裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

木曜日

一番パレスチナ人は誰ですか?

“じん”と読んではシャレになりません。“ひと”と読んでください。朝の夢に“感情屋”という大衆食堂が出てきた。ウインドウに“憎しみ丼”“喜びランチ”“いらつき定食”などというのが並んでいる。何だかわけがわからぬが面白い。4時に目が醒める。またも雨音。10月に入って本当に雨が多い。6時起きだしてパソ。7時に入浴、35分朝食。サツマイモ、バナナ、ブドウとこう並べると南洋の島の朝ご飯み たいである。

 タクシー拾って今日も仕事場に行こうとしたが、青梅街道のこのあたりは、朝、なかなかタクシー通らず、あきらめて地下鉄で新宿まで出ることにする。丸の内線の駅まで歩き、乗り込むが、いや、ラッシュアワーで尋常でない混み様。これに毎日乗って会社に通うサラリーマンを本当に尊敬する。カバンの中に入れたオニギリが、降り て見てみるとぺちゃんこにへしゃげていた。

 到着して少し雑用。書き下ろし原稿、まとめの15枚をどうにかこうにかアゲる。しかしなんとも自信のない出来。コミビアの台本、残り二本にかかる。こっちはオチに苦労はするものの、なんとか見られる出来となるだけいい。昼はへしゃげたオニギリ(ゴボウのミソ炒め)と納豆。さらに台本書きすすめ、2時45分に二本、各関係 者にメール。

 3時、仕事場を出て時間割。光文社O氏と久しぶりに打ち合わせ。暮れに出る文庫本(学陽書房から元本が出ている『カラサワ堂変書目録』)の件だが、これにチェック用の赤を入れたものが出かける直前に紛失、部屋中を探し回る。誰がいじるわけでなし、本が自分でどこかへ隠れるわけでなし、どうしていきなりテーブルの上に置いておいたものが見えなくなるのか、仕事場の七不思議。なんとか見つける。打ち合わせ事項はそんなになく、ほとんど雑談。O氏朝日のこないだのピンホールコラムを褒めてくれる。歳をとるとテンションが保ちにくくなるので、自分をどう奮い立たせる かが決めてになる、と話す。

 台風で気圧変化はなはだし。どうにも体がダルい。マッサージに行き体を揉んでもらう。少し血のめぐりがよくなったかな、という感じ。8時までどうだらこうだらと原稿をいじくり回す。8時、東武ホテルにて幻冬舎Nさん。いまだ原稿手渡せず。ど うでもいいような話をして、後で送りますと言って別れる。

 一旦家に帰って晩ご飯。今日は家でおとなしく。鶏湯豆腐、赤身と白身の刺身、焼き豚、それと野菜麹漬け飯。さて、パソの前で原稿見返すが、どうにもこうにもならぬもの。一体どうするこれ、という感じ。これで、出して印刷されてしまえばそれなりのものに見えるのだろうが、その状況が18年文筆業やってきて、この原稿には見えてこない。今はテンションがこっちにむいていないのだ、と判断。明日のこととし て寝る。 

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