裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

火曜日

NASAの打ち上げ

「スペースシャトルミッション終了の打ち上げ会は『日本海・庄屋』ケープカナベラル支店で今夜7時から開催、会費一人5000円です」

※『黄昏モンスターズ』千秋楽 打ち上げ

ゆっくり休んだ効験あらたか、8時半まで(途中一回トイレに
起きたが)ゼイゼイもなくぐっすり(起きだしてからちょっと
あったが)。そうなると久しぶりに長い夢も見る。
漫才コンビのライブを砂浜で見る。
海パン姿で、全身に砂をまぶした格好でコントをやっている。
なかなか面白い。
その後、打ち上げに彼らと私ら夫婦とで、渋谷の寿司屋に入る。
駅前にあるとは思えない古いさびれた寿司屋で、カウンターはあるが
中に職人はおらず、注文すると奥で握った寿司を持ってくる。
カウンターのガラスケースの中には、ピンク色をしたコオロギなどが
飼われている。
あと、ルナの連中と24時間コントというのをやっている。
ネタを出しつくしたので、“人体切断コント”というのをはじめ、
箱の中にお客を入れて、さあノコギリでこれを切断します、と
宣言するが、オチを全く考えていないのですごく不安になる。

9時半、朝食。
バナナジュース、カブのスープ、ミルクティー。
メール等で連絡みて、日記つけ、12時に下北沢。
プロデューサーとして千秋楽挨拶して、仕度。
その前に、舞台の上で声を出すためにコンビニで買った
カレードリアを食べる。
公演の最中というのは何かかんか、常に食べている。
今回の公演で3キロ太った。
明日からダイエットせねば。

マチネはウィルソン、楽しく演じる。
この回のマチネが今回最高の入りか。
外は小雨もよいだが、この雨がなければ完全満席になったかも。
とはいえ、98%の埋まり具合。
最後の“残念だ!”のセリフ、最終の今日が一番よく出来た。
豊田くんのマネージャー役(元、彼がいた編集部からは“やはり
妖怪の話というと子泣き爺いですか”とメールが来たが)も
ドッと笑いをとっている。
ドラゴン山崎さん、山口A二郎さんなどに挨拶。
サキちゃんのパパさんも再度見に来てくださった。

その後、豊田くん、容子ちゃん、なべさん、麻衣夢、シヴさん、
明華ちゃんのメンバーでミン亭(ミンは王へんに民)に行き、
二階で今回の芝居の話などしながらラーチャン(半ラーメンと
半炒飯)。どちらも昔ながらの懐かしい味。
炒飯はチャーシューの食紅でほんのり桜色に染まっている。
シヴさんが感動しながら食べていた。
半とはいえかなりの分量があり、麻衣夢が食べあぐねていたのも
シヴさんが引き受ける。
ふと気がついたが、これだけのメンバーで食事に来たが、
一人も劇団員がいない。なべさん、このメンバーで
ギャグ一切なしのストレート・プレイをやったらどうなるかな、と。

小屋に戻るが、雨がかなり強く降りだしていた。
はれつ氏からドーナツの差し入れあり。
私は椅子に寝転がって食休み。
私と乾きょんが出たBitVisor啓発ビデオの映像などを
流してみんなで見る。

夜の部、前売がはかばかしくなかったので心配していたが、
二度、三度来てくれたお客さんがいたりして、
昼の部にちょっと欠けるくらいの人数が、平日というのに入って
くれた。

そして、この回の私は最後の最後でのカメオなので、
例により調光・調音室の脇で最初から観ていたが、
オーラスで、今回の公演の最高の出来、であった。
毎回、二番目に登場する妖怪である岡田竜二、NC赤英、松下あゆみの
シーンのギャグがすべりっぱなしだったのが、いろいろ改良を
加え、あゆみ(少林寺拳法をやっている)のパンチという
くだりを入れて最後の最後で大成功したし、何度もいいと今回の
日記で書いている乾恭子の雪女はじめ、すべての役者が最高の演技、
ほぼすべてのギャグがうけるという、千秋楽効果。

以前、前の劇団で客演した『ひよこのパジャマ』も千秋楽が
大受けで、そこの座長が
「初日からこのウケをとろうと思って話を作っているし、
演出もしているんだけど、どうして千秋楽になってしまうんだろう」
と首をかしげていたことがあった。
しかし、人間の心理というものは、これが最後、というときに
最大のテンションをあげるものだし、観客たちも、これで千秋楽、
という意識があると、笑いの感受性が高まるものなのだろうと思う。

1時間50分ほどの芝居があっという間に終り、最後の私の出番も
昨日からつけた“前の会社をリストラされて慣れない芸能マネージャーを
やっている初老の男”というキャラで、実にやりやすくなった。
麻衣夢がセリフで“やりたい放題じゃない!”と。

終ってゼファーさん、その他のみなさんに挨拶。
マドとオノが、依頼した松下あゆみの手書き劇場前ポスターを
絵葉書にしたもの、を持ってきてくれたので、千秋楽特別特典で
物販するが、これは即、完売した。
熱心なファンは、そこに全員のサインをいれてもらって回っている。
そういうときにも使えるアイテムである。

その後、すぐバラシに入る。
私も以前、一役者として参加したときはバラシにも積極的に
参加していたが、最近は手伝っても邪魔にしかならないとわかったんで
マドと3月公演の絵葉書製作の算段をする。
あと、オノと今後のスケジュールの算段。
3月中旬に日テレの特番出演が入っているが、もう一本、その前後に
NHK−BSの特番が入った。
案外この公演終りすぐから、予定がギッシリである。
書き下ろしが3月使っての一本、入っているし、ルナ3月公演にも
声だけといえ出演するし、5月のトツゲキの稽古も始まるし、
かなりハードである。

12時40分くらいにバラシ終り、日をまたぐギリギリのところで
打ち上げ会場に。車両係の岡っちたちも奇跡的なまでの早さで
戻ってこれたし、打ち上げも盛り上がる。
吉本興業の本田みずほさんや本多慎一郎さんなどとも話が出来たし、
普段のクールビューティ風とは段違いのはしゃぎっぷりをしめす
鈴木希依子ちゃんの姿も見られたし、音響の三宅くんには
「ミヤッキーと呼んでもろて、嬉しいです」
と言われるし、実にいい打ち上げだった。
菊ちゃんの誕生日でバースデーケーキ持ち込みあり、恒例で
その中に本人が顔をつっこむ。
朝5時まで飲んで、騒いで、お開き。
酔っぱらったハッシーは別府明華ちゃんの手を握ったまま、
さっさとタクシー中の人へ。
仕方ないのでテリーの音頭で一本締めし、これもかなりベロになった
乾ちゃんを、中野坂上の大江戸線の駅まで送って、帰宅。
明日のゼイゼイヒューヒューが心配だが、消炎剤だけのんで、
ベッドへ。

*舞台集合写真。前回の『黄昏〜』を病気で観られなかった麻衣夢
のお母さんを囲んでの、全快記念写真でもある。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa