裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

土曜日

ぼくの時給を守って

 コンビニ、ファミレス、ファーストフード、これらの名前に記憶のある方、また前 世で店長だった方は連絡ください。朝6時半起床。天気曇、体調万全ならざるもまず 不可なし、といったところ。午後からは雨とかや。入浴、日記つけの後朝食9時。バナナ、セミノールオレンジ。ホワイトアスパラのスープ。

 本日はと学会例会のため、一切他の仕事出来ずと腹をくくる。11時まで雑用、母の室で目玉焼きとモズク味噌汁で飯を一杯カッ込んで、家を出る。早稲田大学国際会議場。いつもは日曜日開催なのだが今回のみ土曜開催で、集まりを心配していたが、いつもより集まりがやや遅い程度で、最終的には前回と同じく約60人(ゲスト、ビ ジター含ム)の出席率。

 ライターのバーバラ・アスカさん、それから製作会社M・PのMさんがいらっしゃる。昨日おれんちでI矢くんが誘った力丸さん、睦月さんの会でお会いしました、というライターさんにも。12時、開始。最初は山本会長、それから植木不等式氏、私 は三番目。週プレの宇宙人記事を紹介。まず受けてホッと。

 それから途中30分の休息をはさんで5時半まで5時間、フルで会員たちの発表続く。Mさんにもアスカさんにも
「シロウトにはキツいかもしれませんよ」
 と言っておいたのだが、妙齢の女性お二人がお二人とも
「こんなに面白いとは!」
 と言ってくれて驚く。

 以前にも、“あんな面白い本を書くと学会の例会なのだから、どんなに爆笑できるだろう”と思った人たちがゲスト参加を希望して一回で呆れて来なくなる人が多くいた。外に出す場合には、こっちも商品として一般読者の口に合うよう、いろいろ薄めたり説明加えたり、ネタを加工してあるのだ。いわば例会でのネタはそれを加工する前の原液みたいなもので、しかも数多いうちには粗悪品もあり、通好みすぎるものあり、それらの発表がただ延々と繰り返される。よほど物好きでないと楽しめるもので はない。

 ただ、今回は時間制限の徹底があり、延長も参加者の拍手による許可制でスムーズに進み、コンパクトにまとまった、これまでの会の中でも出来のいい会ではあった。志水さん推薦の若い発表者がなかなかペースつかめずハラハラする一幕あったが、概 してみな好意的だったのは、藤倉さんがニコニコしながらいみじくも
「ブラッCの落語聞いているみたい」
 と仰った如く、すでに免疫が出来ていたから、かも。ちなみに、この人の発表について、二次会で『天動説』のKさんからもブラッCとの類似を指摘する声あり、ホン トに似ていることは確か。

 発表は新田五郎さんのマンガ、やはりインパクト強し、K口さんの、某所で偶然手にいれた関西ローカル番組の台本構成案というのも、秋葉原と経済学を無理矢理結びつける(某有名経済評論家氏の出演だが、仕事選ばないところが実にいい)ところ、 昨今流行のオタク文化論のパロディみたいでよし。

 また談之助師匠の紹介した名古屋のガンダム紙切りのお爺さん、 http://thundergate.jp/chicago/daitouryou/kamikiri/images/index.htm 
  開田あやさん発表の、岩波文庫の装幀を完璧に模した東京大学メイド研究会
http://maidken.hp.infoseek.co.jp/
 などが印象に残った。あれだね、女性監禁事件でまたオタクバッシングがあるとかなんとか騒いでいるが、こういう同好会を作っている人が何年後かには官僚になって日本を動かすわけで、少し待っていりゃもう、我が国は萌え主体の国家になる。何に も心配ない。

 ガンダム紙切りの他にも談之助さんはもう一つ発表があったが、それが小学生の女の子のレスラーがいる女子プロレス『我闘姑娘』。終わって自席に帰ろうとする師匠をつかまえて山本会長が熱心に質問してメモなど。同好の士同士の熱い会話に苦笑。

 K子は次のレディースコミックで描く巫女さんHの資料としてわざわざひえださんに巫女衣装を持ってきてもらい、池田桃子さんに着せてチェックしていた。楽工社のHさんちゃんと出席して驚くが、植木さんからゲラ貰うためだけだったらしく、急い で会社に戻る。昨日は鶴岡からチェック稿貰い、
「長話してしまいました」
 とのこと。何を話したことやら。

 5時半撤収、秋葉原の万世で二次会、打ち合わせることもあったのでK子とグッズ係のS井さん、ビデオ編集係のK谷さんとタクシー乗り合わせ。ちょうどやってた神田祭りの渋滞に引っかかるが、まあ何とか遅れずに到着。なにしろと学会の二次会は参加者の数とその食欲が尋常でない。これまで会場にはそれほど苦労しなかったが、二次会にはホントにアタマを悩ませていた(何もしらずに“二次会費はもたせていただきます”と言った出版社があってあとで青くなっていた。まあ、本当に支払わせた こっちもひどいが)。

 ここはバイキングで、さすがは肉の万世(地下の居酒屋)、ボリュームと脂っ気はたっぷり、料理の皿も継ぎ足しをきちんとしてくれてうれしい。おまけに土日は普段は休みであるところを、40人以上の参加だったので開けてくれたわけで、貸し切り状態なので、どんなオタクな会話をしても大丈夫。なかなか盛り上がる二次会になった。I田さんから15年もののラム酒をふるまわれ、ぴんでんさんからは宮崎のピー マン焼酎をちょっと貰って飲む。

 時間が二時間と短いのがちと難点、明日は原稿執筆ラッシュなので私たち夫婦はそのまま帰宅するが、中にはせっかく秋葉原に来たのだからとメイド喫茶探検に向かう一行もいた模様。帰宅、パソコンのぞくだけのぞいて、すぐ就寝。無理せず明日に集中させよう。最近、いくつもの場所でいくつもの顔を使い分けることが多いのだが、今日はひさびさにトンデモ系の顔ひとつで済ますことが出来て、楽であった。雨降ら なかったのも幸運。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa