18日
火曜日
波浪規定
東京都では有義波高1.5メートル以上のものを波浪注意報該当の波と規定しているそうだよ、ネコちゃん。朝5時半に目が覚めてしまい、少し仕事。それから7時半までまた仮眠。朝食、K子には野菜炒めを作り、私は家から送ってきたカレーがまだ少し残っていたのでカレースパ。今日の午後には悪くなる、という味。昨日の歯医者の長時間の治療で口の中が荒れており(長いこと唇を引っ張られていたことによる。あと、一ケ所ドリルがさわって粘膜がはがれたところあり)、ものを食べてもうまくない。梨がさわやか。
ニューヨーク株式市場は予想通りの大暴落。日本のニュースキャスターは大騒ぎであるが、あちらの経済評論家たちのコメントは極めて楽観的なので拍子抜け。中には“これで逆に一般投資家が株を買い安くなる”と言っている人もいる。そんなことではまたミニバブル再現にしかならんだろうがよ。思い出すのが日航機の御巣鷹山事故の際に、やはり一時的に株が下落し、親父が日航株を欲しがったのだが、まかせていた証券会社がイモで、買い損ねてしまったことがあった。やはりこのときもそれからすぐに再急騰し、親父は“ああ、あのとき買っておきゃなあ”としばらくボヤいていたのだが、そのときうちの婆さんが、ムスコの落ち込みを見兼ねて、“心配ないよお前、またすぐ墜落するから”とナグサメた一件。こういう、オロカなる愛情話はなかなか好きなんですが。SFマガジンから電話、近況原稿を書き忘れていた。あわてて書いて送信。
鶴岡から電話、タリバンの戦闘員たちは、やっぱり“タリ、タリ”とか言いながら襲ってくるのか、といったバカ話しばし。あるもの書きグループの話題になり、彼が“頭のいい人もいるのにどうしてあそこ、ああパッとしないんでしょうねえ”と言うので、集団というのはみな、その構成員の中で一番能力のない、どうしようもない人物に引きずられてしまいがちなもの、と説明する。NHKのYくんからも電話、局の中に私のファンがいるのでぜひこんど一席、という話。午前中に北海道新聞コラム第5回分。道新のもうひとつの連載である星取り五番勝負は次回から形式が変わり、星による評価はなくなり、コラム風書評のおもむきが強くなる。12時半、六本木に出てトツゲキラーメン。肉はダブルにしたが、胃がうけつけず、半分も残す。バテてるなあ。明治屋で買い物して帰宅。
ハローミュージックから電話、トゥナイト2からトラフェスの取材申込みが来ているとのこと。鶴岡を推薦しておく。ロフト斎藤さんから電話、11月3日のオタアミについて。2回公演でいいでしょうかというので、オタキングに電話し、岡田さんの了承を確認。時間について打ち合わせる。眠田さんにもメール。今年はホントにイベントイベントの連続。モノカキとしてこれでいいのか。まあ、よくなくたってイベントには出るでしょうなあ。好きだから。その連絡に手間取り、3時からの世界文化社との打ち合わせ(於時間割)に30分遅刻。Dさんとスケジュール組み合わせ。今回のテロで内容がかなり変わりそう。
そこから帰り、サンマーク出版のコラム書き直しを2本、加えてまえがきとあとがきを一気に片づける。旅疲れを取ろうと、8時にマッサージを予約しているので、それまでにと頑張る。少し遅れてなんとか脱稿。編集部Tさんにメール。タクシー飛ばして新宿へ。整体師さんが“お疲れのようですから眠れるような感じでやりますね”という。いや別に眠くは、と言いかけてもう、半覚半睡状態。整体がうまいというより疲れだと思う。半分意識がある証拠に、いろいろ替え歌などを考えていたのを記憶している。終わって目がさめたとき、髪がグショグショになるくらい、寝汗をかいていた。マッサージされながら寝汗をかくというのは初めての経験。体が心底バテている証拠かもしれない。昔、オノプロと提携事業していたTという男が心臓マヒで急死したその前々日、打ち合わせしながら鼻の頭にびっしりと汗をかいていたのを思い出す。用心しなきゃ。整体師さん、
「骨がやっぱり三ケ所ほどズレてましたんで、なおしておきました」
という。人体がそう単純にズレたりなおせたりするものかね?
そこから四谷に行き、K子と待ち合わせておでんや『den』。カウンター12席のみの店で、しかも席のうしろを通るときは壁に体をスリ寄せなくては通れないようなせまい店だが、K子がここのおでんを食べて以来、他の店ではおでんが食べられなくなった、という。正直、食べている間はそれほど傑出した味とは思えないのだが、不思議にあとを引く。値段もやや高いが、銀座のやす幸ほどではないし。