裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

17日

火曜日

新選組は今日もヌく

 駒野ハアハア、君菊ハアハア。朝7時45分起床、先に朝食、紫アスパラのボイルドとバナナ。ジャガイモのスープ。紫アスパラはパイデザ夫人からのいただきもの。 普通のより味が幾分濃い。気がする。

 体重計測。トイレに入る前と入った後の差に驚く。そんなに出るものではあるまい と思うのだが。11時出勤。タクシーの運転手さん、60歳くらいか、
「お客さん、今から仕事? 今の仕事長いの?」
 ときいてくるので、
「もう20年になるかねえ」
 と言うと、
「アタシはこの20年に18回仕事変えてる」
 という。一流企業の営業から沖仲仕まで、最長が2年、最短が数ヶ月で、聞いてみると、なるほど面白いくらい脈絡がない。
「いかに給料がよく、サボれるか」
 が就職先選びののポイントで、サボりつつ要領よくやっていると、
「案外出来るやつなので、もう少し力の発揮しがいのある部署に回そう」
 とか思われ、忙しくされてしまうので、そこらでやめちゃうそうだ。それでもバブルのときに務めたアパレル業は、ホントに何もしないでいい会社で、それでいて給料がバカ高く、しまいに居続けるのが悪いという気になってやめさせてもらった、というから可笑しい。
「18種の中で一番珍しい仕事って何?」
 と聞いたら、横浜でやっていた
「私立探偵」
 だそうな。あと、某広告会社で三十年くらい前に、まだ“ピッツァパイ”と言っていたピザを日本に根付かせる企画で、だいぶバーや喫茶店を回ったという。
「ピザってのはあたしが日本に広めたんだ」
 ホンマかいな。

 仕事場に到着した途端にFRIDAYのTくんからコラム催促。すぐかかります、と答えて、なぜか東京大会招待状を作成しはじめてしまう。こういう雑事、たまらないですな。昼飯(黒豆納豆、アサリ汁)後にやっと執筆開始。開始すると手早く、今 週分と来週分のコラムを二本イッキに片づけてしまう。

 途中で電話、光文社から。
「書籍宣伝部のSですが……」
 という声。おや、懐かしい。かつて光文社のと学会本担当だった人で、例の伊藤くんの(バカ)裁判も担当してくれた人。今はなんと書籍宣伝部で『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の宣伝を担当しているという。世間は狭い。要するにこないだ『世界一受けたい授業』で山田先生の紹介ビデオを撮影したのだが、その紹介の文句を広 告に使っていいか、という件。承諾する。

 それから、いよいよ『社会派くんがゆく!』号外の王子様原稿。12枚、イッキ書き。イッキと言っても4時間かかったが。なんか書き進めるに従い話が大きくなり、ゲーテだのヘーゲルだのまで引用するような文章になり、ギャグが全く入らなくなってしまったので、冒頭にミクシィで作った替え歌を置く。アサ芸しかりここしかり、こういう“論”を語らせてくれる場を大事にしておかないと。雑学で売れるのはせいぜい半年だからねえ。

 書き上げてアタマ冷やすのにまた東京大会招待名簿作成。『FRIDAY』、ゲラが早くもできあがってきたのでチェック。『ダ・カーポ』から久しぶりに電話、インタビュー依頼。それから今度は週プレ『名もニュー』対談原稿。おぐりの発言で記録 テープに残っていない部分を記憶で構成。

 固有名詞(『ワンピース』のキャラクター)など間違ってないと思うが、ワンピースは立ち読み程度しかしていないのでちょっと自信なし。とにかくまとめあげて、9 時にMくん、おぐり、みずしなさんの三人に送る。ふはー。

 あとまだ『モノマガジン』とTBSのネタ出しが残っているのだが、モノマガを書く気力はナシ。TBSの方は要するに、明日、用意するものについて雑学をその場で披露してほしいということで、そのリストが送られてきているのだが、見るとどれもブッツケで出来そうなものばかりなので、明日でいいや、と思い、そのまま帰宅。家 でメシ。

 イカ刺し、ワカメ酢の物、海老、ゲソ、野菜の天ぷら。ホッピーと日本酒。中村福助主演の推理モノドラマ『歌舞伎役者 中村歌留多』見る。福助は贔屓の役者で、最近は弟の橋之助よりずっといい役者になったなと思うが、しかし現代劇のセリフ回しはやはりヘタですな。女形だからしょうがないとは思うが、声に探偵役としての深み(説得力)がない。脚本を無理してしゃべっている、というのが見えてしまっている瞬間があって、こういうときは自分にあったセリフ回しに変えればいいのに、と思う のだが、そういうことはしない世界に育っているんだろう。大谷直子、伊丹万作、西 村雅彦、原田大二郎、水野久美、赤坂晃、そして夏木マリと共演がやたら豪華。原田大二郎がいつの間に、と思うくらい貫禄とうまさを身につけていた。

 メシを茶碗半分くらい。残ったイカ刺しに醤油とショウガをまぶして、上にぶっかけてイカ刺し丼にしてカッ込む。なんたるうまさ。自室に帰ると、おぐりゆかから原稿にチェックが入っている。参加意識が回を重ねるごとに出てきている風。これを尊重して手直し。ワンピースの方は正解だったようでヨカッタ。そのあとこないだ買ったDVD等ちょっと見て、水割り缶一缶。ホントウは明日早いのだから、飲まない方 がいいのだが。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa