連れ。

 8時朝食、アメリカンチェリーとリンゴ二切れ。日記つけて11時家を出て、赤坂見附まで丸の内線で。銀座線に乗り換えて表参道。『ビリケンギャラリー』に逆柱いみりさんの個展を見にいく。花、無事届いていた模様。店長さんに挨拶されて名刺交 換。いみりさんばなししばらく。

 並べられた絵の面白さにしばらく見入る。いみりさんのタッチはこのごろ、かつての杉浦茂を彷彿とさせるようになってきたように思う。さらに言えばバジル・ウォルバートンか。風景の中に人物(まあ、人物とはいえない奇怪なものではあるが)がいるのではなく、人物と風景の間に描線にも描き手の意識の中にも区別がなく、渾然一 体となってそこに独自の世界が生まれ出てきている、という感じ。

 本人は聞くと昨日上京して赤タイツ男のコスプレしながらずっと店内にいたが、今日は今の時間、タコシェに行っているとか。『赤タイツ男』の解説にも書いたが、何度か同じ場所(ロフトとか)にいてもスレ違って顔を合わせていない。その記録を更新したと思うと何か可笑しい。自分への誕生プレゼントで逆柱さん自製のネコカッパ フィギュアを買う。

 出て、いくつか青山で用足し。半蔵門線駅前の『千吉』でカレーうどん食べる。カレーうどんはブームらしい。あちこちでカレーうどんを売りにした店をみかけるが、もともとカレーうどんというのが中途半端な食い物なので、どんなにうまくしても中 途半端にしかうまくならぬ。この店も同様。まあ、中途半端で満足なのだが。

 仕事場着、前から入っていた予定の打ち合わせ電話一本。大事な用事であったがすぐ終わる。ちょっと疲れて横になっているうち、ウトウトして2時ころまで眠ってしまう。目を覚まして昨日古書市で買った本などを拾い読みしているうちにまたウトウト、4時ころまで寝てしまう。二回寝た。一回目は疲れで、二回目はちょうど雲行き 怪しくなってきた気圧のためだと思うが。

 電話、関口誠人さんから。渋谷について、これから資料コピーしていくとのこと。時間見計らって東武ホテルに行くが、ホテルの喫茶店が満席、コピーも公会堂のコンサートのファンでコンビニが満員で出来なかったというので、仕事場に招いてそこでコピーしつつ、話をする。イラストレーター・関口誠人の今後の方針などを話して、前向きなことをいろいろと打ち合わせられて、なかなかいい感じの話し合いになる。

 関口さん帰って6時半。半チクになってしまうので今日はもう仕事せず、と決め。7時半、新宿へ。今日、本来なら二見の単行本の写真撮影だったがNGになったので急遽くすぐリングスの打ち合わせをこの日にしてもらった。そしたら私の誕生日ということでさらに急遽、誕生会になる。雨繁くなってきたので100円ショップに飛び込み折り畳み傘を買ってさすが、さすが100円、と呆れるほどの小ささ。笑ってし まう。

 アルタ前で佐ト丸さん、神無月ひろさん(ひろひろ選手)と落ち合い、三平ストア上の和食居酒屋『はやしや』へ。三平ストアで『はやしや』は毎度、意味無く感心してしまう店名。許可はとっているのか? なんにせよ、昭和の香ただようと言えばこ こも非常にそのただよい方の濃い店である。

 くすぐり男爵、カンフーミキ、春咲小紅、少し遅れてハルウララ、それからりえ坊というメンツ。誕生祝いしてもらってテレる。乾杯して、最初こそ真面目にテレビ出演したときの話とかなんとかで会話していたが、やがて小紅ちゃんの、伯父さんの臨終の言葉が“金玉!”だった話(腹水が下に下がって陰嚢にたまり、それが腫れて痛かったらしい。“金玉が痛い”と言おうとしたのではないか、と想像する)から、
「女性も夢精をする」
 という話で大盛り上がりとなり、そしてりえ坊が加わってからはもう、当然の如くで、11時半くらいまでえんえんえんえんとエロ話。最近、なかなかここまでエロ話に徹底した時間もなかったので大いに堪能。お祝いということでおごってもらい、恐 縮。ある意味、体中のシコリがとれた誕生日だった。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa