裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

2日

月曜日

朝鮮総連、総連総連、総連総連、ハイハイ。

♪万景峰号来たかとカモメに問えば、わたしゃ南よ北に聞けチョイ。朝8時半起床、入浴して9時朝食。今日は疲れをとるために食事時間をズラした。とはいえやることは変わらず。朝のうちに『社会派くん』対談原稿ゲラチェック。これが400字詰め 原稿用紙75枚はあろうという大物。

 書き上げて仕事場へ。高島屋から電話で、明日の昭和展対談の入り時間など。2時間前に入るらしい。二人が展示を見てるとこなども写真におさめる。TBSから10日の収録のネタ出しについて電話。なんか、連休という気がまるでしない。芝居をやるなんてのは一般人の私にとってはハレの毎日のはずなのに、まるきりのケの日常で ある。

 アサ芸のゲラチェック、ノーチェックでもいいかと読み返したら大きなミスがあった。ホッとして手直し。週プレもおぐりから戻ってきたゲラチェックを反映させたも のにして返す。

 昭和展から届いた資料にも目を通す。肩が張りつめて涙目になってきたので、タントンでざっと揉んでもらう。毎度のことながら揉む方が状態に驚いている。私の日記読んでこの店に来る客もいるとかで感謝される。しかしこの通りにはタントン、台湾式マッサージ、医療マッサージなどなどが軒をつらね、マッサージ通りの様相。

 揉まれ終わって兆楽で昼食、冷やし中華。紀伊國屋に向かい、楽屋に入る。二十数年前、大学に入って上京したその日に、アニドウ主催のアニメフェスティバルが行われていたこの紀伊國屋ホールに足を入れた。それからイッセー尾形の公演にはスタッ フに無理矢理加わってチラシ蒔きの手伝いをした。

 いろいろと思い出深い場所である。楽屋口から入って照明の調整中の舞台を見る。入り口近辺ではチラシ折り込みをしている。パイデザに頼んだ同人誌と東京大会のチラシはいずれも短期間でやってもらったとは思えぬ出来。ツチダさんも座長の村木さ んも感心していた。

 コミビアの写真コーナーもデジカメからの取り込みとはまず、思われまい。私の出番の稽古、一カ所許されないミスあったが昨日よりはいい。途中で携帯に電話、日テレ『世界一受けたい授業』から。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』の著者の山田氏が今度先生役で出演するのだが、ちょうど調べたら朝日新聞にカラサワ先生が偶然書評を書いてらっしゃるのを見つけたので、推薦ビデオを撮らせてくれないか、という 件。6日の日に収録。

 9時、バラけて、母に電話、今日は母の誕生日なのでどこかでメシでもと思ったが家で食べた方がいいという。帰宅してワサビ釜飯とトンカツ、きのうの寿司屋で帰り にもらった塩ワカメのもどしたの。さすがにうまい。

 ビールとホッピー飲みながら小林稔侍と中井貴枝主演の人情ミステリドラマ見る。息子を不良に殺された父親がその事件の真相を解明しようとするが、その過程で息子の意外な一面と、殺されるきっかけを作った男が今は娘の夫となっている男なのだと いうことを知って……というもの。

 重く、暗くなりそうなテーマをすれすれで感動ものにしたてているところが買い、か。小林稔侍の無愛想な、というより決してうまくない演技が味。岩崎加根子のボケ婆さん(小林の母親)がひょい、ひょいとタイミングよく証拠を持ち出してくるところ、ギャグみたいで、このボケ婆さんの存在を悲劇にしなかったところがお茶の間で見るにはよかった。テレビのミステリに重いの軽いの内容がどうのと論評するようなことはしない。まず、見られた。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa