裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

月曜日

カメオも怖れぬ所業

唐沢のやつ、カメオ役であんなセリフを……(座長・談)

※アスペクト原稿 『黄昏モンスターズ』あと一日!

朝6時に目が覚め、覚めるとすぐにヒューヒューゼイゼイが
始まる。全く憂鬱である。
この数日、実質睡眠時間は3〜4時間弱というところではあるまいか。
資料本など読んだりして、ゼイゼイを忘れようと試みるもダメ。
外は雨、蕭々。この空模様も体調不良に関係しているか

9時半、朝食。
カブのスープ、バナナジュース。
今日はソワレだけなので昼間はゆっくりできるのがせめても。
マチネとソワレではよく芝居の質も観客の反応も異る、と
言われている。
http://www.moon-light.ne.jp/termi-nology/meaning/matinee.htm
ルナはあまりそういうこと、関係ないのではと思うが、
今回は客の入りも反応も、マチネの方が確かによかった気がする。
マチネのみの公演の日というのも、作ってもいいかもしれぬ。

K社Iくんからメール、私の本のフェスをするのでサイン入り
色紙30枚お願いしますとのこと。それとさだやんさんの日記で
ダーリン先生の葬儀のこと。焼場で拾った骨の量の多さと、
喉仏の形の見事さに、係の人も感心していたとのこと。

アカデミー賞で日本が二冠のニュース、映画バブル崩壊とかいう
話が広まっている中で非常に喜ばしい。
短編アニメ賞の加藤久仁生氏のセンスは以前から日本人離れして
いるというか、日本より世界で認められるものと思っていたから
受賞も当然と思っていたが(私はフランスの学生が作ったという
『オクタポディ』を贔屓してたんで、私情としてはちょっと
残念)、滝田洋二郎監督の受賞は嬉しい意外性である。

本当のことを言うと、私はこの監督の大作『陰陽師』や『阿修羅城の瞳』
はあまり評価していなくて、この人は『病院へ行こう』や
『お受験』といった、日常の人間行動の中の奇妙さを描くことに
妙を得ている人と思っていた。だから、その方向性の到達点の
ような『おくりびと』でのアカデミー受賞はまことに納得できる。
思えば最初にこの人の名をスタッフロールで見たのは、
『下落合焼とりムービー』(1979)での山本晋也の助監督
であったのだな(全く記憶していないけど)。
山本のもとで『痴漢電車』シリーズを引き継いで大量に監督、
あのシリーズは実際の電車の中でのゲリラ撮影が売り物だったから
滝田監督も逮捕スレスレのそういう撮影を山ほどしたのだろう。
そういう経験を積んだ末の人のアカデミー賞受賞は本当に涙が
出るほど喜ばしい。もちろん、作品賞なのだから、滝田監督ばかりで
なく、脚本の小山薫堂氏(これまた、“線引き屋”などと蔑称される
テレビのバラエティの構成作家出身)はじめ、スタッフ全てに賞賛は送られるべきではあるが。

消炎剤の効果か、昼食(つくね焼き弁当)食べたあと眠くなり
1時間ほど寝る。これで体力やや回復、アスペクト広告誌原稿
3枚半、一気書きする。

5時半、家を出て下北沢。
箱根帰りのオノ・マドも立ちよったので、いろいろチラシのことなど
算段する。乾きょんが今回のアンケートを読んでいたので見せて
もらった。一人、デザイナーだという未知の人が、私のウィルソン
を、一文の中に二回も名を出して凄い、と絶賛していたものがあり、
今回の芝居はこれだけで出てよかった、と思った。

夜の部は出演はカメオなので、ずっと調整室の脇で最初から見る。
完成度という点では去年の9月の方が勝るだろうが、バラエティ的
楽しさはこちらの方が上、と思う。何にせよ、パッケージ化が
急務である。

出演前、声をちょっとやっているので、今日は
「初老の若作りマネージャー」
でやってみる。やはりハッシーいじりの楽屋オチで笑いが来る。

終って、挨拶。今日は私の知りあいはほとんどいないが、去年の忘年会で
会ったKさんが来てくれた。
今夜、ちょっとハッシー、ミヤッキーと某件打ち合わせで
飲む予定だったが、ハッシーは別の友人が来たのでそっちに行かねば
ならなくなり、では、私も体力温存のために、と今日は帰る
ことにする。

家で、こうでんさんのクジラを焼いてステーキにし、つまみに
してちょいと寝酒。もちろん、ステーキは仙台の一乃谷風。
風味絶品。
残った汁はご飯にかけて、これもつまみがわりに。
DVD類の未見のものをザッピングしつつ。
12時半までそれでも起きていた。

*アニメ『オクタポディ』。
http://www.youtube.com/watch?v=XyuqtOuljSw

Copyright 2006 Shunichi Karasawa