裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

水曜日

ジエイタイの復讐

 メイ・ザ・セルフディフェンスフォース・ビー・ウィズ・ユー。朝7時起き。朝食スープスパゲッティとオレンジ。テレ朝モーニングワイドで亀和田武、誘拐事件の犯人が有馬温泉で・・・・・・というのを“有馬記念で・・・・・・”とやって、本人も回りも凍りついていた。朝から大和書房原稿。いや、他にもやらねばならんものが山積しているのはわかっております。わかっておりますがまず、手近に資料があるものから始めねばアカンのです。

 ほんやら堂に裏モノ会議室でUPされていたTINAMIXからかい発言を嫌味で引用した荒しがいた。なんでやるなら直にTINAMIXに送らないかね。ほんやら堂はあそこのスタッフでもなんでもなかろうに。・・・・・・ただ、それはそれとしても、今回の東・砂・阿部和重の鼎談はひどいものだった。ハリウッド映画に関する無知や文学に関する無知が露呈している。スポーツは映画の中では大きなジャンルを形成してない、という発言など、50年代のハリウッド映画をまるで観てないんだろう。明治時代の文学者はスポーツを敵視していた、なんて発言、横田順彌さんが聞いたら怒り出しますよ。正岡子規の野球短歌とか、知らんか?

 某スジから電話。今年の草月ホール『ロボットイズム』好評(文化庁関係者に)につき、来年も類似企画やることになったとか。で、現在会議にあがっているテーマが“ジャパニメーション”(トホホ)。総合企画のI氏曰く“ヨーロッパにおいてジャパニメーションというのは一種の侮蔑的表現とされて、軽く見られているのが現状だが、しかし実際はジャパニメーションの持つ多彩な表現性は彼の地のアートにも深く影響を与えていて・・・・・・”某スジ氏も頭を抱えたそうだが、しかしどっかで聞いた言説だよなあ。Iという名前の人(字は違うが)てのはみな同じことを考えますか。そういうスタンスでホントにやるならいいアドバイザー紹介しますぜ、と言っておく。I(くんの方)、やってみるかい?

 昼はパルコの上の中華屋でエビ焼きソバ。焼き麺と言いませんね、何故か。ブックセンターで文庫本3冊。帰ったらいしかわじゅん『薔薇の木に薔薇の花咲く』(扶桑社文庫)送られてきていた。上中下3巻同時発売というのは、前に出した単行本が1巻目の売れ行きが悪くてそこでストップした経験則からか。なかなか考える人であります。解説がそれぞれ夢枕獏、中野貴雄、藤臣柊子というミャクラクのないメンツ。もと奥さんの藤臣さんに解説書かせる度胸がよろしい。中野貴雄のには相変わらず笑わせられる。週刊ポストから『ブリスター!』評、OKとの返事。タイトルのイミがわからずノーマークだったそうだ。

 3時、時間割にて大和書房Iくん。『トンデモ一行知識の世界』続編原稿、5枚分ほど持っていく。前書き部分50枚はテーマに添った一行知識を並べるのに案外時間がかかり、まだしばらくかかる。ふう。

 青山で買い物。帰り、渋谷近辺の車は大渋滞。どうも、公会堂での椎名林檎のコンサートのせいらしい。夕方から小雨で体調極めて不良。新宿のサウナマッサージに飛び込む。今日はサウナ、客が他におらず独占状態でのびのび。体の水分をたっぷり抜く。減量は遅々たるものとはいえ順調。マッサージの先生、重量級の人で、徹底して揉み込まれる。“ひどい状態ですね”と言われるのがモノカキの勲章?

 帰って夕食の準備。カツオ梅たたき、山芋と牛肉の木の芽煮、じゃこむすび。牛肉と山芋はすき焼き風なのだが、意外に相性がいいのでやってみなさい。LDで小林旭『大草原の渡り鳥』。藤村有弘の怪三国人ツブテの竜がやはり傑作。“香港、上海、マカオ所払い”というセリフ、昔仲間うちで流行ったな。冷酒2合。日本酒が飲みたくなるのは内蔵系の調子がいい証拠。K子の『フジリコ』放映は5月5日になったとか。明後日の回で予告をやるそうだ。あんまり死体写真集とかホルマリン漬けとか見せたおかげで“変態レディース作家の仕事場突入!”みたいなタイトルになるらしいがまあ、自業自得。

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