裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

火曜日

毒殺大怪獣映画

 怪獣の猛毒攻撃を合成画面で……。朝7時半起床。暖房を入れっぱなしにしているのだが部屋中が寒い。台所でふるえながら朝食作り。サヤエンドウ、ニンジン、ジャガイモの薄切りを炒めてK子に。私はオニオンスープ。オニオンスープは風邪にいいですか? と質問メールをいただいたが、風邪だから飲んでるわけでもないのです。朝、あまり腹にものを入れないためのスープ食なのだ。

 日記つけようとしたら誤って1月分を消してしまった。平塚くんのところにメールしてなんとかしてもらう。電話及びメールで各編集部から新年の挨拶、多くが原稿催促。今年もまず、休めなさそうである。年賀状の類を整理。今回はリストが不備だったため、当然出していなければならない人をだいぶネグってしまっている。改めて寒中お見舞いを出さねば。あと、北海道新聞社から書籍が転送されていた。スピリチュアリズム関係の本で、ああ、また書評依頼か、と思いつつ、差出人の名前を見ると、記憶にある女性名。うわ、小学校のときの同級生である。M・Yさんという、美人で 頭がよくて、確か何期かはクラス委員もやっていた子だった。当時の写真は
http://www.asahi-net.or.jp/~rj5y-okr/jj/gallery/excursion.html
 にある。この写真の後方の美少女三人組の、一番手前の子がMさん。

 添えてあった手紙を読むとやはり彼女で、クリスマス時期に帰札した折、母親から“これはあなたのクラスメートではなかったか”と北海道新聞を見せられて驚き、昔の仲間が活躍しているのを知って嬉しかったのと、たまたま自分も同業界にいるのでお報せしようと思って本をお送りした、とのこと。彼女はこの本(アラン・コーエン著『神との交信』、『人生の答えはいつも私の中にある』)の訳者だったのだ。奥付の訳者紹介のところを見ると、ニューヨーク州に在住、とある。そう言えばMというイニシャルがミドルネームとして入っている。向こうの人と結婚したのかも知れぬ 。彼女のイメージにはふさわしい生活だな、と思う。ぜひメールで連絡をしてほしい、一度ひさしぶりにゆっくり話したいと手紙にはある。昔のクラスメートとしては私もぜひ会ってみたいのだが、スピリチュアルな話となると、期待には添えそうもない。まあ、向こうもまさか私がと学会なんて団体に入っているとは想像もしていまい。

 とりあえず、本の内容にはふれず、メールのみ記載のアドレスに送る。それから仕事にかかる。初仕事はコミックボックスのマイベストアニメアンケート。仕事じゃないか。ともあれ、今日が〆切なので書いてメール。アニドウ時代に戻ったセレクトになってしまった。総論も書けとのことなので、昨今のアートアニメブームについて、ごちょごちょと書く。どういうものを選んだかは2月発売の『COMIC BOX』 か、またはCOMIC BOXのHPにて。

 そのあと、外出して、道楽でラーメン(昨日のサッポロラーメンよりうまし)、それから新宿で買い物。伊勢丹でバナナなど買う。帰宅して、幻冬舎『笑うクスリ指』の文庫化(2月発売)のゲラチェックしていたら、当の幻冬舎のSくんから電話、早く戻してくださいとの催促。大慌てで2時間ほどで赤入れをして(なにしろ去年出たばかりの本なので、そう訂正個所もない)バイク便で戻す。

 開田裕治さんからメールいただく。今夜、幸永でご一緒して、そのときに黒豆を進呈する約束だったのだが、風邪気味で行けないとのこと。あと、昨年末(28日)に『宇宙大戦争』の安西郷子も亡くなっていたことを教えられる。三橋達也の奥さん。OSK出身のエキゾチックな美女で、個人的には『一寸法師』(新東宝1955、内川清一郎監督)で高慢痴気なお嬢様と田舎モノの女中の二役を演じていたのが印象的である。メガネっ娘好きは必見。他にも中川信夫の『吸血蛾』(有島一郎がオカマのマネージャー役を好演していた)など、主にエログロ映画で、その日本人離れした美貌が逆に際だっていた。1934年生まれだから享年68か。合掌。
http://www.ne.jp/asahi/betty/boop/kyuketsuga.htm
 で、ファンの人が写真をいっぱい貼ってくれています。

『フィギュア王』ヌカダ編集長からメール。年賀状に、“そろそろ連載、リニューアルしませんか?”と書いたのへのアンサーで、“では今回から変えましょう”と、えらい安直に決定。そんなこと言っても、もう原稿書いちゃったんですが、と年末に書いたものを推敲したやつを送ると、“では次回からにしましょう”と、これまた安直に変更。まあ、気楽でいいが。

 9時半、家を出て東新宿幸永。本店の旧店舗の方は改築のため休み。なんとか新館に席がとれた。K子、開田あやさんと焼肉。コミケの話、志加吾の話、タランティーノの『Kill Bill』の話などなど。あやさん、K子に熟女対談に出ないかという。ただし、おっぱいかパンチラの写真を撮る、というのでK子“わたしの胸の写真は色っぽくないぞ”と。スライステール、極ホルモン、豚骨たたき、ゲタカルビに塩ツラミ、キャベツ焼き、テールスープに豚足。ホッピー二杯。三杯目を飲もうとして女性二人に阻止される。黒豆進呈して、同人誌と福袋に入っていたというキャップ(談之助風)貰う。タクシーで帰宅、同人誌の私の原稿、文章はテンポもよく趣旨も狂っていて大変いい(自画自賛)のだが、文字だけで地味。次回からはイラストをつ けねば、と思う。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa