裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

月曜日

スク水久常

 ……まあ、迫水久常なんて名前で駄洒落を考えようとする酔狂人も一人くらいいていいだろうと。終戦の月を記念して、という意味もあり。朝7時起床、気圧の乱れひどし。7時半朝食、その前にシャワーのみ浴びる。朝食、クルミにキャベツ。梨。こ の梨はしゃりしゃりして非常に美味だった。

 雨ポツポツ、傘をさして出る。体調、大乱れにて午前中何も出来ず。こういうときに鶴岡からの電話はかっこうな鬱散じである。いろいろバカばなし。私の方がもっぱらバカを言って、向こうが“この時期にやっておかねばならない仕事は……”とか、 友人の病気のこととかのマジメばなし。彼、つくづく曰く、
「……去年の師匠ははっきり言って仕事の話だけのつまらない男でしたが、今はいい味ですねえ」
 と。もっとも、いい味の人物なんぞというのは面白いだけではっきり言って役に立たない。世に有用な人物というのは往々にして面白くない。

 FRIDAYから電話、書いたコラムにもうひとつ、時事ネタを足してくれとのこと。ゲラでいいというのでそっちの方用に、ひとつふたつ調べて用意しておく。こういう作業は早い。昼は如例ニギリメシ。具はシャケ。

 肩が痛む。腰が痛む。身をよじるほどではないが、気が散って原稿が書けない。2時、東武ホテルでOさん、及び某製作会社Sさんと待ち合わせ、時間割に場所を移して会談。このあいだハンニバルで話した販促企画の件。Sさん、何か全身からオーラが発せられているような人。ただし負のオーラだが。話をしていると次第にこちらの気分が滅入ってくるような感じになる。この予感が大ハズレすることを願うが、しかしどうにも聞く話明示される条件、全てショボい。とはいえ、乗りかかった船で、なんとかこれをこっちでいろいろなものにつなげていかねば、と考える。とりあえず、こちら(講談社)にどれだけ全部まかせていただけますか、という話で進める。いろいろ企画を提案し、なんとか、ショボからショ、くらいまでにはレベルが上がったような気がするまでには持っていけた。ところで、これの決定というのは、一度、社に持っていって現場の人々の許可も得ねばならないとのこと。レベルを上げる(しかもこちらからの自発的協力で)のに許可がいるというのも困ったもの。雨で鬱な神経が 余計鬱になる。

 帰宅、扶桑社のYさんからメール。『トンデモ本・男の世界』、出足好調につき、まだ発売3日目ながら、増刷の声がかかっているとのこと。鬱な気分がこれで少し晴れた。あと、日東新聞のKさんから留守録。恒例の飲み会の件。今度の集まりにはなんとNHKから取材が入るそうである。原稿、いろいろいじくる。いじくってばかりである。原稿だからいいが、これが女性ならいい加減じれて怒って帰ってしまうとこ ろである。

 9時、帰宅。家でメシ。アジ丸干し、このあいだのロフトプラスワンで開田さんのファンの方にいただいたソーセージ、それから焼き豆腐。酒粕醤油の野菜飯。野菜飯がうまくてバリバリと食べる。見終わったあと、自分の部屋に下がって、またパソコン等しながら、こっちのDVDでK子と一緒に『アタックNO.1』を見る。ベッド に入って、読書数冊。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa